
今回は、こんな声に応えていきます。
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当記事で分かること
- 多発性骨髄腫とは
- 症状・検査・治療について
<Contents>
多発性骨髄腫とは
多発性骨髄腫(MM:Multiple Myeloma)は造血器腫瘍の10%を占め、悪性リンパ腫の次に多いとされます。骨髄の形質細胞が腫瘍化することで様々な症状を呈す疾患で、腫瘍化した形質細胞を骨髄腫細胞と呼びます。
- 好発:高齢男性

形質細胞とは
形質細胞は、リンパ球のB細胞が分化した細胞で、抗体(Ig)を産生する能力に特化しています。B細胞はメモリーB細胞にも分化し、この細胞は抗原を記憶して二回目の侵入に備えます。
症状
症状
骨髄腫細胞の増殖によって様々な症状を呈します。特に形質細胞の役割となる免疫グロブリン(Ig)を産生せずに、M蛋白と呼ばれる異常で免疫機能を持たない「Ig」を産生します。症状は「CRAB」と覚えましょう!
- 高カルシウム血症:骨髄腫細胞が破骨細胞を活性化させることで骨吸収を起こし、口喝・意識障害・嘔気などが生じます。
- 腎障害:M蛋白は「型」が数種類存在し、Bence Jones蛋白は腎臓に悪影響を及ぼします。
- 貧血:骨髄を占有することで、貧血・易感染・出血傾向などの汎血球減少を呈します。
- 骨病変:骨吸収によって骨が脆くなります。特に腰背部痛を呈すとされます。

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検査・治療
検査
- カルシウム濃度
- 腎機能:血中尿素窒素(BUN)・クレアチニン(Cr)など
- 汎血球減少:赤血球・白血球・血小板
- 抗体検査:正常Ig・M蛋白
- その他:尿検査・骨髄検査・画像検査など
治療
- 多剤併用化学療法
- 放射線療法
- 造血幹細胞移植
- 高カルシウム血症:ビスホスホネート製剤やカルシトニン製剤などで骨吸収を抑制したり、輸液・利尿薬などを用います。
- 汎血球減少症:輸血療法
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今回は「多発性骨髄腫」について解説しました。
まとめ
- 形質細胞の腫瘍化によって起こります
- 骨髄腫細胞やM蛋白などによって、「CRAB」の合併症が代表的です
- 治療は化学療法などと並行して高カルシウム血症なども見ていきます
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