
・種類多過ぎて一覧で確認したいな。
今回は、こんな声に応えていきます。
ポイント
肝胆膵領域の検査・処置などは英語が多くて混乱します。ここで示す以外にも様々な種類が存在し、語呂合わせでは応用が効かないので、意味付けして覚えていきましょう。
この記事は看護学生・新卒看護師は勿論、未経験領域に臨む臨床看護師にも通ずる基礎内容ですので参考にどうぞ!筆者の経験以外に専門書やガイドラインなどでデータや事実を確認してから執筆しています。 国家試験範囲ですので、学科試験内容にも含まれます。国家試験合格率は全国平均で90%程度です。単位を落とすと学費が余計に掛かってしまいます。 この記事は国家試験範囲(+α)程度の内容に絞って、突っ込んだ内容はなるべく別記事でしています。是非参考にして「単位取得」・「合格」に役立ててくださいね。
本記事の内容について
- MRCP・ERCP
- EBD(ENBD・ERBD)
- PTBD
- PTGBD・PTGBA
- EST・EPBD
目次
1.画像検査(MRCP・ERCP)
ポイント
略語だらけで混乱してしまうと思いますが、要点を掴めば段々と分かる様になります!近道は英語と関連付けるのが良いと思います。
>MRCP
核磁気共鳴胆管膵管撮影(MRCP:Magnetic Resonance Cholangio Pancreatography)とは、MRIを用いて胆管膵管撮影(Cholangio Pancreatography)を行う検査です。MRIの「MR:核磁気共鳴」が頭文字に付いているので、そこと関連させましょう。
MRI
MRIは磁場を発生させて人体の水素原子と反応させます。CT・レントゲンと違って放射線は無く、水素原子に反応するので水分量の多い組織で有用です。

>ERCP
肝胆膵領域で「E:Endoscopic」が頭文字に付く検査・処置の多くは、内視鏡的と言う意味なので必ず覚えましょう!
内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP:Endoscopic Retrograde Cholangio Pancreatography)とは、その名の通り内視鏡により胆管・膵管の造影検査を行う検査です。十二指腸乳頭部より、胆管・膵管にアプローチします。
2.内視鏡的胆道ドレナージ(EBD・ENBD・ERBD)
「E」が付くので内視鏡ですね!「B:Biliary」は胆道・胆汁の意味を持ちます。「D:Drainage」はドレナージ、「N:Naso」は鼻です。メジャーなのは経鼻胃管ですね!
経鼻胃管
(NGチューブ:Nasogastric-tube)
内視鏡的胆道ドレナージ(EBD:Endoscopic Biliary Drainage)は、ERCPの延長で行う減黄処置です。減黄処置とは、鬱滞している胆汁の排泄を促す治療です。
以下の2種類になります。
- ENBD
- ERBD
>ENBD
内視鏡的経鼻胆道ドレナージ(ENBD:Endoscopic Nasobiliary Drainage)は、内視鏡で鼻から胆道にカテーテルを留置します。鼻の外に胆汁を排泄する仕組みです。
事故抜去すると色々と大変なので、気を付けましょう。
>ERBD
「R:Retrograde」は逆行性と言う意味です。
内視鏡的逆行性胆道ドレナージ(ERBD:Endoscopic Retrograde Biliary Drainage)は、内視鏡で胆道に胆管ステントを留置します。それにより、十二指腸に生理的な胆汁排泄を行う仕組みです。
チューブの違和感などは無くなりますが、排液量などは分からないです。

3.経皮経肝胆道ドレナージ(PTBD・PTCD・PTGBD・PTGBA)
「P」が付くので経皮的処置です。
>PTBD・PTCD
経皮経肝胆道ドレナージ(PTBD:Percutaneous Transhepatic Biliary Drainage)は、「PTCD:Percutaneous Transhepatic Cholangio Drainage」と同義です。英語の「Cholangio:胆管」と「Biliary:胆道」の違いだけです。「T:Transhepatic」が経肝と言う意味になります。
ベッドサイドでエコーガイドで行ったり、X線透視室で行います。
経皮的に胆管を狙って穿刺します。留置したカテーテルより胆汁をドレナージします。
<イメージ>
ポイント
PTBD(PTCD)は胆管(道)にアプローチしますが、胆嚢(袋)にアプローチするのが以下の2種類です。「GB:Gallbladder」は胆嚢と言う意味です。
>PTGBD
経皮経肝胆嚢ドレナージ(PTGBD:Percutaneous Transhepatic Gallbladder Drainage)は、胆嚢に穿刺して留置し、胆汁のドレナージ「D:Drainage」を行います。
>PTGBA
経皮経肝胆嚢吸引穿刺(PTGBA:Percutaneous Transhepatic Gallbladder Aspiration)は、胆嚢に穿刺して胆汁を吸引「A:Aspiration」した後に抜去します。
4.内視鏡的結石除去(EST・EPBD)
「E」が付くので内視鏡です。胆石症で行う治療になります。
>EST
「ST:Sphincterotomy」は、(乳頭)括約筋切開術と言う意味です。
内視鏡的乳頭切開術(EST:Endoscopic Sphincterotomy)は、内視鏡的に乳頭部を切開して結石を取り除いていきます。
>EPBD
「P:Papillary」は、乳頭(括約筋)と言う意味です。ここの「BD」は今までの略とは違います。「Balloon Dilation」で、バルーン拡張術になります。
内視鏡的バルーン拡張術(EPBD:Endoscopic Papillary Balloon Dilation)は、内視鏡的に乳頭部に風船を挿入して拡張し、結石を取り除いていきます。
今回は「膵胆管検査・治療の略語」について解説しました。
まとめ
- 最低でも「E:内視鏡的」と「P:経皮的」は覚えよう
- 一般的に頭文字はアプローチ法・アプローチ部位・治療法で並んでいます
例)PTGBD:PT(方法:経皮経肝的)・GB(部位:胆嚢)・D(ドレナージ)

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