
今回は、こんな声に応えていきます。
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【医療学生】iPad・アプリなどを活かした図解ノートによる勉強方法について<看護>
当記事で分かること
- NSAIDs不耐症とは
- NSAIDsで起きる機序について
- LTRA
<Contents>
ロイコトリエン(LT)とは
ロイコトリエン(LT:leukotriene)とは、化学伝達物質(ケミカルメディエーター)の一つで、炎症などによって細胞膜のリン脂質がアラキドン酸に代謝されることで生じます。このアラキドン酸がLOX(リポキシゲナーゼ)と呼ばれる酵素によって「LT」に合成されます。
作用
ポイント
勘の良い人は英語を見て似ている単語に気付くはず…!そう、白血球(leukocyte)ですね。好中球の走化性を活性化して、炎症部位に駆け付ける手助けをします。その他、気管支収縮作用・血管拡張作用・血管透過性亢進などを担うことで、喘息・炎症反応に関わっています。
種類
種類も幾つか存在して作用が異なるようですが、特に覚えなくて大丈夫です。
- LTA4
- LTB4
- LTC4
- LTD4
- LTE4
- LTF4
参考
LTC4・LTD4・LTE4はシステイニルロイコトリエンと呼ばれていて、気管支収縮・血管透過性などによって気管支喘息を誘発します。
NSAIDs不耐症とは
注意
NSAIDsはCOX(シクロオキシゲナーゼ)を阻害してPG(プロスタグランジン)の生成を抑制して薬効を発揮します。これによって相対的にLOX(リポキシゲナーゼ)が活性化してLT(ロイコトリエン)が増え、喘息(アスピリン喘息)や蕁麻疹(アスピリン蕁麻疹)が出現することを言います。NSAIDs投与時には既往歴に注意しましょう!
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プロスタグランジンの作用とは?炎症・疼痛・薬剤などの機序について解説します<看護>
抗ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)
気管支喘息では、このロイコトリエンによって症状が増悪する場合があります。LTRA(leukotriene receptor antagonist)は気管支喘息の長期管理薬として使用され、肥満細胞から遊離したLTが受容体に結合するのを抑制します。これによって、気管支収縮・炎症反応を抑制します。アレルギー性鼻炎(鼻閉型)にも有効です。
種類
- プランルカスト:オノン®
- モンテルカスト:シングレア®
- ザフィルルカスト:アコレート®
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気管支喘息とは?原因・症状・発作時吸入薬などについて<看護師国家試験>
今回は「ロイコトリエン(アスピリン喘息)」について解説しました。
まとめ
- ロイコトリエンは炎症反応・喘息などで重要な要素です
- NSAIDsとも関わります
- 気管支喘息の長期管理にLTRAが用いられます
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