
今回は、こんな声に応えていきます。
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当記事で分かること
- メラトニンとは
- 睡眠との関係性と看護について
<Contents>
メラトニンとは
メラトニンは脳の松果体より分泌される睡眠ホルモンとして有名です。他にも抗酸化・免疫調節などにも関わりますが、日中に太陽光を浴びると減少・調節されます。夜は遮光カーテンを使って光をなるべく閉ざすことで、分泌が促進されます。
PADISガイドラインでも睡眠について言及されているので、病棟でも無暗に光は点けずに、なるべく暗くすると良いでしょう。睡眠障害は集中力障害を初め、様々なデメリットを及ぼして最悪死に至ります。
PADIS
患者の苦痛や、それらに随伴する合併症などを予防していく一連の治療のことを言います。鎮痛・睡眠薬・リハビリテーション・リラクゼーション・音楽療法・環境調整など、様々なアプローチ方法があります。
- Pain:疼痛
- Agitation:不穏
- Delirium:せん妄
- Immobility:不動
- Sleep:睡眠
作用機序
眼(網膜)から入った光刺激が体内時計(視交叉上核)や松果体に作用してメラトニンの分泌が抑制されます。よって、一般的に日中にはメラトニン分泌は少なく、夜間に分泌量が増えます。
就寝時に光を浴びていると分泌が減ってしまうので、特に集中治療室などでは慣れで常に灯を点けてしまっていることも多いので、「安全」と天秤を掛けて調節していくことが大切です。
サプリメント
一般的にメラトニンのサプリメントは概日リズム(サーカディアンリズム)を整える目的で使用することが推奨されています。具体的に言うと時差ボケ・夜勤などです。睡眠障害が続く場合は近医に受診しましょう。
ポイント
インターネットなどで購入できる医薬品は限られています。ベンゾジアゼピン系睡眠薬などは処方箋が必要なので市販で購入できず、本格的な不眠症の場合は近医に受診しましょう。
よく見る市販薬は、睡眠などに関連したGABA・テアニン・ヒスタミンなどに関連した製品です。テアニンは緑茶などに多く、トリプトファンは大豆・乳製品などに多いです。トリプトファンは、メラトニン・セロトニンなどの合成に必要となるアミノ酸です。
セロトニン
セロトニンはドーパミン・ノルアドレナリンを制御して、精神を安定させる働きを持ちます。その他睡眠・体温調節などにも関与します。
抗ヒスタミン薬
ポイント
抗アレルギー薬となるジフェンヒドラミン塩酸塩は、副作用となる「眠気」を利用した薬剤です。ヒスタミンは肥満細胞などより放出されて、神経を興奮させて覚醒を及ぼします。一つ覚えておきましょう!
レム睡眠・ノンレム睡眠とは
レム睡眠(REM-sleep:rapid eye movement sleep)・ノンレム睡眠(non-REM-sleep)は英語の意味を覚えると違いが判断できます。REMは急速眼球運動の略で、睡眠が浅い状態を言います。
これらは交互に2時間程度で繰り返します。成長ホルモンは熟睡しているノンレム睡眠で分泌されるので、入眠後2-3時間で多くなるとされます。
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夢
夢は全体の2割程度を占めるREM睡眠の時に見ます。記憶のピースが繋がって構成されていて、毎日の睡眠で頭を整理する際に見ています。そのピースの繋ぎ合わせが起床後に記憶として残っている場合は「夢」として認識します。
不眠症とは
ポイント
不眠症は以下の4種類に分類されます。定義としては生活に支障を来す状態のことを言います。
- 入眠障害:寝始めのこと
- 中途覚醒:途中で覚醒してしまうこと
- 早朝覚醒:朝早くに覚醒してしまうこと
- 熟眠障害:寝た感覚が不十分なこと
注意ポイント
カフェインは集中力・心肺能力を上げますが覚醒作用を有すので、コーヒー・緑茶などは夕方以降の摂取は控えましょう。アルコール(寝酒)は一時的に眠くなりますが、短時間で作用が切れて不眠の原因となる可能性もあります。
その他、精神疾患・SASなどの疾患に関連する不眠症は近医に受診して治していきましょう。
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ポイント
- 光:暗室・遮光・発光調節など
- 騒音:原因除去・耳栓・部屋移動・モニター音調節など
- 頻尿:原因除去・水分調節・薬物療法など
- 離床:運動療法・日光・気分転換など
- 温度:室温調節・罨法・布団調節など
- その他:寝具調節・鎮痛・鎮静・睡眠薬など

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今回は「メラトニン」について解説しました。
まとめ
- メラトニンは脳の松果体より分泌されます
- 医療の現場でも睡眠は重要視されてきています
- なるべく夜間の灯りは消しましょう
- カーテン・アイマスクなどを用いるのも効果的です
- ジフェンヒドラミン塩酸塩は副作用を上手く利用して眠気を誘います
- 睡眠はレム睡眠・ノンレム睡眠に分かれます
- 不眠症は4分類で、分類によって適切な処方薬も変わってきます
- カフェイン・ヒスタミンなどは覚醒に働きます
