
今回は、こんな声に応えていきます。
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当記事で分かること
- 糖尿病網膜症とは
- 3段階の程度について
- 症状・検査・治療など
<Contents>
糖尿病網膜症とは
糖尿病の三大合併症となる眼疾患で、高血糖によって血管が傷付き、特に細く小さな血管が多い部位の一つとなる眼に起こります。治療をしなかった場合は10年前後で発症するとされます。
中途失明の原因で第一位となるのは緑内障ですが、その次に網膜色素変性と並んで多く、年間3,000人程度が失明していると報告されています。血糖管理が特に重要となります。
段階
進行程度によって3段階に分かれます。初期では無症状のことが多く、発見されたときには進行していて手遅れになり易いとされます。
- 単純網膜症:血管の脆弱化に伴う血管瘤・出血・浮腫などが起きます
- 増殖前網膜症:血流・血管障害による虚血が起きます
- 増殖網膜症:新生血管・増殖膜形成による出血及び非裂孔原性網膜剥離(牽引性網膜剥離)が起きます
参考
症状
- 霧視:モヤモヤとして見えます
- 飛蚊症:硝子体に出血などが生じることで粒々したものなどが見えます
- 視力低下・視野欠損:モノの見え難さや視界が欠けます
検査・治療
- 眼底検査
- 血糖管理:HbA1C<7.0%
- その他:高血圧症・脂質異常症管理など
- 網膜光凝固術:進行例で血管新生を抑制して視力低下を防ぐ目的で行われます
- 硝子体手術:硝子体出血や網膜剥離を伴う場合に、出血除去・網膜治療を目的に行います
HbA1C
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)は、長期間(2ヶ月程度)の血糖コントロールの平均推移を反映します。体のヘモグロビン(Hb)の全体の何%に糖が結合しているかを示します。
年齢にもよりますが5.0%程度が正常値になり、6.0%を越えてくると高い水準になってきます。HbA1c≧6.5%は危険です。
今回は「糖尿病網膜症」について解説しました。
まとめ
- 初期症状は少なく、発見時には進行しています
- 中途失明では緑内障などに次いで多いです
- 高血糖による血管の脆弱化で起こります
- HbA1Cなどの管理や進行を抑制する手術などを行います
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