
今回は、こんな声に応えていきます。
この記事は看護学生・看護師は勿論、その他の医療学生・関係者にも通ずる基礎内容です。専門書やガイドラインなどでデータや事実を確認してから執筆しています。学科試験・国家試験・予習復習などに役立ててください! 国家試験範囲の解説一覧は領域別にHOMEに掲載しています。Kindle電子書籍を活用して無料・低価格で「電子ノート」を作りたい場合は、以下の記事を参考にしてくださいね!
-
-
【医療学生】iPad・アプリなどを活かした図解ノートによる勉強方法について<看護>
当記事で分かること
- 虫垂炎とは
- 症状・治療・看護など
<Contents>
虫垂炎(盲腸)とは
俗に「盲腸」とも呼ばれますが、正式な名称は虫垂炎です。臨床では「アッペ」(虫垂:appendix)と称されます。虫垂が詰まって細菌が繁殖し、炎症を起こした状態です。

ポイント
以前はそう言われていましたが、近年の研究で免疫機能(IgA)が備わっていると報告されています。
関連記事をCHECK!
-
-
Ig・免疫グロブリンとは?白血球・種類・覚え方など<看護・医療国家試験>
虫垂炎の原因・好発について
原因・好発
糞石・異物などが原因とされます。10~20歳代で好発します。
虫垂炎の症状・検査について
症状
初期では心窩部・臍部付近の疼痛を呈します。痛みに伴う嘔気・嘔吐・下痢・便秘などが生じます。進行すると疼痛は移動し、右下腹部痛が強くなります。穿孔・腹膜刺激症状などを起こします。
関連記事をCHECK!
-
-
腹痛の原因と対応を体性・内臓・関連痛などで解説します<看護師国家試験>
虫垂炎のスコアではアルバラド・スコア「Alvarado score」と呼ばれる指標が代表的です。合計10点で、4点以下では可能性が低いとされます。症状と大まかな検査を合わせて覚えられます。
<アルバラド・スコア>
右下腹部への疼痛の移動 | 1点 |
食欲不振 | 1点 |
嘔気・嘔吐 | 1点 |
発熱 | 1点 |
反跳痛 | 1点 |
好中球数>75% | 1点 |
白血球数>1万/μL | 2点 |
右下腹部圧痛 | 2点 |
注意ポイント
妊婦は診断が難しいとされ、穿孔を起こすと胎児死亡率が上昇します。乳幼児・高齢者では、言葉や間隔が原因となって発見が遅れることが多いとされます。その他にもCT・エコーなどの画像検査を必要に応じて行います。糞石・虫垂の腫大などを認めます。
圧痛点
以下の2点は虫垂炎で認める圧痛点です。その他、代表的な圧痛点にモンロー点・キュンメル点など幾つか存在します。
- マックバーニー(McBurney)点:臍と右上前腸骨棘を結んだ外側1/3の点(虫垂起始部)
- ランツ(Lanz)点:左右上前腸骨棘を結んだ右側1/3の点(虫垂先端部)
<男性>
<女性>
上前腸骨棘とは
上前腸骨棘は腰骨の出っ張っているところです。
虫垂炎の治療・手術に関して
<イメージ>
軽症例では保存的に、炎症が強い場合などは外科的治療を行います。
- 保存的治療:絶食・抗生物質など
- 外科的治療:腹腔鏡手術・開腹手術など
関連記事をCHECK!
-
-
周術期の役割とは?ドレーン・体温管理などについて<看護師国家試験>
今回は「虫垂炎」について解説しました。
まとめ
- 虫垂は免疫機能を担っています
- 好発は若年層で、虫垂部の詰まりが主な原因とされます
- 進行すると疼痛が右下腹部に移動します
- 発熱・反跳痛・炎症反応などを呈します
- 妊婦・乳幼児・高齢者では注意します
- 圧痛点2種類を覚えよう
- 軽症なら保存的治療で、切除は腹腔鏡・開腹です
最新記事