
今回は、こんな声に応えていきます。
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【医療学生】iPad・アプリなどを活かした図解ノートによる勉強方法について<看護>
参考
当記事で分かること
- 網膜色素変性症とは
- 夜盲とビタミンAの関係について
<Contents>
網膜色素変性症とは
網膜に存在する視細胞が障害を受ける疾患で、数十年に渡って進行していきます。緑内障と糖尿病網膜症も含めて、視覚障害の三大原因になっています。
半数は様々な遺伝形式で発症します。日本では難病に指定されており、根本的な治療は確立されていません。
杆体・錐体細胞
視細胞には杆体細胞と錐体細胞が存在します。杆体細胞は暗所で働いて、光覚・暗順応に関係します。初期では杆体細胞が障害されて、「夜盲」と呼ばれる暗闇での視力低下や暗順応に遅延を起こします。
次第に錐体細胞が障害され始めます。この細胞は普段明所で働いていて、視力や色覚に関わっているので、視力低下・色覚異常が起こります。
症状
- 夜盲
- 視野障害
- 視力低下
- 色覚異常
治療
網膜色素変性症では根治術は無く、ビタミンA(後述)などで進行を遅らせたり、生活面でサポートをしたりします。
日常的によく見掛けるのは、遮光眼鏡(サングラス)では無いでしょうか。光をコントロールして、網膜保護や視覚補助などの目的で使用しています。
ロービジョンケア
ロービジョン(low vision)とは英語の通り、視覚障害のことです。WHO(World Health Organization:世界保健機関)では、矯正後の視力で「0.05≦視力<0.3」と定義されています。
視力以外に視野障害や色覚異常なども含まれます。これらに該当する方を支援するのが「ロービジョンケア」です。様々な支援を包括した言葉で、画像は極一部の例です。
ビタミンAと夜盲の関係性とは
ビタミンAは別名レチノールなどと呼ばれています。油に溶ける脂溶性ビタミンの一つで、食品ではウナギ・レバー・人参などが有名です。文字通り油と一緒に摂取すると吸収率が良くなり、脂肪組織や肝臓で貯蔵されます。
βカロテンはビタミンAに変換されます。他の脂溶性ビタミンはどれだけ種類が存在するのかと言うと、コレ「DAKE」です。
- ビタミンA
- ビタミンD
- ビタミンE
- ビタミンK
水溶性ビタミン
水溶性ビタミンは熱に弱く、大量に摂取しても尿として排泄されます。よくビタミン系(Vit.B2=リボフラビン)の飲み物を飲むと、尿が黄色くなりますよね!
種類は「DAKE」以外で覚えると楽です。
- ビタミンB群
- ビタミンC
夜盲症
網膜では、ロドプシンやレチナールと呼ばれる物質によって光覚を担っています。これらはビタミンA(レチノール)によって作られるので、不足すると夜盲を来します。また、ビタミンAは皮膚細胞にも関わります。
今回は「網膜色素変性症」について解説しました。
まとめ
- 網膜色素変性症は視覚障害を起こす三大疾患の一つです
- 半数は遺伝で、難病指定されています
- 夜盲を初期症状とします
- 根本的な治療は無く、ロービジョンケアなどを行います
- ビタミンAは欠乏すると夜盲症を引き起こします
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