
今回は、こんな声に応えていきます。
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当記事で分かること
- 髄膜炎とは
- 種類・特徴について
- 症状・検査・治療など
<Contents>
髄膜炎とは
髄膜(クモ膜下腔)に炎症を起こした状態で、細菌・ウイルスなどによって生じる感染性と薬剤・膠原病などで生じる非感染性に大別されます。
- 感染性:細菌・ウイルスなど
- 非感染性:薬剤・膠原病など

感染性髄膜炎
病原体の侵入によってクモ膜下腔が炎症を起こし、特に細菌による髄膜炎は放置しておくと致死的となります。その他、ウイルス・結核菌・真菌などで起きます。
今回は主に以下の2種類を見ていきます。
- 細菌性髄膜炎
- 無菌性髄膜炎(ウイルス性髄膜炎)
症状
三徴候
全ての症状を呈する症例は50%程度と報告されていますが、各々は8割前後の割合で認めます。
- 意識障害
- 発熱
- 項部硬直
- その他:頭痛の頻度は高く、頭蓋内圧亢進症状(悪心・嘔吐)や痙攣などにも注意します。乳児では大泉門膨隆・易刺激性などを起こします。
検査
<腰椎穿刺>
- 血液検査:炎症反応(↑)
- 髄液検査:病原体で所見が変わってきます。
治療
原因となる病原体によって異なります。
- 薬物療法:抗菌薬・抗ウイルス薬・抗結核薬・抗真菌薬など
- 副腎皮質ステロイド:炎症・脳浮腫軽減目的
- 痙攣:抗てんかん薬など
- 脳浮腫:高張グリセロール
尚、予防にはワクチン接種が挙げられます。
細菌性髄膜炎
ポイント
急激な進行と致死的な結果を招き易く、特に注意が必要な髄膜炎です。乳幼児ではインフルエンザ菌が多く、成人以降は肺炎球菌が多いです。
- 髄液検査:主に細菌を標的とする好中球が遊走するので、好中球優位に細胞数が上昇します。また、髄液中の糖が下がるのも特徴的です。
- 薬物療法:急激に悪くなる危険性が高いので、経験に基づいた抗菌薬を用いるエンピリック治療を行っていきます。

無菌性髄膜炎
ポイント
髄液に細菌などが存在しない髄膜炎で、非感染性髄膜炎も疑われますが多くはウイルス性髄膜炎と報告されています。ウイルスに対するNSAIDsの使用にも注意しましょう。予後は良く、一般的に自然軽快します。
- 好発:小児に多く、夏場に多いエンテロウイルス属が最多とされます。流行性耳下腺炎になるムンプスウイルスも二番目に多いです。
- 髄液検査:ウイルス感染細胞を標的にするリンパ球優位に細胞数が上昇します。また、ウイルスは糖を消費しないので髄液中の糖は横ばいになります。
今回は「髄膜炎」について解説しました。
まとめ
- 髄膜炎は感染・非感染に分けられます
- 細菌性髄膜炎が重症化し易く、ウイルス性髄膜炎の予後は良いです
- 三徴候(頭痛)・髄膜刺激症状症状などを覚えよう!
- 検査結果・治療は病原体によって変わります
- 小児ではウイルス性髄膜炎が多く、夏場に増えます
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