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【熱中症】初期症状は?対策・分類・グッズ・治療について解説します<看護・医療>

集中治療室で10年以上働き、ブログを起点に医療情報やお役立ち情報を発信しています。医療学生・新卒看護師向けに分かり易く解説するコンテンツも制作しています!国家試験に合格したのに臨床で上手く使えない…と思っている人は結構多いです。折角学習するのに臨床で活かせないのは勿体無いです。効率的・体系的に学びつつ臨床に活かしましょう!

熱中症って日射病のこと?何に注意しよう?

今回は、こんな声に応えていきます。

この記事は看護学生・看護師は勿論、その他の医療学生・関係者にも通ずる基礎内容です。専門書やガイドラインなどでデータや事実を確認してから執筆しています。学科試験・国家試験・予習復習などに役立ててください!

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当記事で分かること

  • 熱中症とは
  • 分類・治療について
  • 対策・グッズについて

熱中症とは

令和3年8月統計情報(出典:総務省)によると、熱中症は50%程度が高齢者で、40%は自宅で起き、職場などを含めると50%程度が室内で起きています。この原因として気温・湿度・輻射熱などが挙げられます。

輻射熱とは高温の物体より低温の物体に伝わる熱のことで、例えば都内などのコンクリートジャングルでは生体に熱が伝わり易いです。中でも湿度が最も重要視されています。

ポイント

  • 気温:2割(室内:3割)
  • 湿度:7割
  • 輻射熱:1割(室内:無し)
これらをWBGTと呼びます。

WBGT

WBGT(Wet Bulb Globe Temperature):湿球黒球温度(暑さ指数)のことで熱中症予防の指標としてアメリカで提唱されたものです。

好発時期・時間

梅雨が終わった6月頃より徐々に増えてきて、気温が30度を超える真夏日や35度を超える猛暑日には注意が必要です。前述した通り、「湿度」が最大の因子になってくるので、降雨後のジメジメとした環境にも注意です。

注意ポイント

  • 気温(>28℃)
  • 湿度(>50-60%)
  • 日差し・照り返し
  • 風通しの悪いところ
  • 調理

好発年齢

乳幼児は汗腺が未熟で訴えることも困難なので、大人が汗・飲水・衣類などを気に掛ける必要があります。

また、高齢者は口喝中枢と呼ばれる喉の渇きが衰えているので、定期的な水分摂取を行っていきます。持病を持つ人も多いので、それぞれ持つ疾患に注意していきます。

熱中症の分類について

熱中症は総称で、細かく分類されています。それぞれ見ていきます。例年死亡事例がニュースで報道されています。Ⅲ度になると生命の危機に関わってきます。令和3年8月の統計情報では以下の比率で搬送されています。

  • 軽症(Ⅰ度):60%
  • 中等症(Ⅱ度):35%
  • 重症(Ⅲ度):5%

熱失神・熱痙攣(Ⅰ度)

熱によって体温を下げようと表面積を広げる為に血管が拡張します。これにより血圧が下がり脳に血流が不足すると失神を起こします。痙攣では、発汗(水+ナトリウム)で電解質異常が起きて筋肉が痙攣します。

症状

  • 眩暈(立ち眩みなど)
  • 失神
  • 筋肉痛
  • 痙攣

熱疲労(Ⅱ度)

熱疲労と言って、更に進行すると脱水・低血圧などで頻脈・嘔吐などの症状へ進行していきます。

症状

  • 全身倦怠感
  • 悪心・嘔吐
  • 頭痛
  • 集中力・判断力低下

熱射病(Ⅲ度)

熱射病(日射病)と言って最も重篤な状態です。各臓器に血流が行き渡らず、様々な臓器に障害が起きます。緊急で集中治療を行わないと死亡する可能性が高いです。

重症になると気管挿管と言って口に管を入れて人工呼吸器を使用したり、血管などにカテーテルを入れて集中治療を行っていきます。それでも救えない人は出てくるので十分に気を付けましょう!

症状

  • 高体温
  • 意識障害
  • 臓器障害

熱中症対策・治療について

休憩・水分(塩分)補給・冷却などが大事です。汗には電解質(ミネラル)も含まれているので、ナトリウムなども同時に摂取していきます。

ポイント

  1. 頻回に水分+塩分の補給をする
  2. なるべく室温は28度以下、扇風機を使用する
  3. 湿度は50-60%程度にコントロールする(多湿は熱放散を抑制します)
  4. 水浴び(+送風すると尚良し)、氷嚢(足の付け根、脇、頸部など)で冷やす
  5. 日照りが強い時は運動を控える *外出中は屋内に避難!
  6. 薄着や日除けなどを心掛ける

救急車要請

  • 意識消失・水分摂取不可能・休憩後も改善無し
  • その他不安な場合など

気温・湿度


水分・塩分

経口補水液はミネラルが多く入っていますが値段も高いので以下の方法で自作するか、一般的なスポーツドリンクやタブレットなどで補給しても良いと思います。一般的なスポーツドリンクのナトリウム濃度には大差は無いですが、経口補水液は3倍の塩分濃度になっています。

心疾患など、塩分制限を行っている方が常用で摂取する場合は注意が要ります。経口補水液は、どちらかと言うと食事などが摂取できない様な人に適しています。スポーツドリンクよりブドウ糖も少なくっています。

目安

  • 経口補水液(OS-1):塩分約1.5g/500mL(梅干1個相当)
  • スポーツドリンク:0.5g/500mL
  • タブレット:0.1g/粒


経口補水液・レシピ

  • 水:1L
  • 砂糖:40g(大さじ4.5杯)
  • 塩:3g(小さじ0.5 杯)
  • レモン汁(風味)




冷却

屋内では氷などを用いても良いですが、屋外に持っていくと温まってしまうので瞬間的に冷える製品や携帯用の扇風機と霧吹きなどを利用すると良いです。

霧吹きは冷た過ぎる水分だと血管が収縮したり体が震えて熱の放散を妨げるので、常温で大丈夫です。身体に吹き掛けて扇風機を使うことで、水分が気化熱となって熱を逃がします。




どこを冷やそう?

ポイント

氷などで冷やす場合は太い動脈で尚且つ皮膚の近くを通る部分を冷やします。代表的な部分は以下の通りです。

  • 頸部(首)
  • 腋窩部(脇)
  • 鼠径部(足の付け根)
  • 膝窩部(膝裏)

今回は「熱中症」について解説しました。

まとめ

  • 毎年搬送・死亡が報告されている夏期に多い疾患です
  • 水分・ミネラル・休息・環境などが重要になってきます
  • 半数は高齢者で、乳幼児にも好発するので関係者は注意しましょう
今回は以上になります。参考になれば幸いです。お勧めの記事などを以下に貼っています。疑問、質問、要望などは「Mail」又は「Twitter@liberal_nurse」のDMまでお気軽にどうぞ^^v
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