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【骨粗鬆症】高齢女性に多い理由と食事・運動・薬などについて<看護師国家試験>

2021年5月19日

集中治療室で10年以上働き、ブログを起点に医療情報やお役立ち情報を発信しています。医療学生・新卒看護師向けに分かり易く解説するコンテンツも制作しています!国家試験に合格したのに臨床で上手く使えない…と思っている人は結構多いです。折角学習するのに臨床で活かせないのは勿体無いです。効率的・体系的に学びつつ臨床に活かしましょう!

骨粗鬆症が閉経後に起きる理由は?治療は何をするの?

今回は、こんな声に応えていきます。

この記事は看護学生・看護師は勿論、その他の医療学生・関係者にも通ずる基礎内容です。専門書やガイドラインなどでデータや事実を確認してから執筆しています。学科試験・国家試験・予習復習などに役立ててください!

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【医療学生】iPad・アプリなどを活かした図解ノートによる勉強方法について<看護>


当記事で分かること

  • 骨粗鬆症とは
  • 高齢女性に多い理由について
  • 食事・運動療法など

骨粗鬆症とは

骨格

 

骨粗鬆症こつそしょうしょうは骨が脆くなってしまって骨折の危険性が高まった状態です。よく骨がスカスカになると言いますね!

閉経後の高齢女性に多く、薬剤性では副腎皮質ステロイドが、日常生活では栄養障害や運動不足などが挙げられます。

ポイント

  • 高齢女性
  • 副腎皮質ステロイド
  • 栄養障害・運動不足
では、それぞれの関連性について見ていきましょう!

高齢女性

骨・エストロゲン

高齢女性、特に50歳前後で閉経を迎えるとエストロゲンと呼ばれるホルモンが減少します。このホルモンは破骨細胞を抑制します。破骨細胞とは、骨を作り直す際に壊す役割を担うので、相対的に骨の破壊が亢進します。

逆に男性ホルモンとなるアンドロゲンは、骨を作る骨芽細胞に働いて、骨を強くします。エストロゲンの詳しい作用などは以下の記事に載せています。

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副腎皮質ステロイド

骨芽細胞を抑制したり、腸管のカルシウム吸収を低下させたりなどの作用で骨折を起こし易くなります。

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栄養障害

骨吸収過程

偏食・消化管異常・腎臓病などによって骨形成に必要なビタミンDが不足することで起きます。また、日光を浴びることでも合成されます。

運動不足

骨は運動などで負荷を与えることで刺激を受けて成長します。過度な安静や無重力の状態では刺激が足りずに弱くなってしまいます。

骨折・好発部位

骨折部位で多いのは、全身を支えている背中の椎体と大腿骨です。大腿骨骨折を起こすと寝たきりの原因となり、廃用症候群(筋力低下・認知症など)を起こします。

骨折による弊害が非常に大きいので、高齢女性の転倒は危ない!と認識しておきましょう。

  • 椎体
  • 大腿骨

検査

  • 画像検査:レントゲン・CT・MRIなど
  • 血液検査:カルシウム(Ca)・リン(P)などの骨を形成する電解質は正常です

Ca・P

カルシウムとリンは密接に関係しています。その際に副甲状腺のPTH(パラソルモン)が働きます。

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甲状腺・副甲状腺とは?機能・ホルモンなどについて<看護師国家試験>

何で正常なの?

破骨細胞が活性化することで骨を壊し、カルシウムが血中に流れてきます。が、通常はそのまま排泄されるので骨がスカスカになるだけになります。

治療

  • 食事療法:カルシウム(乳製品)やビタミンD(キクラゲ・鮭)などを摂取します。
  • 運動療法:骨形成を促進し、転倒などの危険性も下げられます。
  • 薬物療法:ビスホスホネート製剤・ビタミン製剤・ホルモン製剤など用います。

ビスホスホネート製剤とは

ビタミン・ホルモンなどは何となくイメージが付くと思います。ビスホスホネート製剤は、破骨細胞をアポトーシスさせて骨吸収を抑制します。

くる病・骨軟化症とは

くる病と骨軟化症はカルシウム・リンが上昇します。これは骨吸収が進む病態と違って、電解質の吸収障害が起きることによります。

骨吸収は進まないので骨がスカスカになりませんが、骨を強くする過程が障害されるのでグニャグニャと柔らかくなります。

  • くる病:小児(骨端線閉鎖前=骨成長終了前)
  • 骨軟化症:成人(骨端線閉鎖後=骨成長終了後)

今回は「骨粗鬆症」について解説しました。

まとめ

  • 骨粗鬆症は骨がスカスカになります
  • 特に高齢女性でエストロゲンが減少して起こります
  • また、ビタミンD・カルシウム・リンなども関係してきます
  • 骨折は椎体・大腿骨に好発し、寝たきりの原因となります
  • 食事・運動・薬剤などで対応していきます

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