
・症状や特徴は?
今回は、こんな声に応えていきます。膵癌のリボンの色は「パープル」です。
この記事は看護学生・新卒看護師は勿論、未経験領域に臨む臨床看護師にも通ずる基礎内容ですので参考にどうぞ!筆者の経験以外に専門書やガイドラインなどでデータや事実を確認してから執筆しています。 国家試験範囲ですので、学科試験内容にも含まれます。国家試験合格率は全国平均で90%程度です。単位を落とすと学費が余計に掛かってしまいます。 この記事は国家試験範囲(+α)程度の内容に絞って、突っ込んだ内容はなるべく別記事でしています。是非参考にして「単位取得」・「合格」に役立ててくださいね。
本記事の内容について
- 膵癌とは
- 症状・検査・治療など
目次
1.膵癌の危険因子や分類について
注意ポイント
膵癌は発見時には進行癌になっているケースが多いです。罹患数が比較的少ないので男性4位・女性3位になっていますが、死亡率としては群を抜いている予後不良の癌疾患です。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
男性 | 肺 | 胃 | 大腸 | 膵臓 | 肝臓 |
女性 | 大腸 | 肺 | 膵臓 | 胃 | 乳房 |
参照Web:国立がん研究センター
>好発・危険因子
高齢者に多く、様々な危険因子が指摘されています。以下は一例です。
- 膵癌家族歴
- 慢性膵炎
- 糖尿病
- 肥満
- 喫煙
- アルコール:40g程度以上/日
*純アルコール量(g):ml x 度数(%) x 0.8
5%500mlだと、500 x 0.05 x 0.8で20gになります!
>分類
多くの膵癌は膵管由来の浸潤性膵管癌だと報告されています。
病変部によって分類が分かれます。以下で7~8割程度を占めます。
- 膵頭部癌:半数以上
- 膵体尾部癌:2割程度
2.膵癌の症状・検査・治療について
次に症状などを見ていきます。
>症状
初期症状は乏しく、進行癌で以下の症状などを呈します。
- 黄疸:特に膵頭部は胆管に近いので、膵頭部癌で胆管閉塞が起きると生じます。クールボアジェ徴候も陽性になります。
- 腹痛・腰背部痛:特に膵体尾部癌は、後腹膜の神経叢に浸潤することで、腰背部痛などを生じ易いです。膝胸位で改善します。
- 消化不良
- 体重減少
- 糖尿病新規発症
<膝胸位>
膵癌は、付近の胆管・十二指腸・胃などに浸潤し易いです。
転移
- 血行性転移:肝臓・肺など
- リンパ行性
- 播種性:腹膜播種
>検査
主な検査は以下の通りです。早期発見は難しいとされ、病変・進行度などで変わってきます。
- 腫瘍マーカー:早期癌での陽性率は低いです(CA19-9・CEAなど)
- 胆道系酵素上昇:γ-GTP・ALP・T-Bil
- 腹部エコー
- CT(造影)・MRI(MRCP)
- EUS(超音波内視鏡)・ERCP
- 核医学(PET)
参考
EUSとは
EUS:Endoscopic Ultrasonographyは、内視鏡で胃にカメラを通して、胃壁・十二指腸壁より膵臓などを超音波エコーで観察する方法です。消化管自体も観察でき、癌の深達度などを評価します。
>治療
- 切除可能:外科的手術・補助療法(化学・放射線療法)
- 切除不可能:化学療法・放射線療法・緩和ケア
- 減黄処置・消化管バイパス手術・鎮痛など
外科的治療
浸潤範囲などによって膵頭部・膵体尾部を切除したり、全体に癌が及ぶ場合は全摘術を行います。周囲組織も程度に合わせて切除し、空腸・胆管・胃などを吻合していきます。
参考
消化管バイパス術とは
Bypassとは「迂回路」と言う意味で、膵癌の場合は癌などによって狭窄・閉塞した消化管を手術により再建して、QOLを改善させることを目的にします。根治を目的としないので、姑息的治療・姑息手術と言います。
今回は「膵癌」について解説しました。
まとめ
- 危険因子は様々です
- 膵頭部・膵体尾部の2つを押さえよう!
- 早期発見は難しいです
- 血行性の肝臓転移が最多です

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