
今回は、こんな声に応えていきます。
この記事は看護学生・看護師は勿論、その他の医療学生・関係者にも通ずる基礎内容です。専門書やガイドラインなどでデータや事実を確認してから執筆しています。学科試験・国家試験・予習復習などに役立ててください! 国家試験範囲の解説一覧は領域別にHOMEに掲載しています。Kindle電子書籍を活用して無料・低価格で「電子ノート」を作りたい場合は、以下の記事を参考にしてくださいね!
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当記事で分かること
- 炎症とは
- 5徴候のメカニズムについて
<Contents>
炎症とは
5徴候
- 発赤
- 熱感
- 腫脹
- 疼痛
- 機能障害
組織が障害された際に起きる反応のことで、機能障害を入れて5徴候で表現されます。原因は様々で、外傷・酸などの物理・化学的損傷や感染症などによる生体へのダメージによって起こります。

Step1:肥満細胞・マクロファージ
組織に障害が起きることで、肥満細胞とマクロファージが化学伝達物質(ケミカルメディエーター)を放出します。化学伝達物質は細胞に知らせる「伝令」のことで、ヒスタミン・ロイトコリエン・プロスタグランジン・サイトカインなど様々な種類があります。これらの物質によって、この後に解説する様々な生体反応が起きます。
肥満細胞とは
マスト細胞とも呼びます。見た目が太いと言うだけで肥満とは関係無く、異物に対してヒスタミンを放出して炎症やⅠ型アレルギー反応を起こします。
マクロファージとは
白血球の一種となる単球が組織に移行した際に分化する細胞です。好中球より寿命が長く大型で、強力な食細胞になります。ミクログリアや破骨細胞などもマクロファージの仲間です。
作用
- ヒスタミン:血管拡張・血管透過性亢進・掻痒感など
- プロスタグランジン:血管透過性亢進・血管拡張・発熱など
- ロイコトリエン:血管透過性亢進・血管拡張・気管支収縮など
Step2:血管拡張・透過性亢進
発熱・発赤
この化学伝達物質が血管に働き掛けて、血管を拡張させることで血流が増えます。道路と同じく、車線が増えると交通量の上限も増えるのと同じです。これによって組織の修復を図り、同時に発赤・発熱を呈します。
但し、血流は増えますが血圧は下がる場合があります。これは血管が拡張して末梢血管抵抗が下がることによります。血圧の式を確認しましょう!
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【基礎】あなたは正常?血圧・脈拍の数値や計算式など<看護・医療国家試験>
同時に血管透過性も亢進します。透過性とは物質移動の行い易さのことで、食細胞を組織に移行させて原因物質を取り除こうとします。これによって体液も出ていくので、腫脹が生じます。疼痛の原因は様々ですが、受容器・神経に影響して生じます。
Step3:機能障害
この一連の反応によって、生体は患部に不快感を示すことで普段と比較して機能を発揮できなくなります。
今回は「炎症」について解説しました。
まとめ
- 炎症徴候をメカニズムと一緒に覚えちゃおう!
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