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Nursing

認知症の原因・種類・予防法・症状などを解説します<看護師国家試験>

2021年2月19日

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集中治療室で10年以上働き、ブログを起点に様々な情報を発信しています。臨床や投資、お金の知識を基に、専門書やガイドラインなどでリサーチをしてから執筆中!Web関連、看護、お金、職場環境の情報などを発信しています。

・認知症ってアルツハイマーと同じ?

・他にも種類が存在するの?

今回は、こんな声に応えていきます。

認知症は臨床でも頻繁に見掛けます。病態を把握しておきましょう!

この記事は看護学生・看護師は勿論、その他の医療学生・関係者にも通ずる基礎内容です。専門書やガイドラインなどでデータや事実を確認してから執筆しています。学科試験・国家試験・予習復習などに役立ててください!

国家試験範囲の解説一覧は領域別にHOMEに掲載しています。

当記事で分かること

  • 認知症とは
  • 3大認知症について
  • 物忘れなどとの違いについて
  • 特徴的な症状・検査・治療など

認知症とは

認知症数

認知症(Dementia)は名前の通り認知機能障害を起こした状態で、後天的に脳の器質障害を起こして日常生活を送るのが困難な状況になります。以前は「痴呆症」とも呼ばれていましたが、臨床では「ディメンツ」と呼ぶことが多いです。

記憶力以外にも、見当識・計算力・判断力・理解力などの高次機能障害を呈します。これらを中核症状と言います。

更に行動・心理症状(BPSD:Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)として不眠・妄想・徘徊・暴力などを起こします。

厚生労働省の発表によると、現在日本では65歳以上の高齢者で推計600万人程度が認知症を患っているとされ、一つの推計では2025年には700万人となり、65歳以上の20%が認知症を患うとされています。

記憶

生理的健忘

人は加齢に伴って年齢に応じた健忘(もの忘れ)が出てきますが、認知症と違って病識・見当識は保たれ、日常生活に支障を来さないとされます。

認知機能検査

認知機能検査

  • MMSE(Mini Mental State Examination):国際的に用いられている尺度で、30点中23点以下で認知機能低下とします。
  • 改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R:Hasegawa Dementia Scale-Revised):日本で普及している検査で、MMSEとも相関しているとされます。30点中20点以下で認知機能低下とします。

原因・種類

大別すると2種類で、その中で幾つかに分かれます。代表的な認知症と言われる3大認知症は以下の通りです。

  • 変性性認知症:Alzheimerアルツハイマー型認知症が最も多く、代表的です。他には、Lewyレビー小体型認知症などです。
  • 血管性認知症:脳血管障害によって起きる認知症で、二番目に多いとされます。

*18歳以上65歳未満で発症した場合、若年性認知症と言います。

それぞれ見ていきます!

アルツハイマー型認知症

記憶を司る海馬を主に、大脳全般が萎縮してしまいます。先述した通り、認知症で最も多いです。

  • 好発:高齢女性

病理学的に神経原繊維変化とアミロイド(老人斑)を特徴とします。簡単に言うと、脳が萎縮して組織にシミが出現します。

症状

認知症症状

記憶障害を主として、それに伴うBPSD(行動・心理症状)が出現します。BPSDの例としては、過食・徘徊・不眠・妄想などです。

経過による大まかな症状の特徴は以下の通りです。

  • 初期:記銘力障害・出来事記憶障害・見当識障害(月日)・被害妄想・自発性低下(アパシー)などを呈します。
  • 中期:近い記憶より長期記憶が障害され、更に言語障害(失語)として語間代・反響言語などを呈します。
  • 後期:家族・親族などを含めた大半の記憶障害と異食・弄便などの異常行動を呈します。

*見当識障害は時間・場所・人の順で進行することが多いとされます。

記憶欠如

用語

  • 記銘力:新たな体験を覚える能力のこと
  • 出来事記憶:エピソード記憶とも言って、経験・時間・場所などを含めた記憶のこと
  • 自発性低下:無意欲・不衛生など、周囲に気を遣わなくなること
  • 語間代:語尾などの言葉を繰り返すこと
  • 反響言語:相手の言葉をオウム返すこと
  • 異食:土・髪・壁などを食してしまうこと
  • 弄便:便を触ったり、擦り付けたりすること

検査

  • 画像検査:CT・MRIで脳(側頭葉・海馬)に萎縮が見られます。
  • 核医学検査:SPECT・PETで側頭葉・頭頂葉などに脳血流の低下を認めます。

治療

アルツハイマー型認知症では、コリン作動性神経障害(アセチルコリン減少)やNMDA受容体過剰活性が見られるので、それらに対して治療を行っていきます。

  • 抗ChE薬:ドネペジル塩酸塩(アリセプト®)などで、アセチルコリンの分解を抑えて増やし、神経伝達を促進することで記憶障害などの進行を和らげます。
  • NMDA(N-methyl-D-aspartate)受容体拮抗薬:メマンチン塩酸塩(メマリー®)などで、脳の受容体に作用して記憶・学習などに関わる神経伝達物質としてグルタミン酸が挙げられますが、この過剰反応によって神経細胞傷害を招くので受容体をブロックします。
  • 精神症状:抑肝散・非定型抗精神病薬など
  • その他:レクリエーション・回想法・運動療法・音楽療法など

