
今回は、こんな声に応えていきます。
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当記事で分かること
- 肝硬変とは
- 代償期・非代償期について
- 機序や治療など
<Contents>
肝硬変とは
肝硬変は慢性的に肝臓が傷害されることで、細胞が線維化して硬く小さくなった状態です。蜂の巣みたいに六角形だった「肝小葉」が歪んで、偽小葉・結節(凹凸)を形成します。
原因
- ウイルス性肝炎(最多:8割程度)
- アルコール(10%程度)・薬剤性肝障害・脂肪肝
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症状:代償期・非代償期
ポイント
症状は代償・非代償によって違います。肝臓は「沈黙の臓器」と言われていて、予備能力が高いです。普段は30%程度の能力しか使わずに代謝を行えます。

代償とは
代わりに償うと書きますが、本来担っていた組織(肝細胞)が機能を失ったり弱まることで、別の組織(肝細胞)が代わりとなって補っている状態です。例えば、血液のpHを調節する為に代謝性アシドーシスで呼吸が増えるのも代償です。
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代償期
以上より、仮に肝臓の機能が3割無くなっても7割残っているので十分代償できます。代償期では大きな症状は出現し難いとされます。
- 無症状
- 倦怠感・食欲不振
非代償期
予備能を使っても代償が出来なくなると、様々な症状を呈します。
- 肝機能障害:低栄養・膠質浸透圧低下・凝固機能障害・糖代謝異常・脂質代謝異常・ホルモン異常(女性化乳房)・黄疸・肝性脳症・骨代謝異常など
- 門脈圧亢進症状:静脈瘤・メデューサの頭・腹水・脾腫・消化管出血など
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診断分類(Child Pugh)
肝硬変の重症度で、点数が高いとA(5-6)>B(7-9)>C(10-15)と悪くなっていきます。ビリルビン以外は蛋白質代謝に関係してますね。
<肝硬変重症度評価>
1点 | 2点 | 3点 | |
肝性脳症 | 無 | 軽度 | 時々昏睡 |
腹水 | 無 | 少量 | 中等量以上 |
総ビリルビンmg/dL | <2 | 2≦Bil≦3 | 3< |
アルブミンg/dL | 3.5< | 2.8≦Alb≦3.5 | <2.8 |
PT時間% | <70 | 40≦PT≦70 | <40 |
検査・治療について
検査
- 画像検査
- 腹腔鏡
- 肝生検
治療
- 代償期:症状の出現に注意して食事療法などを行っていきます。
- 非代償期:症状に合わせて治療を行っていきます。
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肝硬変の死因とは
注意ポイント
- 肝細胞癌(最多)
- 食道・胃静脈瘤破裂
- 肝不全
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原発性胆汁性肝硬変とは
注意ポイント
2016年に原発性胆汁性胆管炎(PBC:Primary Biliary Cholangitis)に改名されています。理由としては肝硬変に至らずに胆管炎で発見されるケースが多くなり、世界的に改名に至ったからです。
好発者
- 中高年女性
- 自己免疫
症状
肝内胆汁鬱滞(直接ビリルビン)により以下の症状を呈します。
- 初発症状:皮膚掻痒感
- 黄疸(徐々に酷くなる)
- 門脈圧亢進症状
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検査・診断・治療
肝内胆管には異常を認め、肝外胆管には異常を認めないので、画像検査などで閉塞性黄疸などは否定されます。
- 胆汁鬱滞(γ-GTP・ALP上昇)
- 抗ミトコンドリア抗体陽性
- 胆管炎・胆管消失・肉芽腫
UDCAとは
ウルソデオキシコール酸(UDCA:UrsoDeoxyCholic Acid)などで経過を見ます。
- 胆汁の流れを改善して胆石を溶かします
- 血流を増やして肝細胞を保護します
- 以上の作用により消化吸収も助けます

今回は代表的な「肝硬変」について解説しました。
まとめ
- 肝小葉が傷害されて偽小葉・結節となって歪な形になります
- 肝炎ウイルスが最多で8割程度です
- 代償と非代償で治療は全く違います
- Child Pugh分類で評価します
- その他治療などはリンク先を参照くださいね
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