
・陽性菌と何が違うの?
今回は、こんな声に応えていきます。
病原微生物って種類が多過ぎて困りますよね。学生の頃は寄生虫とか細菌とかには全く興味を持てなかったのですが、かなり重要で院内感染に繋がる要素ですので学んでいきましょう!
この記事は看護学生・新卒看護師は勿論、未経験領域に臨む臨床看護師にも通ずる基礎内容ですので参考にどうぞ!筆者の経験以外に専門書やガイドラインなどでデータや事実を確認してから執筆しています。 国家試験範囲ですので、学科試験内容にも含まれます。国家試験合格率は全国平均で90%程度です。単位を落とすと学費が余計に掛かってしまいます。 この記事は国家試験範囲(+α)程度の内容に絞って、突っ込んだ内容はなるべく別記事でしています。是非参考にして「単位取得」・「合格」に役立ててくださいね。
当記事で分かること
- グラム陰性・陽性とは
- 代表的な菌種について
目次
グラム染色と陽性菌・陰性菌について
グラム染色で「紫」になった細菌をグラム陽性菌と言います。「赤」になった場合は、グラム陰性菌です。
グラム染色とは
ハンス・クレスチャン・ヨアキム・グラム博士が発見したことより名付けられています。染色液で紫又は赤に染める方法で、細菌の種類や抗菌薬の選択に必要となってきます。
グラム陰性菌とグラム陽性菌の構造・種類について
次は構造の違いと種類を見ていきます!
構造
- グラム陽性菌は、画像の通りペプチドグリカン層が厚くなっています。ペプチドグリカンは、ペプチド(アミノ酸)と糖で構成され、抗菌薬の作用として重要な要素です。
- グラム陰性菌は、外膜を持ちます。外膜に含まれるエンドトキシン(内毒素)により血管拡張などを呈します。人体に有害な種類が多いです。
莢膜を持つ細菌は、貪食細胞に対して抵抗力を有します。同じ菌でも莢膜を持つ株と持たない株が存在します。
- A群連鎖球菌
- 肺炎球(桿)菌
- 黄色ブドウ球菌
など
形状・酸素
細菌の形状で以下の通り分類されます。
- 球菌:ブドウ球菌・レンサ球菌など
- 桿菌:クロストリジウム属・多くのグラム陰性菌など
- らせん菌:ヘリコバクターピロリ菌・梅毒スピロヘータなど
また、酸素に関連して以下の通り分類されます。
- 嫌気性菌:クロストリジウム属(ボツリヌス菌・破傷風菌など)
- 好気性菌:緑膿菌など
- 通性菌:ブドウ球菌・レンサ球菌・ブドウ球菌など
代表的な陽性・陰性菌
グラム陽性菌
- ブドウ球菌
- レンサ球菌(A群β溶血性レンサ球菌・肺炎球菌など)
- 腸球菌
- クロストリジウム属(桿菌)
グラム陰性菌
- 大腸菌(E.coli)
- 肺炎桿菌(クレブシエラ)
- 緑膿菌
- レジオネラ菌
*上記は全て桿菌です。
ポイント
- グラム陽性菌は球菌が多いです。桿菌では、クロストリジウム属が重要になってきます。
- グラム陰性菌は桿菌が多いです。球菌では、ナイセリア属(淋菌)などです。
今回は「グラム染色」・「菌種」について解説しました。
まとめ
- グラム染色は紫が陽性で、赤が陰性です
- 陰性菌の方が厄介な菌種が多く、エンドトキシンは陰性菌の特徴です
- とは言え院内では日和見感染が起き易く、陽性菌も重要です
- 代表菌種は押さえておこう!

お勧めの記事などを以下に貼っています。疑問、質問、要望などは「Mail」又は「Twitter@liberal_nurse」のDMまでお気軽にどうぞ^^v
Category
お勧めの厳選書籍は「コチラ」です。専門書は高いので、ちょっとした質問などは「Mail」又は「Twitter@liberal_nurse」のDMまでお気軽にどうぞ^^v