
・膵臓はどの辺りに位置するの?
・解剖や役割について知りたいな!
今回は、こんな声に応えていきます。胆道系って、名称が多くて覚え難いですよね。
この記事は看護学生・新卒看護師は勿論、未経験領域に臨む臨床看護師にも通ずる基礎内容ですので参考にどうぞ!筆者の経験以外に専門書やガイドラインなどでデータや事実を確認してから執筆しています。 国家試験範囲ですので、学科試験内容にも含まれます。国家試験合格率は全国平均で90%程度です。単位を落とすと学費が余計に掛かってしまいます。 この記事は国家試験範囲(+α)程度の内容に絞って、突っ込んだ内容はなるべく別記事でしています。是非参考にして「単位取得」・「合格」に役立ててくださいね。
本記事の内容について
- 胆道系の名称について
- 胆道・膵臓の解剖について
- それぞれの役割について
目次
1.胆道・胆嚢・胆管の違いと解剖について
- 胆道:Biliary
- 胆嚢:Gallbladder
- 胆管:Bile Duct
>胆道
その名の通り、胆道は胆汁が通る道です。肝外肝管と総胆管を含めた肝外胆管と、胆嚢・十二指腸乳頭部(画像白丸)までを胆道と呼びます。胆汁は、胆汁酸が肝臓で生成されて直接ビリルビンと混ざった後に排泄されます。
>胆嚢
胆嚢は胆汁を貯留したり、濃縮する袋状の器官です。総胆管までの通り道を胆嚢管と呼びます。十二指腸に入った脂肪などの食物に反応してコレシストキニンが分泌され、胆嚢が収縮することで十二指腸に胆汁を排泄します。この際にファーター乳頭部(画像白丸)のオッディ括約筋が弛緩します。
排泄は1日600ml程度となり、脂質の乳化・消化吸収補助を行います。ビリルビン色素は便・尿を着色し、胆汁酸は腸肝循環で肝臓に戻って再利用されます。
胆汁の素となる胆汁酸は、コレステロールで作られます。胆汁を貯蓄しておく胆嚢で結石が見付かると、多くはコレステロール石ですが、機序から考えるとその理由が分かります。また、粘膜が薄いので癌が浸潤し易い特徴を持ちます。
以下は黄疸と尿の構図ですが、ビリルビンの流れを示しています。
参考
代表的な胆嚢の疾患は以下の通りです。
- 胆嚢結石
- 胆嚢癌
- 胆嚢炎
>胆管
胆管は肝管も含めた肝臓~十二指腸乳頭部までの胆汁が通る管を言います。何かしらの原因で閉塞すると黄疸・炎症などを早期に呈します。
代表的な胆管の疾患は以下の通りです。
- 総胆管結石
- 胆管癌
- 胆管炎
参考
2.膵臓(Pancreas)の解剖と役割について
膵臓は後腹膜臓器で、インスリンを代表とするホルモンや様々な消化酵素を分泌する器官です。十二指腸の横に存在します。
長さ15㎝程度、重量70g程度で、膵頭部・膵体部・膵尾部の3区画に分けられます。
総胆管と合流する主膵管はファーター乳頭に開口して、オッディ括約筋により制御されています。副膵管は小十二指腸乳頭に開口します。
>外分泌・内分泌
膵臓はホルモンと消化酵素を分泌します。種類は以下の通りです。
外分泌
- アミラーゼ:糖質
- リパーゼ:脂質
- トリプシン:蛋白質
- 重炭酸ナトリウムで胃酸を中和します
内分泌
- グルカゴン:α細胞・グリコーゲン分解や糖新生で血糖値を上げます
- インスリン:β細胞・グルコースを取り込んで血糖値を下げます
- ソマトスタチン:δ細胞・グルカゴンとインスリンを制御します
今回は「胆道・膵臓」について解説しました。
まとめ
- 解剖生理学の理解が病態把握の近道です!
- 図を見て覚えよう!

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