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【血液検査】血算・CBC・全血球計算・採血管スピッツについて解説します

2021年6月15日

集中治療室で10年以上働き、ブログを起点に医療情報やお役立ち情報を発信しています。医療学生・新卒看護師向けに分かり易く解説するコンテンツも制作しています!国家試験に合格したのに臨床で上手く使えない…と思っている人は結構多いです。折角学習するのに臨床で活かせないのは勿体無いです。効率的・体系的に学びつつ臨床に活かしましょう!

血算って何のこと?

今回は、こんな声に応えていきます。

この記事は看護学生・看護師は勿論、その他の医療学生・関係者にも通ずる基礎内容です。専門書やガイドラインなどでデータや事実を確認してから執筆しています。学科試験・国家試験・予習復習などに役立ててください!

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当記事で分かること

  • 血液検査について
  • 血算・CBCとは
  • 採血管スピッツの特徴など

血液検査とは

血球・血漿・血清・採血管

血液検査の検体は、当然ですが血液です。その血液には幾つかの種類に分かれていて、検査項目によって採取方法が異なってきます。

  • 全血:抗凝固剤によって凝固作用を阻止し、体内の血球成分などを調べます。
  • 血漿:抗凝固剤によって凝固作用を阻止し、遠心分離によって血球と血漿を分けた上澄み部分のことで、凝固機能などを調べます。
  • 血清:血液を凝固させて遠心分離を行うと、血球成分・凝固成分と分かれて血清が現れます。生化学検査で頻繁に用いられます。

クレンチング

注意ポイント

クレンチングとは、採血時にグーパーを繰り返して血液の流れを促進させることです。これにより、筋肉などからCr(クレアチニン)・K(カリウム)などが放出されてしまいます。検査値に誤差が生じるので、気を付けましょう。

スピッツに入れる順番について

注意ポイント

一般的にはシリンジ採血と真空管採血で、採血管に入れていく順番が異なります。




  1. 凝固
  2. 血算
  3. 血糖
  4. 生化学

理由

シリンジで採血する場合は凝固のスピッツを一番最初に入れます。凝固のスピッツは抗凝固剤が入っている通り、血液凝固によって測定不可能となります。

また、メモリまで正しく入れる必要もあります。特に血液が足りない場合などは注意が必要です。その他は抗凝固剤が添加されているスピッツや、重要な検査項目より採取していきます。生化学は凝固しても問題ないので最後に採ります。

尚、各スピッツには「必要量」が書かれていますが、項目によっては半量以下で済むことも多く、血液が不足している場合は検査部などに確認すると良いでしょう。

  1. 生化学
  2. 凝固
  3. 血算
  4. 血糖

理由

真空管採血では、最初に凝固スピッツを入れてしまうと、穿刺した際の組織・体液などで凝固が促進されてしまうので、凝固しても大して問題の無い生化学より採取します。

また、生化学はカリウムなどの電解質を測定するので、駆血時間の短い最初に採ることで回避できます。

凝固のスピッツは2番目に採ります。特に翼状針採血では、最初に採ってしまうとルート分の血液が採れずに不足してしまうので注意しましょう。


今回は「血算」について解説していきます。

全血球計算・CBC

よくドラマで「血算!生化!凝固!」などのセリフを聴きませんか?この3種類は特に臨床で頻繁に測定される検査項目なので、必須知識と言えます。ちなみに生化学検査は、蛋白質・電解質などを測定し、凝固検査は凝固機能を測ります。

本題となる血算とは全血球計算の略で、英語ではCBC:Complete Blood Countと言います。名前の通り、血球を算出する検査ですね。紫のスピッツが代表的です。

ポイント

  1. 赤血球:酸素運搬
  2. 白血球:免疫・感染制御
  3. 血小板:止血作用
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検体は全血を用いる

採血方法

血算は冒頭で解説した「全血」を用いて測定します。抗凝固剤を使用するので、血液が凝固してしまうと駄目なんですね。採血手技の際には、時間を掛けて固まってしまわない様に気を付ける必要があります。

