
今回は、こんな声に応えていきます。
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当記事で分かること
- 耳の解剖生理について
- 代表的な検査とは
<Contents>
耳介
耳は言わずと知れた音を聴く器官です。音以外では平衡感覚にも関与しています。耳の裏や窪みには垢が溜まり易いので、清潔ケアの時には見てみましょう!
耳の構造について
耳は外耳・中耳・内耳で構成されています。それぞれの領域に複数の器官・機能などが備わっています。
- 外耳
- 中耳
- 内耳
外耳
- 耳介:音をキャッチする役割を持ちます。
- 外耳道:音を鼓膜に伝えます。分泌腺を備え、異物をまとめて耳垢にして外に自然排出しています。
外耳は外側の耳介と鼓膜までの外耳道で構成されています。外耳道は耳掃除をしている場所ですね。耳垢は外耳道を守る役割も持っているので、過剰に取り除くのは推奨されていません。綿棒などを突っ込まずに目に見える範囲だけ行いましょう。
中耳
- 鼓膜:感染防御や耳小骨に音を伝える役割などを持ちます。
- 鼓室:耳小骨などを収める空間になっています。
- 耳管:鼓室に存在します。鼻に繋がり、飛行機などでの「キーン」を治す圧力調節機能や感染防御などの役割を持ちます。
- 耳小骨:鼓膜から受け取った振動を、ツチ・キヌタ・アブミの順に「骨」を通して内耳に伝えます。
よく聴く「中耳炎」は耳管からの感染が多く、構造的に小児に好発します。
内耳
聴覚
- 前庭窓(卵円窓):アブミ骨より伝わった振動を受け取ります。
- 蝸牛(管・神経):蝸牛に伝わった音は、神経などを介して脳に伝わって音を認識します。
平衡
- 半規管:3つの輪が特徴的で、俗に三半規管とも呼ばれます。回転加速度を司ります。
- 前庭:半規管(上)と蝸牛(下)に挟まれ、平衡斑・平衡砂(耳石)などによって直線加速度や傾きなどの感覚を司ります。


難聴
聴力は鼓膜の振動による気導と、音の振動が頭蓋骨に伝わる骨導に分かれます。難聴の種類は以下の通りです。
- 伝音難聴
- 感音難聴
- 混合性難聴
伝音難聴
外耳・中耳の障害で、気導が低下して骨導優位に聴こえます。自分の声が大きくなり、小声になるとされます。中耳炎などが代表的です。
補聴器などは音を調節して伝音難聴の改善を図ります。
感音難聴
内耳以降の障害で、気導・骨導共に低下します。多くの難聴が入り、メニエール病・突発性難聴・先天性難聴などが代表的です。
人工内耳は蝸牛の役割を担って感音難聴の改善を図ります。
混合性難聴
両者を併発した場合を言います。

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【風疹】感染経路・対策・妊婦(赤ちゃん)に対する影響について<先天性風疹症候群>
聴覚機能検査
代表的な聴力検査を示します。
純音聴力検査
健康診断などで御馴染みで、オージオメーターと呼ばれる機械を用いて左右の聴覚を検査します。7周波流し、聴こえている間はスイッチを押します。
耳鏡
外耳道と鼓膜を観察して、異物・感染徴候・穿孔などを確認します。
音叉
- Weber試験:音叉を振動させて額に当てて骨導を調べます。
- Rinne試験:音叉の振動を耳の後ろに当てて骨導を調べ、聴こえなくなった時点で耳介に音叉を寄せて気導を調べます。
今回は「耳」について解説しました。
まとめ
- 外耳・中耳・内耳で構成されます
- 聴覚・平衡に関わります
- 中耳では耳小骨・鼓膜・耳管などの役割を把握しよう!
- 内耳では蝸牛・半規管などの役割を把握しよう!
- 音を伝える障害と、音を感じ取る障害に大別されます
- 過剰な耳掃除は危険!風疹の予防接種も検討しよう!
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