
今回は、こんな声に応えていきます。
この記事は看護学生・看護師は勿論、その他の医療学生・関係者にも通ずる基礎内容です。専門書やガイドラインなどでデータや事実を確認してから執筆しています。学科試験・国家試験・予習復習などに役立ててください! 国家試験範囲の解説一覧は領域別にHOMEに掲載しています。Kindle電子書籍を活用して無料・低価格で「電子ノート」を作りたい場合は、以下の記事を参考にしてくださいね!
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【医療学生】iPad・アプリなどを活かした図解ノートによる勉強方法について<看護>
当記事で分かること
- 眼の解剖生理について
- 代表的な検査とは
<Contents>
眼
以下を順に見ていきます。
- 強角膜
- ぶどう膜
- 網膜
- 水晶体
- 硝子体
- 前房・後房
強角膜
強膜と角膜は外側に存在し、砂などが入ると痛みを感じる通り痛覚(三叉神経)を持ちます。
強膜は白目部分で、コラーゲンが含まれています。角膜は黒目部分で、水晶体の手前に位置して、水晶体と共に光の屈折などを行って網膜に映像を合わせます。
結膜は眼瞼の内側と強膜を覆う部分で、貧血で見る部分は眼球結膜になり、黄疸で見る部分は眼球結膜になります。

ぶどう膜
ぶどう膜は三層構造の真ん中となる中膜に位置します。色や形が似ているそうで、イラストを見ると何となく似ているのが分かります。以下の3種類に分けられます。
- 虹彩:カメラの「絞り」の役割となる瞳孔の調節を担います。瞳孔とは文字通り瞳の孔で、虹彩の中央に位置します。
- 毛様体:毛様体筋・チン小帯によって水晶体の厚みを変え、遠近調節を行います。また、房水と呼ばれる眼圧・栄養などに関与する体液を産生します。
- 脈絡膜:名前の通り血管が通っていて、栄養・酸素の供給などを行います。
網膜
網膜は10層も構造を有し、映像を映すカメラフィルムに例えられます。ピントに合わせた光(物体)を網膜で処理し、脳に情報を伝えます。黄斑の中心には中心窩と呼ばれる窪みが存在して、視力に大きく関わる部位になっています。
視細胞の錐体・杆体は光覚(光の強さ)に関わり、特に錐体は明所で、杆体は暗所で働きます。また、色覚は錐体が関わります。故に暗闇で色が分かり難いのにも納得です。
明順応は数分程度、暗順応は30分程度と言われています。これも日常生活を送っている上で、何となく分かりますね!
水晶体
凸レンズ状になっている一般的にも有名な部分です。前述した毛様体筋によって厚さが変わることで、光の屈折を調節します。
よく聴く「白内障」は、水晶体の構成成分となるクリスタリンと呼ばれる蛋白質の異常が原因とされます。
硝子体
ゲル状になっている部分で、ガラス体とも言われます。眼球の形態維持や衝撃の緩和に関係します。
前房・後房
毛様体で産生された房水が流れていて、組織に酸素・栄養を供給しています。多くは隅角のシュレム管を通って静脈に流れていきます。
筋肉
眼に関わる筋肉は大別して3種類です。
眼瞼
眼瞼の開閉に関わる筋肉です。
眼輪筋 | 閉眼 | 顔面神経 |
上眼瞼挙筋 | 開眼 | 動眼神経 |
瞼板筋 | 開眼 | 交感神経 |
外眼筋
外眼筋は眼球運動に関わり、3種類の脳神経も絡んできます。複雑なので、簡単に見ていきます。
動眼神経
4種類の筋肉を支配して、障害を起こすと外側以外に向けなくなります。
滑車神経
上部に存在する上斜筋を支配し、上斜筋は下に向かせる筋肉なので、障害を起こすと下に向けなくなります。
外転神経
眼球の外側の外直筋を支配し、障害を起こすと外側に向けなくなります。
内眼筋
内眼筋も3種類に分かれ、主に瞳孔と水晶体の調節を行います。
- 瞳孔散大筋
- 瞳孔括約筋
- 毛様体筋
視力検査
お馴染みの視力検査(静止視力)ですが、「C」の部分をスイスの眼科医の名前に由来してランドルト環と言います。他にも動体視力などの種類があります。
5mの距離で遠くを見る遠見視力と、30cmの距離で近くを見る近見視力に分かれます。
視力「1.0」
Cの幅が7.5mm、切れ目の幅が1.5mm(C幅÷5)を正確に認識した場合とされています。
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【基礎】あなたは正常?血圧・脈拍の数値や計算式など<看護・医療国家試験>
今回は「眼」について解説しました。
まとめ
- 白目は強膜で、中央の角膜と水晶体が光の屈折などを担います
- 虹彩が瞳孔を、毛様体は水晶体を調節します
- 網膜は映像を映す部分で、特に黄体と中心窩が重要です
- その他、硝子体・房水・筋肉などの特徴を押さえよう!
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