
今回は、こんな声に応えていきます。
ポイント
肝胆膵領域の検査・処置などは英語が多くて混乱しますよね。
ここで示す以外にも様々な種類が存在し、語呂合わせでは応用が効かないので、意味付けして覚えていきましょう。
この記事は看護学生・看護師は勿論、その他の医療学生・関係者にも通ずる基礎内容です。専門書やガイドラインなどでデータや事実を確認してから執筆しています。学科試験・国家試験・予習復習などに役立ててください! 国家試験範囲の解説一覧は領域別にHOMEに掲載しています。Kindle電子書籍を活用して無料・低価格で「電子ノート」を作りたい場合は、以下の記事を参考にしてくださいね!
-
-
【医療学生】iPad・アプリなどを活かした図解ノートによる勉強方法について<看護>
当記事で分かること
- MRCP・ERCP
- EBD(ENBD・ERBD)
- PTBD
- PTGBD・PTGBA
- EST・EPBD
<Contents>
画像検査(MRCP・ERCP)
ポイント
略語だらけで混乱してしまうと思いますが、要点を掴めば段々と分かる様になります!近道は英語と関連付けるのが良いと思います。
MRCP
ポイント
核磁気共鳴胆管膵管撮影(MRCP:Magnetic Resonance Cholangio Pancreatography)とは、MRIを用いて胆管膵管撮影(Cholangio Pancreatography)を行う検査です。MRIの「MR:核磁気共鳴」が頭文字に付いているので、そこと関連させましょう。
MRI
MRIは磁場を発生させて人体の水素原子と反応させます。CT・レントゲンと違って放射線は無く、水素原子に反応するので水分量の多い組織で有用です。

ERCP
ポイント
肝胆膵領域で「E:Endoscopic」が頭文字に付く検査・処置の多くは、内視鏡的と言う意味なので必ず覚えましょう!
内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP:Endoscopic Retrograde Cholangio Pancreatography)とは、その名の通り内視鏡により胆管・膵管の造影検査を行う検査です。十二指腸乳頭部より、胆管・膵管にアプローチします。
内視鏡的胆道ドレナージ(EBD・ENBD・ERBD)
ポイント
「E」が付くので内視鏡ですね!「B:Biliary」は胆道・胆汁の意味を持ちます。「D:Drainage」はドレナージ、「N:Naso」は鼻です。メジャーなのは経鼻胃管ですね!
経鼻胃管
(NGチューブ:Nasogastric-tube)
内視鏡的胆道ドレナージ(EBD:Endoscopic Biliary Drainage)は、ERCPの延長で行う減黄処置です。減黄処置とは、鬱滞している胆汁の排泄を促す治療です。
以下の2種類になります。
- ENBD
- ERBD
ENBD
内視鏡的経鼻胆道ドレナージ(ENBD:Endoscopic Nasobiliary Drainage)は、内視鏡で鼻から胆道にカテーテルを留置します。鼻の外に胆汁を排泄する仕組みです。
事故抜去すると色々と大変なので、気を付けましょう。
ERBD
ポイント
「R:Retrograde」は逆行性と言う意味です。
内視鏡的逆行性胆道ドレナージ(ERBD:Endoscopic Retrograde Biliary Drainage)は、内視鏡で胆道に胆管ステントを留置します。それにより、十二指腸に生理的な胆汁排泄を行う仕組みです。
チューブの違和感などは無くなりますが、排液量などは分からないです。
経皮経肝胆道ドレナージ(PTBD・PTCD・PTGBD・PTGBA)
ポイント
「P」が付くので経皮的処置です。ドレナージ「D:Drainage」、吸引「A:Aspiration」も押さえましょう!
PTBD・PTCD
ポイント
経皮経肝胆道ドレナージ(PTBD:Percutaneous Transhepatic Biliary Drainage)は、「PTCD:Percutaneous Transhepatic Cholangio Drainage」と同義です。英語の「Cholangio:胆管」と「Biliary:胆道」の違いだけです。「T:Transhepatic」が経肝と言う意味になります。
ベッドサイドでエコーガイドで行ったり、X線透視室で行います。
経皮的に胆管を狙って穿刺します。留置したカテーテルより胆汁をドレナージします。
ポイント
PTBD(PTCD)は胆管(道)にアプローチしますが、胆嚢(袋)にアプローチするのが以下の2種類です。「GB:Gallbladder」は胆嚢と言う意味です。
PTGBD
経皮経肝胆嚢ドレナージ(PTGBD:Percutaneous Transhepatic Gallbladder Drainage)は、胆嚢に穿刺して留置し、胆汁のドレナージ「D:Drainage」を行います。
PTGBA
経皮経肝胆嚢吸引穿刺(PTGBA:Percutaneous Transhepatic Gallbladder Aspiration)は、胆嚢に穿刺して胆汁を吸引「A:Aspiration」した後に抜去します。
内視鏡的結石除去(EST・EPBD)
ポイント
「E」が付くので内視鏡です。胆石症で行う治療になります。
EST
ポイント
「ST:Sphincterotomy」は、(乳頭)括約筋切開術と言う意味です。
内視鏡的乳頭切開術(EST:Endoscopic Sphincterotomy)は、内視鏡的に乳頭部を切開して結石を取り除いていきます。
EPBD
ポイント
「P:Papillary」は、乳頭(括約筋)と言う意味です。ここの「BD」は今までの略とは違います。「Balloon Dilation」で、バルーン拡張術になります。
内視鏡的バルーン拡張術(EPBD:Endoscopic Papillary Balloon Dilation)は、内視鏡的に乳頭部に風船を挿入して拡張し、結石を取り除いていきます。
今回は「膵胆管検査・治療の略語」について解説しました。
まとめ
- 最低でも「E:内視鏡的」と「P:経皮的」は覚えよう
- 一般的に頭文字はアプローチ法・アプローチ部位・治療法で並んでいます
例)PTGBD:PT(方法:経皮経肝的)・GB(部位:胆嚢)・D(ドレナージ)
最新記事