
今回は、こんな声に応えていきます。
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当記事で分かること
- 褐色細胞腫とは
- 副腎髄質とクロム親和性細胞について
<Contents>
褐色細胞腫
副腎は皮質と髄質に分かれますが、副腎髄質に発生したカテコールアミン産生腫瘍を褐色細胞腫と呼びます。副腎髄質の外に存在する交換神経に発生する場合はパラガングリオーマとも呼ばれます。

副腎髄質とは
副腎髄質はカテコールアミンを産生する場所で、ドーパミン・ノルアドレナリン・アドレナリンを産生します。これらのホルモンはアドレナリン受容体に作用して交感神経を活発にするので、高血圧や頻脈などの症状を呈します。
各カテコールアミンはアドレナリン受容体(α・β)などに作用して、大まかに画像の作用などを持ちます。
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5H
3Hと言うとクモ膜下出血の治療ですが、褐色細胞腫の症状としては5Hが出現します。全て交感神経が過剰に亢進することで生じます。
- 高血圧(Hypertension)
- 高血糖(Hyperglycemia)
- 代謝亢進(Hypermetabolism)
- 頭痛(Headache)
- 多汗(Hyperhydrosis)
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クロム親和性細胞
副腎髄質や交感神経節などに存在する細胞で、クロム酸と呼ばれる物質で褐色に染色されます。カテコールアミンなどが合成されます。
検査・治療
検査
- 尿中メタネフリン・ノルメタネフリン(↑):アドレナリン・ノルアドレナリン代謝産物です。
- 尿中カテコールアミン(↑)
- 血中カテコールアミン(↑)
- クロニジン試験陽性:中枢のα2受容体を刺激して交感神経のノルアドレナリンを抑制します。通常はノルアドレナリン濃度が低下しますが、本症では低下しないとされます。
治療
- α1遮断薬
- β遮断薬(単独投与禁忌)
- 腫瘍切除術
*β遮断薬の作用が強いと、β2刺激による血管拡張作用が抑制されて、α1刺激による血管収縮で高血圧を引き起こすとされます。
参考
その他、看護師がよく遭遇する薬剤として制吐剤のメトクロプラミド(プリンペラン®)などが禁忌薬として挙げられます。これは、ドパミンD2受容体に拮抗してアセチルコリンを遊離して制吐作用を発揮する以外に、ノルアドレナリンも遊離する為だと考えられています。
今回は「褐色細胞腫」について解説しました。
まとめ
- 副腎髄質や交感神経に生じる腫瘍です
- カテコラミンを過剰に産生します
- 交感神経に関連した症状(5H)などが出現します
- β遮断薬の単独投与などは禁忌となります
参考Web:褐色細胞腫・パラガングリオーマ診療ガイドライン2018
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