
今回は、こんな声に応えていきます。
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当記事で分かること
- 胎児心拍数陣痛図(CTG)について
- 胎児心拍数モニタリングについて
<Contents>
胎児心拍数陣痛図(CTG)とは
胎児心拍数陣痛図(CTG:cardiotocography)とは、妊婦に装着したモニターによって、胎児心拍数・胎動・子宮収縮をリアルタイムに計測する波形図のことです。この計測を「胎児心拍数モニタリング」と言います。分娩中にも行われます。
この波形を医師が判読することで、胎児のwell-being(健康状態)を把握します。NST(ノンストレステスト)で健康状態が分からなかった場合などは追加の検査を行います。一般的に胎児が発達している妊娠後期に行われます。
種類
- NST(Non Stress Test):後述
- VAST(Vibro-Acoustic Stimulation Test):振動音響刺激試験で胎児に刺激を加えて一過性頻脈を確認します
- CST(Contraction Stress Test):後述
- BPS(Biophysical Profile Scoring):胎動・羊水量・NSTなどで点数を付ける
注意ポイント
体位はセミファーラー位(20度程度)で行います。理由として、妊婦は仰臥位になると子宮によって下大静脈が圧迫されて、心臓に戻る血流が減って仰臥位低血圧症候群を起こします。これによって、眩暈・悪心・冷汗・呼吸困難・ショックなどが出現するので、この場合は左側臥位にすることで血流の低下を解除します。
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NST(ノンストレステスト)
名前の通り、ストレス(刺激)を与えずに行う胎児心拍測定のことです。ここで言うストレスとは、子宮収縮のことを言います。胎児は20~40分毎に覚醒・睡眠を繰り返します。覚醒時には「一過性頻脈」と言って、脈が速くなる生理現象が起きます。
- reactive(良好):20分間に一過性頻脈が2回以上出る
- non-reactive(追加検査):reactive以外
ポイント
- 目的:well-being(健康状態)を調べる
- 実施期間:妊娠後期
- 検査方法:子宮収縮・胎児心拍測定器具を装着する
- 所要時間:20~40(60)分
- 胎児心拍数:110~160bpm
- 胎児心拍数基線細変動:6~25bpm(サイナソイダルパターンを除く)
- 胎児心拍数一過性変動:一過性頻脈・早発一過性徐脈
CST(コントラクションストレステスト)
Contractionは「収縮」の意味で、人工的に子宮収縮を起こして出産に耐えられるかを胎児心拍数で判断します。NSTの追加検査やハイリスク妊娠などで行われます。子宮収縮剤(オキシトシン)又は乳頭刺激で、40秒以上持続 and 3回/10分になるまで子宮収縮を促していきます。
禁忌
- 切迫早産・前置胎盤など
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今回は「胎児心拍数モニタリング」について解説しました。
まとめ
- 胎児の健康状態を把握する際に用いられます
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