
・適応や効果は?
今回は、こんな声に応えていきます。
この記事は看護学生・新卒看護師は勿論、未経験領域に臨む臨床看護師にも通ずる基礎内容ですので参考にどうぞ!筆者の経験以外に専門書やガイドラインなどでデータや事実を確認してから執筆しています。 国家試験範囲ですので、学科試験内容にも含まれます。国家試験合格率は全国平均で90%程度です。単位を落とすと学費が余計に掛かってしまいます。 この記事は国家試験範囲(+α)程度の内容に絞って、突っ込んだ内容はなるべく別記事でしています。是非参考にして「単位取得」・「合格」に役立ててくださいね。
本記事の内容について
- 罨法とは
- 効能について
- 注意・禁忌について
罨法とは言え、使い方を間違えると最悪死に至るので気を付けましょう!
目次
1.温罨法の作用や注意点などについて
入浴後の血圧は上下どちらに動くでしょう?
一般的に下降します!
理由は血管が拡張するからです。体温が上昇すると熱を逃そうと拡張したり、入浴によるリラックス(副交感神経)効果により血管を拡張させます。


>作用
主に以下の作用などが挙がります。
- 血行改善・新陳代謝促進
- 消化管運動亢進
- (慢性)疼痛緩和
- リラクゼーション効果
>種類
温罨法の種類は以下などです。
湿性温罨法 | 乾性温罨法 |
湿布類
手浴 足浴 |
湯たんぽ
カイロ 電気毛布類 |
>注意・禁忌など
- 患者に使用する場合、湯たんぽは直接当てません!45度程度より低温火傷の危険性が出てきます。熱傷・壊死・感染・切断などに発展します。10cm程度距離を離しましょう。カバーを装着し、熱の伝導率が悪くなるので空気は抜きます。ゴムは60度、金属は75度∓5度程度です。意識障害・麻痺・糖尿病・高齢者などは知覚が鈍っていることも懸念して特に注意します。
- 血管拡張作用による低血圧(ショック)に注意しましょう。懸念される場合は四肢の末梢は避けて、中枢(体幹)を暖めます。
禁忌・注意
以下は全て血管拡張作用・血行促進によるデメリットです。
- 出血増悪
- 浮遊血栓>塞栓
- (急性)炎症増悪
- 腫瘍>増殖・転移

2.冷罨法の作用や注意点などについて
温罨法とは逆で、血管収縮などを持ちます。
>作用
冷罨法の作用は以下などが挙げられます。
- 血管収縮作用
- 止血作用
- 炎症・吸収抑制
- (急性)疼痛緩和
- 制吐作用(胃部)
- 脱毛予防(抗癌剤など)
- 爽快感
>種類
冷罨法の種類も色々ですが、以下の例が挙げられます。
湿性冷罨法 | 乾性冷罨法 |
湿布類
冷水 |
氷枕
氷嚢 |
- 血管収縮により循環不全を起こします。凍傷により壊死・切断なども起き得るので注意しましょう。
- カバーを装着しますが、衣類の厚みによっては効果が無くなるので注意しましょう。氷枕の場合は空気を抜きます。
- 一般的に解熱の際は腋窩・頸部・大腿動脈に用いますが、固定をしないと安定性に欠けます。後頭部・前額部などでは、ほとんど解熱効果は得られないです。
禁忌・注意
以下は全て血管収縮作用・血行不良によるデメリットです。
- 末梢循環不全
- 血栓形成
- 新陳代謝低下
- 創治癒遅延
- 一部脳外科術後(血流低下)
メモ
体温上昇期の冷罨法は避けましょう。感染などを起こした場合は、生体反応でセットポイント(目標体温)を上げて体温を上昇させます。この時にシバリング(悪寒・震え)が生じます。
特に訴えられない患者では、体温が上がり切らずに冷罨法を行うとシバリングが増悪して代謝を更新させます。上がり切った後に検討しましょう。

今回は「罨法」について解説しました。
まとめ
- 炎症を呈している急性期は冷罨法を検討しよう
- 慢性的に血流が滞っている場合などは温罨法を検討しよう
- 壊死・血圧・出血などに注意しよう
- 解熱に用いる場合は生体反応に注意しよう

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