
今回は、こんな声に応えていきます。
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当記事で分かること
- アドレナリン受容体とは
- 「α・β」の臓器への関連付け方について
<Contents>
アドレナリン受容体とは
アドレナリン受容体とは、自律神経の交感神経を優位にする受容体です。神経伝達物質のノルアドレナリンによって刺激されます。その対をなす神経が副交感神経です。
戦闘モードなので、瞳孔を開いてカッと相手を視認し、血圧・心拍数を上げて気管支を広げることで臓器に栄養や酸素を届け、消化管を抑制して排泄を起こさないイメージですかね!
種類・タイプ
受容体は大きく「α」「β」のタイプと、細分化されたサブタイプが存在します。作用が多いので、ざっくりと以下を押さえれば十分だと思います。α₂は無視でも良いかもですね。
- α1:血管収縮・瞳孔散大・内尿道括約筋収縮など
- α2:脂肪分解抑制など
- β1:心収縮力増大・心拍数上昇など
- β2:平滑筋(気管支・血管・子宮)弛緩など
- β3:排尿筋弛緩など
覚え方
簡単に関連付けた覚え方を紹介します。合わなければ自己流にアレンジしましょう!
α
α₁受容体は血管・瞳孔・尿道括約筋を「α」に重ねてイメージすると記憶に残ります。作用は冒頭の画像の通り、戦闘モードをイメージすると良いと思います。

β
β受容体はサブタイプ3種類をざっくり覚えます。全て「B」で関連付けてイメージしましょう!作用は兼ね戦闘モードでイメージ可能ですが、血管平滑筋だけ拡張して血圧を下げる方向に働きます。
- β₁:Beat(心拍数)・心収縮力
- β₂:Breath(呼吸)・Blood Vessels(血管)
- β₃:Bladder(膀胱)
カテコールアミン
生体では副腎髄質ホルモンとして、カテコールアミンが産生されます。これらは天然(内因性)カテコールアミンと言われています。
- ドパミン
- ノルアドレナリン
- アドレナリン
合成(外因性)カテコールアミンは次の通りです。
- ドブタミン
- イソプレナリン
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薬理作用
アドレナリン受容体に作用する薬剤は多種多様です。ここではカテコールアミンに絞って、アドレナリン受容体を「刺激」する薬剤をざっくりと解説していきます。
ドパミン
イノバン®・カタボン®などの商品名で代表され、投与量によって作用する受容体が変化します。
- 低用量:ドパミン受容体(D)のD₁作用による腎臓などの血管を拡張することで、血流増加・利尿作用を及ぼす
- 中用量:β₁作用による心拍数・心拍出量を上昇させる効果を持つ
- 高用量:α₁作用による血管収縮を起こす
ノルアドレナリン
血管拡張による低血圧を起こす敗血症では第一選択薬となります。
- α₁作用による強力な血管収縮を起こす
- β作用は弱め又は無し
アドレナリン
心肺停止・重症気管支喘息・ショックなどの他、鼻出血などでも用いられます。静脈注射以外に、筋肉注射・外用薬などとしても使用され、用法に気を付けたい薬剤です。
エピネフリンと同義で、ボスミン®などの商品が代表的です。
- α・β作用によって血管収縮・気管支拡張・心拍数上昇・心収縮力増強などが期待される
ドブタミン
商品名はドブトレックス®・ドブポン®などが代表的です。
- β₁作用によって心拍数上昇・心収縮力増強などが期待される
イソプレナリン・イソプロテレノール
商品名はプロタノール®などで、非選択的にβ₁・β₂受容体を刺激します。特に心拍数を上昇させるので、喘息では選択的にβ₂を刺激する薬剤を用いることが一般的です。
- β₁・β₂作用による心拍数上昇・心収縮力増強・平滑筋(気管支・血管)弛緩などが期待される
今回は「アドレナリン受容体」について解説しました。
まとめ
- まずは交感神経・副交感神経を押さえよう!
- 受容体は「α」・「β」に関連付けてイメージしよう!
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