
今回は、こんな声に応えていきます。
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当記事で分かること
- 緑内障とは
- 眼圧・房水・隅角について
- 原因・症状・治療など
<Contents>
緑内障とは
緑内障(Glaucoma)は失明の原因として「1位」に挙げられています。昔は「青底樋」と呼ばれていました。高齢者の方が時々口にするので、頭の隅にでも入れておきましょう。
主な原因は、眼圧や視神経などの異常によります。他に眼疾患を伴わない「原発緑内障」が最も多く、中でも眼圧が正常な「正常眼圧緑内障」が大半と言われています。
注意ポイント
副腎皮質ステロイドも副作用の一つとして挙げられます。
眼圧について
眼圧は眼球内の圧力のことで、10~20mmHg程度が正常範囲です。
この圧力は、毛様体より産生される房水と呼ばれる体液によって変動します。圧力が上がると視神経を圧迫して、視野に異常が出てきます。
メモ
眼科などの空気を眼に噴射する装置は、眼圧を測っています。非接触型で、噴射した空気で角膜に圧力を掛けて測定します。空気が来ると分かっていると、結構構えてしまいますよね。
その他、Goldmann圧平眼圧計と言う直接角膜に圧力を掛けるタイプなど、色々な眼圧計が存在します。
隅角とは
既出の画像の通り、隅角は房水の通り道で、房水の9割弱がシュレム管より排泄されます。また、散瞳(交感神経亢進・副交感神経抑制)すると周囲の筋肉の影響で隅角が狭くなります。よって、副交感神経を遮断して散瞳に傾く抗コリン薬などは禁忌とされています。
原発緑内障は大別して以下に分けられます。
- 原発閉塞隅角緑内障:割合としては少ないですが、房水の流れとなる隅角が閉塞しているので、眼圧が急激に上がる危険性が考えられます。
- 原発開放隅角緑内障:中でも正常眼圧緑内障が最も多く見られ、眼圧は正常です。流出路障害で眼圧が高い場合は、狭義の原発開放隅角緑内障と診断されます。
緑内障の症状・分類について
眼圧や神経など、様々な原因によって視神経乳頭部の陥凹が拡大するなどの所見が見られます。視神経乳頭部は視神経を外に出す部分で、この部分には視細胞が無く、生理的に見えない部分になっています。これをマリオット盲点と言います。
原発開放隅角緑内障
大半を占める原発開放隅角緑内障(正常眼圧緑内障)は、初期には症状が少なく徐々に進行するとされます。進行すると視野障害を伴います。
原発閉塞隅角緑内障
隅角が閉塞して眼圧が急激に上昇することで、「急性緑内障発作」として以下の症状などが出現します。この場合は失明を避ける為に、早急な眼圧降下薬を用います。
- 眼痛
- 充血・視力低下
- 視野欠損
- 頭痛・悪心・嘔吐
検査について
- 眼圧検査
- 眼底検査
- 隅角検査:点眼麻酔をして、隅角鏡と呼ばれるレンズを密着させて診察します。
- 光干渉断層計:OCT検査(optical coherence tomography)と呼ばれる網膜の断層画像を撮影する機械です。従来の眼底検査が「2D」とすると、「3D」で撮影して異常を見付けます。
治療について
最も一般的な治療は、眼圧を下げる治療となっています。「開放」の場合は薬物療法を、「閉塞」の場合は手術が一般的に選択されます。
薬物療法の場合は怠薬などを防ぐ目的で単剤処方が推奨されています。
- 薬物療法:眼圧に影響する房水産生抑制(プロスタグランジン関連薬)や排出促進(コリン作動薬)などの点眼薬を用います。
- レーザー治療・外科手術:途中の流路や流出路を確保して、房水の流れを良くします。
- ステロイド中断:ステロイドによる緑内障が疑われる場合は考慮します。
今回は「緑内障」について解説しました。
まとめ
- 緑内障は中途失明第一位の疾患です
- 原発緑内障の正常眼圧緑内障(10~20mmHg)が最多です
- 眼圧は房水量で決まり、隅角(流路)・シュレム管(流出路)なども関係します
- 散瞳・興奮などによって隅角が狭まり、増悪します
- ステロイド薬の副作用に緑内障があります
- 点眼薬・手術などで加療していきます
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