
今回は、こんな声に応えていきます。
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【医療学生】iPad・アプリなどを活かした図解ノートによる勉強方法について<看護>
当記事で分かること
- 中耳炎とは
- 種類・特徴など
- 症状・検査・治療について
<Contents>
中耳炎とは
中耳に異常を起こした状態で、様々な種類の中耳炎が存在します。検査は耳鏡検査が代表的です。鼓膜や耳管などの解剖を見つつ、以下の疾患を確認していきます!
- 急性中耳炎
- 滲出性中耳炎
- 慢性中耳炎
参考
急性中耳炎
一般的に中耳炎としてメジャーな種類で、解剖学的に耳管が太く短く角度が緩やかになっている子どもに多いとされます。
耳管は上咽頭に通じているので、上気道感染に続いて起こり易いです。また、鼓膜穿孔からも起こり得ます。外傷や手術後などで鼓膜が破れている状態では、風呂・プールなどには注意します。
原因
一般的に上気道炎で起こることが多いとされます。肺炎球菌やインフルエンザ菌などが多く、これらの菌は細菌性肺炎や髄膜炎などでも重要となります。
症状
- 炎症:上気道炎・発熱・膿など
- 耳症状:耳痛・難聴など
- その他:啼泣・不機嫌など
*中耳なので伝音難聴が起き易いです。
治療
- 軽症例:経過観察
- 必要時:抗菌薬・鼓膜切開術(排膿)など
滲出性中耳炎
子どもに多く、急性中耳炎に続いて起きる場合や圧迫などで耳管の排出機能が悪くなった際に起こります。
原因
- 感染:上気道炎・副鼻腔炎など
- 咽頭疾患:アデノイド・癌など
症状
- 難聴・耳閉感:滲出液の貯留によって起こります。
難聴が最大の特徴で、発熱・耳痛・鼓膜穿孔は見られないと定義されます。
治療
鼻炎・副鼻腔炎などを合併していることが多く、並行して治療を行っていきます。手術では排液を行います。
- 薬物療法:必要に応じて抗菌薬・去痰薬(小児:カルボシステイン)など
- 耳管通気法:検査としても用いられます。
- 鼓膜切開術・鼓膜換気チューブ留置術
慢性中耳炎
完全に治り切らずに急性中耳炎などを繰り返すことで慢性化して起こります。硬くなった皮膚が真珠様に丸くなって骨を破壊したり、感染を引き起こしたりする真珠腫性中耳炎なども含まれます。
症状
伝音難聴以外では以下の症状が特徴的です。
- 鼓膜穿孔
- 耳漏
また、真珠腫性中耳炎では内耳・髄膜・脳などに波及すると様々な症状を呈します。
治療
- 薬物療法:抗菌薬など
- 鼓膜・鼓室形成術
- 真珠腫摘出術
今回は「中耳炎」について解説しました。
まとめ
- 中耳炎は子どもに多く、慢性化すると後々成人で起きてきます
- 肺炎球菌やインフルエンザ菌などが多いです
- 滲出性中耳炎では発熱・耳痛などを起こさないのが特徴的です
- 経過観察・内服・点耳・手術などで治療していきます
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