
今回は、こんな声に応えていきます。

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【医療学生】iPad・アプリなどを活かした図解ノートによる勉強方法について<看護>
当記事で分かること
- 中枢神経と末梢神経について
<Contents>
中枢神経系と末梢神経系について
中枢神経(CNS:Central Nervous System)は名前の通り、中心となる神経です。脳と脊髄で成り立ちます。
更に皮膚や筋肉などに繋がる末梢神経(PNS:Peripheral Nervous System)に枝分かれします。末梢神経は脳神経や脊髄神経など、多彩に枝分かれします。
今回は以下の神経について解説していきます。
- 脳神経
- 脊髄神経
- 自律神経系
- 体性神経系
脳神経

脳神経は12対で、Ⅰ・Ⅱは大脳より出て、それ以外は脳幹(中脳・橋・延髄)より出ています。脳を下から覗いて、前頭葉側より順番に番号が振られています。
各神経と障害による主な症状は以下の通りです。
- (Ⅰ)嗅神経:嗅覚障害
- (Ⅱ)視神経:視野欠損
- (Ⅲ)動眼神経:眼瞼下垂・対光反射消失・散瞳・内転障害(眼球外方偏位)
- (Ⅳ)滑車神経:上斜筋障害(眼球外上方偏位)
- (Ⅴ)三叉神経:顔面感覚障害・温痛覚障害・咀嚼障害
- (Ⅵ)外転神経:外直筋障害(眼球内方偏位)
- (Ⅶ)顔面神経:表情筋障害
- (Ⅷ)内耳神経:聴力障害・平衡障害
- (Ⅸ)舌咽神経:嚥下障害・球麻痺
- (X)迷走神経:嗄声・嚥下障害・臓器障害(消化器・呼吸器系)
- (Ⅺ)副神経:僧帽筋・胸鎖乳突筋運動障害
- (Ⅻ)舌下神経:舌運動障害
多少違うと思いますが順番の覚え方で有名な言い回しです。番号・機能がパッと出ないのが難点ですね!
- (Ⅰ)嗅いで
- (Ⅱ)視よ
- (Ⅲ)動く
- (Ⅳ)車の
- (Ⅴ)三つの
- (Ⅵ)外
- (Ⅶ)顔
- (Ⅷ)耳く
- (Ⅸ)咽は
- (X)迷う
- (Ⅺ)副
- (Ⅻ)舌下
脊髄神経

脊髄は脳より派生する中枢神経で、全部で31対となる脊髄神経に枝分かれします。各領域毎に分かれていて、領域毎の皮膚の感覚をデルマトーム(皮膚分節)と言います。
- 頸神経(C:Cervical nerve):8対
- 胸神経(Th:Thoracic nerve):12対
- 腰神経(L:Lumbar nerve):5対
- 仙骨神経(S:Sacral nerve):5対
- 尾骨神経(Co:Coccygeal nerve):1対

<例:82歳でCoCo壱!>
次にデルマトームですが、複雑で個人差も出るので、ざっくり頭の隅に入れれば良いと思います。所属にもよりますが、C7・T4・T10辺りは覚えておくと便利です。
自律神経系

自律神経系は名前の通り自律して勝手に動いてくれる神経で、多臓器に分布して2種類に分かれています。両者は拮抗して互いに綱引きをしていて、前述した迷走神経は広く臓器に分布することで副交感神経の働きも兼ねています。
- 交感神経系:主に活動している時に働き、戦闘モードになります。戦闘モードなので各臓器に酸素を送ろうと血液の巡りを良くしたり、呼吸を楽にしようと働きます。逆に戦闘中に不要な消化機能や排泄機能などは抑制します。
- 副交感神経系:主に休息している時に働き、リラックスモードになります。戦闘モードとは逆に、排泄や食事はリラックスした時に行うイメージです。
体性神経系
体性神経系も2種類に分かれます。普段何気無く使っている神経です。
- 運動神経:骨格筋を動かす際に働く神経で、脳の命令で動きます。中枢より末梢に伝わる経路を遠心路と呼びます。
- 感覚神経:感覚受容器(五感)の刺激を脳に伝えて認知します。末梢より中枢に伝わる経路を求心路と呼びます。
今回は「神経」について解説しました。
まとめ
- 脳・脊髄は中枢神経です
- 中枢神経より枝分かれした神経が末梢神経です
- 脳神経12対・脊髄神経31対を覚えよう!
- 自律神経系は交感神経と副交感神経です
- 体性神経系は運動神経と感覚神経です
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