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【細菌検査】血液培養検査の目的・順番・手順・ボトルなどについて解説します

2021年6月17日

集中治療室で10年以上働き、ブログを起点に医療情報やお役立ち情報を発信しています。医療学生・新卒看護師向けに分かり易く解説するコンテンツも制作しています!国家試験に合格したのに臨床で上手く使えない…と思っている人は結構多いです。折角学習するのに臨床で活かせないのは勿体無いです。効率的・体系的に学びつつ臨床に活かしましょう!

血液培養検査って何でするの?

今回は、こんな声に応えていきます。

この記事は看護学生・看護師は勿論、その他の医療学生・関係者にも通ずる基礎内容です。専門書やガイドラインなどでデータや事実を確認してから執筆しています。学科試験・国家試験・予習復習などに役立ててください!

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【医療学生】iPad・アプリなどを活かした図解ノートによる勉強方法について<看護>


当記事で分かること

  • 血液培養検査とは
  • 採取するタイミングは?
  • 本数・手技・保存方法など

血液培養検査とは

本来血液は無菌です。血液に細菌が入ることで菌血症を起こします。

菌血症は血液に菌が侵入した状態で、特に症状を呈さない状態を言います。菌血症が進行して、病原体に「血液」が「敗北」してしまうと敗血症になります。

敗血症

感染症・全身性炎症(SIRS)・臓器障害などを起こしている状態で、各臓器障害を評価できるSOFA(sequential organ failure assessment)スコアを用いて診断します。

感染症で命を落とすことの多い時代なので、覚えておくと良いですよ!

目的

ポイント

  • 細菌の同定を行って適切な抗菌薬を使うこと
敗血症では重要な検査です。

血液培養の実際について

検討するタイミングについて

細菌感染を疑うときに行われます。以下は例ですが、尿路感染症・肺炎などでは血液培養だけでは特定が難しいので、尿・痰の性状も加味して追加で検体を採取します。

  • 発熱:特に38.5度を超える場合など
  • 悪寒・戦慄:細菌感染によって体温のセットポイントが上がっている可能性有り
  • qSOFA:低血圧・頻呼吸・意識障害のが起きている
  • 感染性心内膜炎を疑う
  • 抗菌薬変更時
  • その他:異常な検査値や臓器障害など

注意ポイント

理想は抗菌薬投与前ですが、遅れると予後が悪くなるので、時間が掛かる場合などは抗菌薬を優先します。

セット・本数

一般的に好気・嫌気ボトルを1セットとして、2セット以上採取します。感染性心内膜炎では3セット採取することが多いです。

理由

セット数が少ないと、コンタミネーションと言って細菌の混入によって検査に影響が起きる可能性が高くなり、検出される感度も低くなります。

  • 1セット:80%程度
  • 2セット:90%程度
  • 3セット:98%程度

コンタミネーションを防ぐ

ポイント

  • 消毒:現在推奨されているのは「1%」グルコン酸クロルヘキシジンアルコールです。0.5%以下は推奨されていないので、注意しましょう。ポピドンヨード単独よりは有効とされていますが、アルコール+ポピドンヨードとは比較されていないです。
  • 採取部位(セット数):採取部位は変更します。1度に2・3セット分の採血量を確保するのは推奨されていません。

注意ポイント

病棟でもよく見るワンショットは0.2%で、アルコールも入っていないです。

ポピドンヨード

病棟にポピドンヨード製剤しか置いていない場合は、採取前に70%アルコール(酒精綿)で前清拭することが推奨されています。ポピドンヨードは殺菌まで数分掛かるので注意です。

エタノール含有ポピドンヨードは、イソジン®フィールドなどです。

同じクロルヘキシジン製剤のマウスウォッシュはコストパフォーマンスも良くて、お勧めする歯科医も!

ボトルキャップ

キャップを外して皮膚と同様の消毒を行います。データが無くて恐縮ですが、個人的にポピドンヨードは推奨しないです。

理由としては揮発せずにゴム栓に残ってしまうので、分注の際にボトルの中に混入してしまう可能性が考えられます。簡単に酒精綿でゴシゴシ拭きましょう!

採血量・順番

好気性菌・嫌気性菌

好気・嫌気ボトルを1セットとして、一般的に計20mL程度必要になります。

好気ボトルの方が菌種が多く検出率が高いので優先して量を確保しますが、血液が足りている場合は嫌気ボトルより入れて酸素の混入を防いでも良いと思います。

カテーテル

カテーテルからの採血は、カテーテル感染を疑う場合に推奨されています。また、新たにカテーテルを挿入した際に採取することも臨床では見掛けます。

採血者・提出

治療の要となるので、医者が行うことが多いです。看護師も採取可能なので、経験値・信頼度などで依頼されることもあります。

採取後は室温管理で、35℃で保管可能な検査室などに早めに提出します。細菌の発育を抑制するので、冷蔵庫などに保管するのはNGです。


今回は「血液培養」について解説しました。

まとめ

  • 細菌感染を疑う場合などに行われます
  • アルコール含有の消毒剤を準備しよう!
  • セット数は2セット以上が一般的です
  • 採血量・採血者など、現場の状況に合わせて対応しよう

参考

Web:日本版敗血症診療ガイドライン 2020

【染色】グラム陰性菌・陽性菌の違いと種類について<看護師国家試験>
グラム陽性菌(MRSA・溶連菌など)の種類・特徴・抗菌薬などについて<看護・医療国家試験>
グラム陰性菌(大腸菌・緑膿菌など)の種類・特徴・抗菌薬などについて<看護・国家試験>
【酸素】血液培養でも重要な好気性菌・嫌気性菌の違いと種類について解説します

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