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Nursing

膀胱癌・尿路変向術(ウロストミー)について解説します<看護師国家試験>

2020年12月1日

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集中治療室で10年以上働き、ブログを起点に様々な情報を発信しています。臨床や投資、お金の知識を基に、専門書やガイドラインなどでリサーチをしてから執筆中!Web関連、看護、お金、職場環境の情報などを発信しています。

・膀胱癌って何に注意しよう?

・ウロストミーって何?

今回は、こんな声に応えていきます。

この記事は看護学生・看護師は勿論、その他の医療学生・関係者にも通ずる基礎内容です。専門書やガイドラインなどでデータや事実を確認してから執筆しています。学科試験・国家試験・予習復習などに役立ててください!

本記事の内容について

  • 尿路上皮癌とは
  • 好発・関連因子について
  • 症状・検査・治療など
  • 尿路変向術とは
  • ウロストミーとは

1.尿路上皮癌とは

尿路上皮癌とは、膀胱の上皮性悪性腫瘍で移行上皮癌と同義です。膀胱は移行上皮で覆われており、癌の9割以上が尿路(移行)上皮癌だと報告されています。腎盂・尿管に生じる癌も同様です。

  • 腎盂・尿管癌
  • 膀胱癌
腎盂・尿管癌は、膀胱癌に比べて発生率は5%程度と稀です。今回は、膀胱癌について解説していきます。

2.膀胱癌の特徴・好発とは

膀胱癌の特徴は、前述した通り9割以上が尿路(移行)上皮癌です。

出典:国立がん研究センター

死亡数や罹患数は比較的少ない疾患です。罹患数は男性に多いです。化学染料などの職業性発癌物質に暴露されていることが危険因子として特徴的です。これらの化学物質は規制されていますが、一部煙草(副流煙)などにも含まれます。

  • 高齢男性
  • 煙草:最重要
  • 職業:染物関係など
  • 尿路慢性炎症
  • 放射線被爆など

参考

癌検診・生活習慣病・感染症などに不安を持っている方は以下で検査できます。自宅で採取可能で、アプリ連動や医師へのWeb相談も可能です。

3.膀胱癌の病期分類(Stage)・転移について

病期はTNM(T)分類で0期・Ⅰ~Ⅳ期に分類されます。後述する経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT:Transurethral Resection of the Bladder Tumor)や画像診断も併用します。

TNM分類

  • T(Tumor):原発腫瘍の大きさなど
  • N(Nodes):リンパ節転移について
  • M(Metastasis):遠隔転移について
  1. 粘膜上皮
  2. 粘膜下結合組織
  3. 筋層
  4. 膀胱周囲(脂肪)組織

各病期は細分化されていますが、ざっくりと分けると深達度(Stage)は以下の表の通りです。膀胱の組織は、上述した通り番号順に内側より外側に向かいます。

Ⅰ期までが表在性癌で、Ⅱ期以降は浸潤性癌に分類されます。

0期 粘膜下層まで
Ⅰ期(T1) 結合組織
Ⅱ期(T2) 筋層
Ⅲ期(T3) 膀胱周囲組織
Ⅳ期(T4) 骨盤・生殖器など

転移

膀胱癌は転移を起こし難いとされます。転移している場合はⅣ期で、末期になります。

4.膀胱癌の症状・検査について

症状

血尿は多くの症例で見られ、特に無症候性と言って疼痛などを来さないのが特徴的です。

  • 血尿
  • 膀胱刺激症状(排尿時痛・残尿感など)
  • 進行:尿路障害・水腎症・背部痛など

検査

膀胱癌では、腎盂・尿管の癌の有無にも注意します。

  • 尿検査:出血・細胞などを見ます
  • 超音波
  • 膀胱鏡:膀胱を内視鏡で観察します
  • CT・MRI(造影)
  • TURBT
  • 静脈性腎盂造影(IVP:Intravenous Pyelography):腎臓に「影を造る」検査で、臓器や尿路などに何が起きているか診断します。点滴静注腎盂造影(DIP:Drip Infusion Pyelography)とも言います。

<左:硬性内視鏡> <右:軟性内視鏡>

TURBTとは

経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT:Transurethral Resection of the Bladder Tumor)は、検査と並行して治療も行える侵襲的処置です。組織の採取を行って病理診断を行ったり、癌組織を切除します。

5.膀胱癌の治療・手術について

治療

病期で治療内容が変わってきます。大まかな内容は以下の通りです。

  • 0期:TURBT・膀胱内注入療法
  • Ⅰ期:TURBT・膀胱摘除術+尿路変向術・膀胱内注入療法
  • Ⅱ・Ⅲ期:膀胱摘除術+リンパ節郭清+尿路変向術・化学療法・放射線療法・(TURBT)
  • Ⅳ期:化学療法・放射線療法・緩和療法・姑息手術

6.膀胱内注入療法・尿路変向術について

膀胱内注入療法とは

膀胱内にカテーテルなどを用いてBCG(牛型結核菌)や抗癌剤を注入し、抗腫瘍効果を期待します。BCGは上皮内癌に用います。治療後の再発予防にも用いられます。

膀胱内注入

尿路変向術とは

「変更」と記載されているところも多いですが、ガイドラインでは「変向」となっています。大きく分けて2種類です。

  • 非禁制型尿路変向術:腹壁を通じて体外に排泄します。
  • 禁制型尿路変向術:腸を代用した膀胱を用いて、導尿又は自己排尿によって排泄します。

*禁制:排泄物が漏れない状態

>非禁制型尿路変向術

以下の2種類が挙げられます。

  • 回腸導管造設術:適応範囲が広く標準的な方法です。膀胱の代わりに回腸を尿管と繋げて、腹壁を通じてパウチ内に自動的に排泄されます。
  • 尿管皮膚瘻術:尿管を腹壁に繋げてパウチ内に自動的に排泄されます。消化管を用いられない場合などに選択されます。

>禁制型尿路変向術

以下の2種類が挙げられます。

  • 自排尿型代用膀胱形成術:腸管で代替膀胱を造り、自己の尿道に繋げて生理的な排尿を行う方法です。
  • 自己導尿型代用膀胱造設術:腸管で代用したパウチを体内に造り、腹壁に固定します。排泄は自動で行われず、管を入れて導尿します。

尿による皮膚障害などに注意します。ストーマ管理の概要については、以下の消化管ストーマを参考にしてください。


今回は「膀胱癌」について解説しました。

まとめ

  • 9割以上は移行上皮癌で、男性・喫煙者に多いです
  • 化学染料が原因になるのも特徴的です
  • 無症候性血尿が高率で出現します
  • TURBTが特徴的な検査・治療です
  • 膀胱内注入療法・尿路変向術なども特徴的です

参考Web

  • 日本癌治療学会 がん診療ガイドライン
  • 膀胱癌診療ガイドライン2015
今回は以上になります。参考になれば幸いです。

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