
・悪性貧血とは違うの?
・機序とか症状について教えて!
今回は、こんな声に応えていきます。
この記事は看護学生・新卒看護師は勿論、未経験領域に臨む臨床看護師にも通ずる基礎内容ですので参考にどうぞ!筆者の経験以外に専門書やガイドラインなどでデータや事実を確認してから執筆しています。 国家試験範囲ですので、学科試験内容にも含まれます。国家試験合格率は全国平均で90%程度です。単位を落とすと学費が余計に掛かってしまいます。 この記事は国家試験範囲(+α)程度の内容に絞って、突っ込んだ内容はなるべく別記事でしています。是非参考にして「単位取得」・「合格」に役立ててくださいね。
本記事の内容について
- 巨赤芽球性・悪性貧血とは
- DNA・栄養素について
- 検査・症状・治療など
1.巨赤芽球性貧血・悪性貧血とは
WHO・貧血基準
- 成人男性:<13g/dL
- 成人女性:<12g/dL
- 妊婦・未就学児:<11g/dL
巨赤芽球性貧血は、ビタミンB12欠乏性貧血と葉酸欠乏性貧血の2種類に大別されます。
- ビタミンB12欠乏性貧血
- 葉酸欠乏性貧血
更にビタミンB12欠乏性貧血は、自己抗体で胃粘膜の萎縮して内因子分泌不全が生じる場合と、胃全摘によって生じる場合に分かれます。特に前者を悪性貧血と言います。
- ビタミンB12欠乏性貧血(自己抗体性:悪性貧血)
- ビタミンB12欠乏性貧血(胃全摘術後)
以前は治療法が確立されずに悪性貧血(Pernicious Anemia)と呼ばれていましたが、現在ではビタミンB12製剤の登場によって治療が確立しています。
参考

ポイント
ビタミンB12・葉酸(=ビタミンB9)は、DNA合成に必要な栄養素です。不足することで核の成熟が障害され、汎血球減少や巨赤芽球の原因となります。
無効造血と言って、多くは赤血球になる前に骨髄でアポトーシス(細胞死)を起こします。一部は赤血球になりますが、大球性(大型)です。
細胞死は大別して2種類で、ざっくり以下の違いになります。
- アポトーシス:自然死・病死(自殺)
- ネクローシス(壊死):病死(他殺)

汎血球減少
- 赤血球
- 白血球
- 血小板
以上の血球が減少することを言います。以下の2種類が大きな理由です。
- 血球産生低下(骨髄):巨赤芽球性貧血・急性白血病など
- 血球破壊(末梢血):敗血症・DIC(播種性血管内凝固症候群)・脾機能亢進症など
好発
2.巨赤芽球性貧血の症状・治療・検査について
症状
検査
- MCV上昇:その他大型赤血球など
- 白血球・血小板減少
- 網赤血球減少
- 自己免疫抗体陽性(悪性貧血)
- 血清ビタミンB12・葉酸減少など
解説
平均赤血球容積 (MCV: Mean Corpuscular Volume)は赤血球の大きさで、DNA障害によって血球が大きくなります。また、アポトーシスが増えることで赤芽球が網赤血球になれずに網赤血球減少を起こします。
治療
- ビタミンB12欠乏:ビタミンB12製剤
- 葉酸欠乏:葉酸製剤
*ビタミンB12欠乏時の葉酸投与は神経症状が増悪するので禁忌です。
葉酸
今回は「巨赤芽球性貧血」について解説しました。
まとめ
- ビタミンB12・ビタミンB9(葉酸)はDNA合成などに関係します
- 巨赤芽球性貧血は赤芽球・赤血球が大きくなります
- 無効造血(アポトーシス)や汎血球減少を引き起こします
- 内因子・アルコール・偏食などが関与します
- ハンター舌炎・神経症状などが代表的です
- 葉酸は妊娠前後でも気にしよう!

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