
・どう言う仕組みなの?
今回は、こんな声に応えていきます。
この記事は看護学生・新卒看護師は勿論、未経験領域に臨む臨床看護師にも通ずる基礎内容ですので参考にどうぞ!筆者の経験以外に専門書やガイドラインなどでデータや事実を確認してから執筆しています。 国家試験範囲ですので、学科試験内容にも含まれます。国家試験合格率は全国平均で90%程度です。単位を落とすと学費が余計に掛かってしまいます。 この記事は国家試験範囲(+α)程度の内容に絞って、突っ込んだ内容はなるべく別記事でしています。是非参考にして「単位取得」・「合格」に役立ててくださいね。
本記事の内容について
- 血液型とは
- 原理・検査など
- 稀血について
- HLAについて
1.血液型の原理・種類について
血液型は免疫反応を理解すると分かり易くなります。血液型が発見されたのは1900年です。
赤血球には数百種類の抗原(敵となり得る物質)が存在し、血液型はそれらを組み合わせて40種類近く存在します。HLA(Human Leukocyte Antigen)と言って、赤血球以外にも抗原は存在します。
輸血では、この抗原に血漿中の抗体が反応すると攻撃により凝集・溶血を起こします。今回は一番メジャーなABO・RH式血液型と移植で重要となるHLAを見ていきます。

>血液型
ABO
赤血球のA抗原・B抗原・H抗原について調べます。H抗原はA・B抗原がくっ付くのに必要で、一般的に全員持っています。日本人の占有率は、A>O>B>ABとなっています。
- 抗原:赤血球(輸血関連:赤血球)
- 抗体:血漿(輸血関連:新鮮凍結血漿・血小板)
抗原 | 抗体 | |
A | A・H | 抗B |
B | B・H | 抗A |
AB | A・B・H | 無し |
O | H | 抗A・B |
表の通り、基本的に抗原・抗体は対称的となります。
Rh
Rh式血液型は抗原が多く、主要な抗原はC・c・D・E・eです。D抗原が陽性の場合をRh陽性、陰性の場合をRh陰性と言います。日本人で陰性なのは0.5%程度と報告されています。
2.血液型検査・不適合について
表裏試験
ABO式血液型試験は以下の通りです。
- オモテ試験(抗原検査):本人の抗原(赤血球)と抗A・B血清を反応させます
抗A血清 | 抗B血清 | |
A | 凝集 | - |
B | - | 凝集 |
AB | 凝集 | 凝集 |
O | - | - |
- ウラ試験(抗体検査):本人の抗体(血清)とA・B・O血球を反応させます
A血球 | B血球 | O血球 | |
A | - | 凝集 | - |
B | 凝集 | - | - |
AB | - | - | - |
O | 凝集 | -凝集 | - |
交差適合試験
輸血前に行う検査で、レシピエント(受血者)とドナー(供血者)の適合を確認します。クロスマッチとも言います。主試験と副試験に分かれます。
- 主試験:レシピエントの抗体(血清)とドナーの血球を反応させます
- 副試験:レシピエントの抗原(赤血球)とドナーの血清を反応させます
3.現実の稀血の種類とは
出典:鬼滅の刃
漫画では「稀血」の読みですが、現実では「稀血」と読みます。例えば「Oh(ボンベイ)」や「-D-(バーディーバー)」が有名です。
- Oh:O型の亜型で、通常含まれるH抗原を持たないのでH抗原を持つ血液を輸血すると溶血してしまいます。100万人に1人程度と言われています。
- -D-(バーディーバー):主要抗原がD抗原以外(C・c・E・e)陰性です。数十万人に1人と言われています。
4.HLAとは
ヒト白血球抗原(HLA:Human Leukocyte Antigen)は、白血球に関わらず細胞・体液などの自己と非自己を認識する重要な要素です。6種類の遺伝子座(カテゴリー)と、各カテゴリーに数十種類存在します。
HLAが適合することでドナーの細胞に攻撃されてしまう移植片対宿主病(GVHD:Graft Versus Host Disease)の確率を低減します。
適合率は兄弟で25%程度、非血縁者では数万人に一人程度と報告されています。骨髄移植は血液型の一致が必須にならないので、移植後に血液型が変わる可能性も考えられます。

今回は「血液型」について解説しました。
まとめ
- 赤血球には抗原、血漿には抗体が存在します
- 特にABO・Rh式血液型がメジャーです
- 表裏試験・クロスマッチなどの検査を行います
- 白血球などにもHLAと言う抗原が存在します
- これらが反応して攻撃されると溶血・GVHDなどを起こします

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