翼状針の方が高価ですが、採血時の固定や採血後にそのまま針を収納可能なので、安定性・安全性が高いです。

注意ポイント

次の項では検査値について解説していきます。各文献の他、施設基準・検査機器などで検査値は変わるので御了承ください。

臨床では電子カルテが導入されている場合は青字・赤字などでマーキングされます。全て暗記せずに、ざっくりと覚えるのを推奨します。

赤血球系の項目と基準値について

赤血球

RBC

赤血球数はRBC(Red Bood Cell)と項目に出ます。検体中の一定体積の血液中に含まれる赤血球の数のことです。女性は月経で毎月100mL前後の失血をするので、男性より低くなります。

  • 男性:450-550万/μL
  • 女性:350-500万/μL

MCV

平均赤血球容積(MCV:Mean Corpuscular Volume)では、赤血球数(RBC)では知り得ない「大きさ」を測定します。基準値以下を小球性、以上を大球性と言います。

  • 81-100fL

鉄欠乏性貧血などでは小球性となり、巨赤芽球性貧血では大球性となります。正常なタイプを正球性と言いますが、このタイプの貧血は出血・溶血・腎性貧血などになります。

fL

fL:フェムトリットルと言って「L」の千兆分の1を表すようです。

MCH

平均赤血球ヘモグロビン量(MCH:Mean Corpuscular Hemoglobin)は、赤血球1つに含まれるヘモグロビンの量を測定します。

  • 28-32pg

pg

pg:ピコグラムは「g」の1兆分の1を表す単位です。

MCHC

平均赤血球ヘモグロビン濃度(Mean Cell Hemoglobin Concentration)は、一定容積の赤血球に対するヘモグロビン濃度を表します。基準値より低いと低色素性、基準範囲を正色素性と言います。

  • 31-35%

鉄欠乏性貧血では低色素性貧血となり、出血・溶血・腎性・巨赤芽球性貧血などでは正色素性貧血になります。

Ret

網赤血球(Ret:Reticulocyte)は骨髄で成長したばかりの赤血球です。低値の場合は造血能力の低下が、高値の場合は溶血・出血などで多く作られている可能性などが考えられます。

  • 0.5-2.0%

Hb

ヘモグロビン(Hb:Hemoglobin)は一定体積の血液中に含まれるヘモグロビンの量のことです。鉄(ヘム)と蛋白質(グロビン)で構成されています。ヘムに酸素がくっ付くと赤く色が付きます。

  • 男性:14-17g/dL
  • 女性:12-15g/dL

Ht

ヘマトクリット(Ht:Hematocrit)とは血液中に占める赤血球の容積の割合のことです。

  • 男性:40-50%
  • 女性:35-45%

赤血球の増減の他、脱水などで体液が喪失することによっても変動します。

白血球系の項目と基準値について

顆粒球・白血球

WBC

白血球(WBC:White Blood Cell)は、一定体積の血液中に含まれる白血球数のことで、白血球には5種類のタイプが存在します。

  • 4,000-9,000/μL

Neut

好中球(Neutrophil)は言わずと知れた免疫に携わる白血球です。細菌感染症などに対して反応して上昇します。ウイルス感染症では主にリンパ球が働きます。

  • 20-70%

Baso

好塩基球(Basophil)は即時型アレルギーなどに関与しますが、未だ不明な点も多いようです。

  • 0-2%

Eosi

好酸球(Eosinophil)はアレルギーの他、寄生虫疾患で上昇します。

  • 0-5%

Mono

単球・マクロファージ

単球(Monocyte)は組織に移行するとマクロファージとなります。抗原(敵)をリンパ球に提示したり、細菌を貪食・殺菌したり、サイトカイン(化学物質)を出したりと、重要な役割を担っています。

  • 2-10%

Lymp

リンパ球・白血球

リンパ球(Lympho)はT細胞・B細胞・NK細胞に分かれる免疫応答の要です。主に抗原抗体反応・ウイルス・指令などの役割を担います。

  • 25-55%

血小板の基準値について

Plt

血小板(Platelet)は一次止血に関わる要素です。出血・紫斑病・播種性血管内凝固症候群などで消費されると下がります。高値となって血栓を作る場合もあります。

  • 15-40万/μL

今回は「血算・CBC」について解説しました。

まとめ

  • 全血とは抗凝固剤で凝結を防いだ血液全体のことです
  • 血算・CBCでは全血を用いて血球の検査を行います
  • 採血の順番やクレンチングなどに気を付けましょう
  • 赤血球・白血球・血小板の基準値を何となく覚えておこう!

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