
今回は、こんな声に応えていきます。胆道系って、名称が多くて覚え難いですよね。
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当記事で分かること
- 胆道系について
- 胆道・膵臓の解剖・役割とは
<Contents>
胆道・胆嚢・胆管について
- 胆道:Biliary
- 胆嚢:Gallbladder
- 胆管:Bile Duct
胆道
その名の通り、胆道は胆汁が通る道です。肝内胆管(左右肝管)、肝外胆管(総肝管・総胆管)、胆嚢(胆嚢管)などを総称して胆道と呼びます。
胆汁は、胆汁酸が肝臓で生成されて直接ビリルビンと混ざった後に排泄されます。
胆嚢
胆嚢は胆汁を貯留したり、濃縮する袋状の器官です。総胆管までの通り道を胆嚢管と呼びます。
十二指腸に入った脂肪などの食物に反応してコレシストキニンが分泌され、胆嚢が収縮することで十二指腸に胆汁を排泄します。この際にファーター乳頭部のオッディ括約筋が弛緩します。
胆汁排泄は1日600ml程度となり、脂質の乳化・消化吸収補助を行います。ビリルビン色素は代謝後に便・尿を着色し、胆汁酸は腸肝循環で肝臓に戻って再利用されます。
胆汁の素となる胆汁酸は、コレステロールで作られます。胆汁を貯蓄しておく胆嚢の結石では、多くがコレステロール石とされます。また、粘膜が薄いので癌が浸潤し易い特徴を持ちます。
以下は黄疸と尿の構図ですが、ビリルビンの流れを示しています。
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胆管
胆管は肝管も含めた肝臓~十二指腸乳頭部までの胆汁が通る管を言います。何かしらの原因で閉塞すると黄疸・炎症などを早期に呈します。
代表的な胆管の疾患は以下などです。
- 総胆管結石
- 胆管癌
- 胆管炎
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膵臓の解剖と役割について
膵臓は後腹膜臓器で、インスリンを代表とするホルモンや様々な消化酵素を分泌する器官です。十二指腸の横に存在します。
15㎝・70g程度の臓器で、3区画に分けられます。
- 膵頭部
- 膵体部
- 膵尾部
総胆管と合流する主膵管はファーター乳頭に開口して、オッディ括約筋により制御されています。副膵管は小十二指腸乳頭に開口します。

外分泌
膵臓はホルモンと消化酵素を分泌します。
- アミラーゼ:糖質
- リパーゼ:脂質
- トリプシン:蛋白質
- 重炭酸ナトリウム:胃酸を中和します。
内分泌
- グルカゴン:α細胞・グリコーゲン分解や糖新生で血糖値を上げます。
- インスリン:β細胞・グルコースを取り込んで血糖値を下げます。
- ソマトスタチン:δ細胞・グルカゴンとインスリンを制御します。
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今回は「胆道・膵臓」について解説しました。
まとめ
- 胆道は胆汁の通り道で、色々な名前が付けられています
- 胆汁は食物の消化・吸収などに関わります
- 膵臓は唯一全ての食物を分解できる器官です
- 酵素以外にホルモンの分泌も司ります
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