当記事で分かること
- 心拍出量・静脈圧について
<Contents>
質問
質問
心原性ショックは心不全などによって心機能が低下し、心拍出量の低下や血圧低下に至ると学びました。過去の問題解説には、心拍出量の低下により静脈圧の上昇を起こして頸静脈が怒張すると記載されていました。心拍出量が低下すると静脈圧が上昇してしまう理由を教えてください。
以上の質問を頂きました。順に解説していきます。
解説項目
- 心原性ショックとは
- 心拍出量
- 静脈圧
検索(コツ)
Googleなどで検索する際に、疑問に思っていることを「〇〇 ▲▲」などとスペースを空け、言葉を複数に分けて検索すると引っ掛かり易いです。また、疾患に関しては一般的に「ガイドライン」を軸に治療を行います。ちょっと難しいとは思いますが「疾患名 ガイドライン」で検索すると、メジャーな疾患は検索に引っ掛かるので参考にしましょう。検索エンジンの王道は「Google」で、タイトルに関係無く総合的に内容が優れた記事を優先します。タイトルを優先して検索したい場合は「Bing」などで検索を行うと良いです。
ポイント
尚、実習・臨床の報告と同様に質問もSBAR(ISBARC)で行うと相手にも分かり易く回答し易いです。必ず押さえましょう!
- Situation:状況(今何で悩んでいるのか?)
- Background:背景(状況に関係する疾患・検査値・調べた内容など)
- Assessment:評価(自分で判断したこと)
- Recommendation:提案と依頼(何をした方が良いのか提案し、何をして欲しいのか依頼する)
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心原性ショックについて
ポイント
- 不整脈
- 心筋炎
- 心筋梗塞
- 弁膜症
- その他
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心原性ショックは心臓自体に異常を起こすことで起きるショックです。ショックとは重要臓器の血流が維持出来ずに、細胞の代謝障害や臓器障害が起こって生命の危機に至る症候群と定義されています。簡単に言うと、細胞レベルでの酸素・栄養などの供給が行えずに細胞が死に掛けている状態です。
ポイント
一般的には血圧低下が有名で重要になります。ショックの5Pなどに代表される他の例を以下に挙げます。但し項目を丸暗記で覚えるより、血圧の低下によって臓器に何が起きるかを考える方が応用が効き、理に適っています。
- 頻脈
- 意識障害
- 乏尿・無尿
- 脈拍微弱(Pulseless)
- 虚脱(Prostration)
- 顔面蒼白(Pallor)
- 冷汗(Perspiration)
- 呼吸不全(Pulmonary insufficiency)
心拍出量について
心拍出量は図の通り、3種類で規定されています。血圧の式は重要なので覚えましょう!詳しくは関連記事を確認ください。
- 心拍数
- 心収縮力
- 循環血液量
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ポイント
- 心拍数:回数が減ると血液を送り出す量が減るが、早過ぎても空打ちとなってしまう。
- 心収縮力:心臓の伸び縮みする機能が損われると押し出し難くなる。
- 循環血液量:血液の量が減ると心臓から駆出される量も減るが、一定量を超えて血液が多くなり過ぎても障害が起きてしまう。
法則
- スターリングの心臓の法則:前負荷(血液)が多いと心臓は膨れて、より縮むので心拍出量が大きくなる
- ベインブリッジ反射:心房圧が上がることで迷走神経・交感神経を介して心拍数と心収縮力が上昇すること

静脈圧について
静脈圧は名前の通り静脈の圧力のことで、内頸静脈の怒張が今回のポイントです。静水圧とは違うので注意しましょう。静水圧とは止まった状態の水の圧力で、静脈が血管の外に血液を押し出そうとする圧力や水場(風呂など)で人体に掛かる圧力などのことを言います。
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結論
内頸静脈は頭に巡った血液が心臓に戻る際に合流して、腕頭静脈を経て右心房に戻ります。この部分の圧力が上がって怒張すると言うことは、心臓の血液が何かしらの原因で渋滞を起こしていることになります。
今回は「心拍出量・静脈圧」について解説しました。
まとめ
- 取り敢えず4種類のショックを覚えよう
- 血圧の式と規定因子は覚えておくと応用が効きます
- 静脈圧の上昇が起きている場合は心臓に戻り難くなっているなどの可能性が考えられます
