
今回は、こんな声に応えていきます。
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【医療学生】iPad・アプリなどを活かした図解ノートによる勉強方法について<看護>
当記事で分かること
- 再生不良性貧血とは
- 汎血球減少について
- 症状・治療などについて
<Contents>
再生不良性貧血とは
WHO・貧血基準
- 成人男性:<13g/dL
- 成人女性:<12g/dL
- 妊婦・未就学児:<11g/dL

ポイント
再生不良性貧血は、全血球の源となる造血幹細胞が脂肪細胞(脂肪髄・黄色髄)に置換されていきます。そして造血幹細胞の減少によって汎血球減少を引き起こし、易感染・出血傾向・貧血などを起こします。
汎血球減少とは
- 赤血球
- 白血球
- 血小板
上記の血球が減少することを言います。次の二点が主な原因となります。
- 血球産生低下(骨髄):再生不良性貧血・巨赤芽球性貧血・急性白血病など
- 血球破壊(末梢血):敗血症・DIC(播種性血管内凝固症候群)・脾機能亢進症など
症状・検査・治療について
症状
汎血球減少による症状が起きます。感染・出血による死因が多いとされます。
- 貧血
- 易感染
- 出血傾向
検査
- 血液検査
- 骨髄穿刺:脂肪髄増加・有核細胞数減少
- MRI
再生不良性貧血の重症度基準(平成 29 年度修正)
出典:再生不良性貧血診療の参照ガイド
解説
- ATG(Anti Thymocyte Globulin):日本語で抗胸腺細胞グロブリンの意味で、リンパ球を減少させる働きを持ちます。
- アンドロゲン療法:造血・エリスロポエチン産生作用を持つとされます。副作用は男性化や、肝臓で処理されるので肝機能障害なども懸念されます。
- G-CSF(Granulocyte Colony Stimulating Factor):顆粒球コロニー刺激因子という意味で、特に好中球の増殖を促します。
今回は「再生不良性貧血」について解説しました。
まとめ
- 再生不良性貧血は、大元となる造血幹細胞の減少で汎血球減少を起こします
- 死因は感染症と出血が多いとされます
- 骨髄低形成(脂肪髄増加・有核細胞数減少)を認めます
- 重症度によって、若年者は骨髄移植が適応になります
- その他免疫抑制療法やアンドロゲン療法を行います
- 支持療法では輸血などを行います
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