関わり方

ポイント

アルツハイマー型認知症患者との関わり方は、以下などが推奨されています。

  • 患者を理解して過度な期待をせずに関わる
  • 簡単で分かり易い依頼をする
  • 混乱・不満・怒りなどが現れた場合は要求を変更する
  • 拒否・強制などはしない様に関わる
  • 自尊心を傷つけない様にする
  • 極端な環境変化を避ける

血管性認知症

脳血管障害によって起こる認知症で、2番目に多い認知症です。脳血管障害の中でも、深部の血流を担う穿通枝領域に起きるラクナ梗塞が多発することなどで生じる小血管病性認知症が最多です。

症状

脳卒中発作が起きる度に階段状(段階的)に認知機能障害が増悪するのが典型的とされます。また、障害部によって程度・症状は様々で「まだら認知症」と言われます。

記憶障害はアルツハイマー型認知症より軽度で、自覚していることも多いとされます。特徴的な症状は、中核症状・BPSD以外には脳血管障害に伴って起きる神経症状などが挙げられます。

  • 歩行障害
  • 排尿障害
  • 偽性球麻痺:嚥下障害・構音障害などで、梗塞による上位運動ニューロンの障害で起きます。
  • 錐体路障害
  • 抑うつ

検査

  • 画像検査:CT・MRIで脳血管障害が見られます。
  • 核医学検査:SPECTで脳血流の低下を認めます。

治療

  • 生活習慣病予防:高血圧・糖尿病・脂質異常症・運動不足・肥満・喫煙など
  • 抗血小板薬・抗凝固薬
  • その他:精神症状(抗不安薬・抗精神病薬)・リハビリテーションなど

<アルツハイマー型認知症合併例>

  • 抗ChE薬:ドネペジル塩酸塩(アリセプト®)など
  • NMDA(N-methyl-D-aspartate)受容体拮抗薬:メマンチン塩酸塩(メマリー®)など

レビー小体型認知症

レビー小体と言われる異常な蛋白質によって起こる認知症で、パーキンソン病とも関係が深いです。パーキンソン病では中脳黒質に、レビー小体型認知症では大脳皮質にレビー小体が出現します。

症状

認知機能障害以外で代表的な特徴は以下などです。

  • 幻視:後述する後頭葉の血流と関ります。
  • パーキンソニズム(安静時振戦・無動・筋強剛・姿勢反射障害)
  • 睡眠障害

*安静時振戦は少ないとされます。

検査

  • 画像検査:CT・MRIで脳の萎縮が見られます。
  • 核医学検査:SPECT・PETで後頭葉の血流低下を認めます。
  • DATシンチグラフィー:特定の薬剤がドパミントランスポーターに集まり難くなります。
  • MIBG心筋シンチグラフィー:ノルアドレナリン類似物質(MIBG)が心臓に集まり難くなります。

*DAT・MIBGはパーキンソン病でも用いられます。

治療

  • 抗ChE薬:ドネペジル塩酸塩(アリセプト®)など
  • NMDA(N-methyl-D-aspartate)受容体拮抗薬:メマンチン塩酸塩(メマリー®)など
  • L-dopa:パーキンソニズムに対して
  • 精神症状:抑肝散・非定型抗精神病薬など

クロイツフェルト・ヤコブ病

認知症を急速に呈す疾患で、プリオン病の中では原因不明の孤発性クロイツフェルト・ヤコブ病が最多です。中枢神経に存在する正常なプリオン蛋白が異常を起こすことで生じます。

孤発性とは散発的・突発的に起きることを言います。100万人に1人と稀な疾患で、遺伝・感染などでも生じます。細菌でもウイルスでも無い蛋白質で、蛋白分解酵素や熱にも強く、種を越えて感染を来すのが特徴的です。

  • 好発:50~60歳代

症状

  • 認知症
  • ミオクローヌス:ビクッと四肢が不随意的に動きます。
  • 錐体路・錐体外路症状
  • 小脳失調・無動性無言(知的活動消失)
  • 死亡:1~2年程度

検査

  • MRI
  • 脳波
  • 脳脊髄液検査:異常蛋白

治療

  • 無し

感染に関してはパプアニューギニアの食人習慣(kuruクールー)・医原性感染(硬膜・角膜など)・牛海綿体脳症(狂牛病)に関連した食品汚染などが有名で、予防法として以下などが行われています。

  • 食人禁止
  • 手術器具:焼却処分・煮沸・オートクレーブ滅菌など
  • 食品対策

*完全な不活性化は高温焼却のみとされます。


今回は「認知症」について解説しました。

まとめ

  • 日常生活に支障を来す認知機能障害のことを言います
  • 中核症状とBPSDが主症状です
  • 代表的な認知機能検査はMMSE・HDS-Rです
  • アルツハイマー型認知症・脳血管性認知症・レビー小体型認知症が3大認知症です
  • 初期に記憶障害を起こしますが、判断力・自尊心などは保たれているので対応に注意しましょう
  • CT・MRI・SPECT・PETなどの検査を行います
  • 薬剤はドネペジル塩酸塩(アリセプト®など)・メマンチン塩酸塩を押さえよう!
  • 脳血管性認知症では障害部位によって症状は様々で、生活習慣にも注意します
  • レビー小体型認知症はパーキンソン病とも関係が深く、幻視などが特徴的です
  • クロイツフェルト・ヤコブ病は異常な蛋白質が感染を起こす疾患です
今回は以上になります。参考になれば幸いです。

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