
・検査や治療は何をするの?
今回は、こんな声に応えていきます。
この記事は看護学生・新卒看護師は勿論、未経験領域に臨む臨床看護師にも通ずる基礎内容ですので参考にどうぞ!筆者の経験以外に専門書やガイドラインなどでデータや事実を確認してから執筆しています。 国家試験範囲ですので、学科試験内容にも含まれます。国家試験合格率は全国平均で90%程度です。単位を落とすと学費が余計に掛かってしまいます。 この記事は国家試験範囲(+α)程度の内容に絞って、突っ込んだ内容はなるべく別記事でしています。是非参考にして「単位取得」・「合格」に役立ててくださいね。
当記事で分かること
- かぜ症候群とは
- インフルエンザ・流行性について
- 症状・検査・治療など
- 自宅待機・予防接種について
目次
かぜ症候群について
インフルエンザはかぜ症候群の一種です。

かぜ症候群とは
一般的に「風邪」と呼ばれて馴染み深いと思います。8割程度は「ウイルス」によって引き起こされ、上気道に炎症を起こして呼吸器症状を呈しますが、一般的に1週間以内に完治します。
原因となる主なウイルスは以下の通りです。
- 成人:ライノウイルス
- 小児:RSウイルス(Respiratory Syncytial virus)
その他、2020年に流行したコロナウイルスやプール熱(咽頭結膜炎)などの原因となるアデノウイルスなどは比較的よく耳にするウイルスです。

DNA・RNAウイルス

ざっくり言うと「変異」に関係します。
DNAウイルスは二本鎖で安定しているので、比較的突然変異が少なくワクチンによる予防がし易いです。RNAウイルスは一本鎖で、突然変異などで型が変化し易いです。
RNA・DNAに関しては「コチラ」を参考にしてください!
インフルエンザとは
インフルエンザウイルスが感染することで発症します。RSウイルス・ノロウイルスなどと共に、冬に流行することで有名です。大きく分けるとウイルスの型・特徴は以下の通りですが、細かな種類は様々です。
- A型:元々鳥に感染していたので鳥インフルエンザとも言われます。豚にも感染し、突然変異によって世界的に大流行(パンデミック)を起こす危険性を持っています。
- B型:A型よりは感染力が弱く、人同士の感染と小流行や消化器症状を特徴とします。
- C型:感染力や症状が一番弱く、通常は自然に治癒します。
インフルエンザの症状・検査・治療について
症状
合併症として肺炎・インフルエンザ脳症などが懸念されます。
- 高熱・倦怠感
- 疼痛:筋肉痛・関節痛など
- 上気道炎:咽頭痛・鼻汁・咳嗽など
治療
主に飛沫感染・接触感染などを起こすので、マスク・手指衛生・含嗽などが重要になります。
- 抗ウイルス薬(タブ切替)
- オセルタミビルリン酸塩(タミフル®):1日2回5日間
- バロキサビルマルボキシル(ゾフルーザ®):初回1回
- ザナミビル水和物(リレンザ®):1日2回5日間
- ラニナミビルオクタン酸エステル水和物(イナビル®):初回1回
- ペラミビル水和物(ラピアクタ®):初回1回15分掛けて
*予防的に投与することも可能で、陽性となった同室患者・医療従事者などと接触した患者に投与します。
- 解熱薬:アセトアミノフェン
脳症
インフルエンザは高齢者で肺炎を、小児ではインフルエンザ脳症(異常行動)を合併し易いです。
特に解熱薬でNSAIDsを使用することで脳症の増悪を招く危険性が示唆されています。急激な脳浮腫や肝臓の脂肪変性を来すReye症候群との関係性も指摘されているので、NSAIDsは原則禁忌となっています。
以下は代表的なNSAIDsの一般名です。
- アセチルサリチル酸
- イブプロフェン
- ロキソプロフェン
- ジクロフェナクナトリウム
- インドメタシン
- セレコキシブ
自宅待機期間について
インフルエンザに罹患した場合は、残存するウイルスで感染が拡大してしまうのを防ぐ目的で以下の待機期間が設けられています。
- 解熱後2日間(幼児3日間)
- 発症後5日間
よって発症後6日目で、尚且つ解熱後3日目(幼児4日目)に学校・職場などに復帰が可能となります。以下は簡単な例で、タブ切替可能です。
0日目
発症
1日目
自宅療養中
2日目
解熱
3日目
解熱後1日目:自宅待機
4日目
解熱後2日目:自宅待機
5日目
解熱後2日間達成!(*幼児3日間)
6日目
解熱後2日間(*幼児3日間)・発症後5日間達成!
>復帰可能
0日目
発症
1日目
自宅療養中
2日目
自宅療養中
3日目
自宅療養中
4日目
解熱
5日目
解熱後1日目:自宅待機
6日目
解熱後2日目:自宅待機
*発症後5日間達成!
7日目
発症後5日間・解熱後2日間(*幼児3日間)達成!
>復帰可能
インフルエンザワクチンについて
インフルエンザワクチンは一般的には不活化ワクチンです。弱毒生ワクチンよりも安全ですが、持続期間は短く毎年接種する必要が出てきます。
但し、前述した通りウイルスの「型」が多く、流行する可能性が高いと判断されたウイルスでワクチンを作っています。100%予防することは困難ですが、罹患率や死亡率を下げるデータも出ているので、副作用が無ければ接種が推奨されます。
今回は「インフルエンザ」について解説しました。
まとめ
- かぜ症候群の8割以上がウイルスです
- 成人はライノウイルスで、小児はRSウイルスが多いです
- 夏はアデノウイルスやコクサッキーウイルスが多いです
- かぜ症候群の中でも重症化し易いウイルスがインフルエンザウイルスです
- 型は3種類で、特にA・Bが重要です
- かぜ症状以外に筋肉痛・関節痛などが特徴的です
- 検査は綿棒で体液を採取します
- NSAIDsの投与は原則禁忌です
- 高齢者は肺炎を、小児は脳症を起こし易いです
- 自宅待機は発症後5日間、解熱後2日間(幼児3日間)です
- ワクチン接種は、型が合えば罹患率・重症化を防ぐとされます

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