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クローン病と潰瘍性大腸炎の違いや原因・治療・症状など<看護師国家試験>

2020年11月4日

集中治療室で10年以上働き、ブログを起点に医療情報やお役立ち情報を発信しています。医療学生・新卒看護師向けに分かり易く解説するコンテンツも制作しています!国家試験に合格したのに臨床で上手く使えない…と思っている人は結構多いです。折角学習するのに臨床で活かせないのは勿体無いです。効率的・体系的に学びつつ臨床に活かしましょう!

クローン病って?潰瘍性大腸炎との違いは?

今回は、こんな声に応えていきます。

この記事は看護学生・看護師は勿論、その他の医療学生・関係者にも通ずる基礎内容です。専門書やガイドラインなどでデータや事実を確認してから執筆しています。学科試験・国家試験・予習復習などに役立ててください!

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当記事で分かること

  • クローン病とは
  • 潰瘍性大腸炎とは
  • 両者の違いについて

クローン病の原因と症状などについて

クローン病の症状について

クローン病(Crohn Disease)は肉芽腫性炎症性病変が、口腔に始まり肛門までの消化管に慢性的に生じ、寛解と活動を繰り返します。

疾患のパターンは以下の通りです。

  • 炎症
  • 瘻孔形成:腸管に「孔」(穴)が開きます
  • 狭窄

原因・好発

原因不明ですが、食生活(脂質・糖質)・喫煙などとの関連が指摘されています。

好発

  • 年齢:10代後半~30歳程度
  • 性別:男性>女性(2:1程度)
  • 部位:回盲部

症状

主な症状は以下の通りです。また、関節・皮膚・眼などの腸管外に合併症を起こし得ます。

  • 腹痛(右下腹部)
  • 下痢・血便
  • 発熱
  • 肛門周囲症状(痔核など)
  • 体重減少

検査・治療

以下の検査で特徴的な所見を認めます。また、根治は行えず慢性的に繰り返します。

  • 内視鏡
  • 消化管造影

<敷石>

特徴

  • 非連続性の炎症・縦走潰瘍
  • 敷石像:敷石様に粘膜が凹凸します
  • その他:狭窄など

治療

  • 薬物療法:サリチル酸塩製剤・副腎皮質ステロイドなどで抗炎症作用を期待します
  • 栄養療法:成分栄養・半消化態栄養・中心静脈栄養です。成分栄養とは経管栄養の種類で、「成分」がそのまま届くので消化の過程を必要とせず消化管を安静に保てます。半消化態栄養はある程度の消化機能を必要とします。
  • 外科的治療:イレウス・穿孔などが起こった場合に行います。

<半消化態栄養>

潰瘍性大腸炎の原因と診断などについて

潰瘍性大腸炎の病型について

潰瘍性大腸炎(Ulcerative Colitis)は、大腸粘膜が直腸側から連続性に炎症を起こします。場合によっては糜爛びらんや潰瘍を形成し、寛解期と活動期を繰り返します。

疾患のパターンは以下の通りです。

  • 直腸炎型(限局)
  • 左側大腸炎型(脾彎曲まで)
  • 全大腸炎型(全体)

原因・好発

こちらも原因不明とされます。

  • 年齢:10代後半~30歳・中高年
  • 性別:大差無し
  • 部位:大腸(特に直腸側)

症状

主な症状は以下の通りです。

  • 腹痛
  • 下痢・粘血便
  • しぶり腹(テネスムス):残便により何度もトイレに行く状態です。
  • 発熱
  • 体重減少

重症度分類(項目)

  • 排便回数
  • 顕血便:視覚で判断可能な血便のこと
  • 発熱
  • 頻脈
  • 貧血
  • 赤血球沈降速度:炎症(フィブリノゲン・グロブリン増加)・貧血(赤血球減少)・低栄養(低アルブミン血症)などで亢進します

クローン病と同様に、関節・皮膚・眼などの腸管外に合併症を起こす場合もあります。クローン病より起こし易い合併症は次の通りです。

合併症

  • 癌化
  • 中毒性巨大結腸症:腸管拡張により穿孔・壊死を起こします
  • 原発性硬化性胆管炎:胆管肥厚・狭窄など

検査・治療

以下の検査で特徴的な所見を認めます。また、根治は行えず慢性的に繰り返します。

  • 内視鏡
  • 消化管造影

特徴

  • 連続性のびまん性炎症
  • ハウストラの消失
  • その他偽ポリポーシスなど

ハウストラ消失(鉛管像)

治療

  • 薬物療法:サリチル酸塩製剤・副腎皮質ステロイドなど
  • 栄養療法:高蛋白・低脂肪食・低食物繊維食
  • 外科的治療:重症例は大腸摘出術など

クローン病と潰瘍性大腸炎の違いとは

前述した2種類の疾患は、炎症性腸疾患(IBD:Inflammatory Bowel Disease)と称されます。違いは以下の通りです。

  • 潰瘍性大腸炎は中高年も発症します
  • クローン病は回盲部、潰瘍性大腸炎は直腸部に好発します
  • クローン病は非連続性、潰瘍性大腸炎は直腸~連続性です
  • クローン病は消化管全体、潰瘍性大腸炎は大腸に限局します
  • クローン病では血便が少なめです
  • 合併症・画像所見でも異なります

他にも様々な大腸炎について

それ以外にも様々な大腸炎が存在します。

  • 過敏性腸症候群(IBS:Irritable bowel syndrome)
  • 薬剤性大腸炎
  • 偽膜性大腸炎

過敏性腸症候群(IBS)

大腸・小腸の消化管異常によって排便の異常や腹痛を呈しますが、腸管の器質的変化を認めないです。

原因

先進国の成人に多く、ストレスが関与していると考えられています。明確な原因は不明で、環境や生活習慣の改善が重要になります。

薬剤性大腸炎

原因

抗生物質により腸内細菌叢が乱れることで発症します。細菌の種類によって、腸炎の種類や対応などが変わってきます。以下では臨床でも遭遇することの多い偽膜性大腸炎について解説します。

偽膜性大腸炎

クロストリジウム・ディフィシル(CD:Clostridioides Difficile)が特に多く、院内感染の問題にも挙がります。

ポイント

  • 症状:下痢・腹痛など
  • 検査:便検査でCD毒素が検出されます
  • 治療:原因薬剤中止・バンコマイシン内服・メトロニダゾール
  • アルコール抵抗性:環境は次亜塩素酸ナトリウムで消毒し、手洗いを励行します

今回は「クローン病」と「潰瘍性大腸炎」について解説しました。

まとめ

  • どちらも寛解と再燃と活動(再燃)を繰り返します
  • どちらも原因不明です
  • クローン病は回盲部や男性に多いです
  • 潰瘍性大腸炎では中高年にも発症します
  • クローン病は非連続性で、縦走潰瘍・敷石像などを認めます
  • 潰瘍性大腸炎では連続性で、癌化や中毒性巨大結腸症などが起こり易くなります
  • 治療では炎症を抑えたり、栄養療法を検討します

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