
今回は、こんな声に応えていきます。
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【医療学生】iPad・アプリなどを活かした図解ノートによる勉強方法について<看護>
当記事で分かること
- 炭水化物とは
- 食物繊維・糖質・糖類について
- キシリトールとは
- 「ゼロ」の真相について
<Contents>
炭水化物(食物繊維・糖質)とは
炭水化物は食物繊維・糖質を総称した名称です。
食物繊維
食物繊維は炭水化物の中でもエネルギーにとして代謝されない物質の総称です。多くは消化されずに排泄されます。
この食物繊維はエネルギーにはなりませんが、非常に大切な働きを持ちます。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分かれます。
ポイント
- 水溶性食物繊維:血糖値・脂質などの上昇を抑える働きを持ちます。
- 不溶性食物繊維:腸管を刺激して排便を促します。その他、善玉菌の「餌」になることで腸内環境を整えて免疫力なども上げます。
腸内フローラ
腸管には善玉・悪玉・日和見の3種類に分かれる細菌が生息しています。日和見菌は優勢な方に味方する「スネ夫」みたいな細菌です。生体へのメリットを持つ善玉菌は、食物繊維に加えて「発酵食品」でも増えて環境を整えます。発酵食品とは、味噌・納豆・チーズ・ぬか漬け・醤油などが代表的です。
注意ポイント
この腸内環境が乱れると、便秘・下痢・免疫力低下・大腸癌・肥満などに繋がっていくと報告されています。
糖質
糖質は生体のエネルギー源となり、1gで4Kcalの熱量を持ちます。この糖質には糖類に含まれないグループと、糖類に含まれるグループに分かれます。
糖質・糖類の違いって?
糖質はエネルギーの変換が早く、血糖値が下がってくると蛋白質や脂質を分解して糖を作り始めます。これを糖新生と言います。エネルギー源として取り込むには、様々な消化酵素によって分解してから腸管で吸収します。
脳・赤血球はインスリンを用いずに糖を利用できます。血糖値が下がってくると、脳の活動に支障を来して意識障害・痙攣などの神経症状を起こします。前駆症状として、血糖値を上げようと交感神経が興奮することで頻脈・冷汗などが起きます。
糖質
糖質は糖類も含めた広い言い方で、炭水化物から食物繊維を除いた総称です。この糖質には10個以上の糖が繋がった多糖類と呼ばれる「デンプン」・「グリコーゲン」の他、一般的に3個以上繋がっているオリゴ糖と呼ばれる「少糖類」、2個繋がっている麦芽糖(マルトース)などの「二糖類」、一番細かくて吸収の速いブドウ糖(グルコース)などの「単糖類」が含まれます。
その他、糖アルコールと呼ばれるエネルギーとして吸収され難い糖質もあります。例えば、齲歯予防にもなるキシリトールが有名です。この中で糖類と呼ばれるのは単糖類と二糖類です。
キシリトール
糖アルコールが吸収され難いのは、生体が分解する酵素を持っていない為です。甘味は持っているので、血糖値が気になる場合に有効です。分解・吸収がされ難いので、下痢を起こす場合もあります。
キシリトールガムを嚙む場合は成分表を見て、キシリトールの割合が高い商品を選ぶのがポイントになります。歯科医院・薬局などの商品は90%以上も売られています。齲歯(虫歯)は脳血管障害・心臓病などとも関連性が高いので、予防は非常に大事です。
ポイント
キシリトールガムは日本歯科医師会推薦の商品です。上段2つはキシリトールの割合が100%になっているので、本格的に予防したい場合は推奨されます。100%の商品は歯磨き後に摂取しても問題無いと言われています。私はよく食べるので3段目の商品を愛用しています。
糖類
代表的な種類としては次の通りです。
二糖類
- 麦芽糖(マルトース):水飴などに含まれ、ブドウ糖が2個結合している。
- 乳糖(ラクトース):ブドウ糖+ガラクトースとして哺乳類の「乳」に含まれる。
- 砂糖・ショ糖(スクロース):一般家庭でも用いられるブドウ糖+果糖の状態となった糖類のこと。
単糖類
- ブドウ糖(グルコース):最も重要な単糖類で、血糖値として測定される。
- 果糖(フルクトース):果物などに入っていて、甘味が強く吸収が速いので過剰摂取で肥満などの原因になる。血糖値を上げる働きは無し。
- ガラクトース:乳糖としてブドウ糖と結合している。
ゼロカロリーって?
ここまで読めば糖質ゼロと糖類ゼロの違いが何となく分かったと思います。違いが分かった上で、「ゼロ」の定義は「≠0Kcal」になっているので商品によってはカロリーが含まれています。商品の裏に記載されている食品成分表を見ましょう。
ポイント
- 糖質ゼロ:食品100g・飲料100mlに含まれる糖質が0.5g未満になっている商品のこと。「ノン」・「無」などの表記の場合もあります。
- 糖質オフ:ある商品の比較として用いられているので、商品をよく確認しましょう。
消化・吸収について
詳しくは別記事・動画で解説していますが、最終的に単糖類となって腸管→肝臓の経路で吸収されていきます。細かな糖質ほど吸収が早いですが、その分多く摂取しすぎると肝臓にグリコーゲンとして貯蔵できるキャパシティを超えてしまうので、残りは脂肪として蓄えられて「肥満」・「生活習慣病」などの原因となります。
今回は「炭水化物」について解説しました。
まとめ
- 炭水化物=糖質+食物繊維
- 糖質=糖類+多糖類・糖アルコールなど
- 糖類=単糖類・二糖類
- 食物繊維は非エネルギー源ですが重要です
- 糖質は生体の活動に重要になります
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