
今回は、こんな声に応えていきます。
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【医療学生】iPad・アプリなどを活かした図解ノートによる勉強方法について<看護>
当記事で分かること
- プロスタグランジン(PG)とは
- COX(シクロオキシゲナーゼ)について
- PG製剤とNSAIDsについて
<Contents>
プロスタグランジン(PG)とは
プロスタグランジン(prostaglandin)は、細胞膜のリン脂質よりアラキドン酸が生成された後に作られます。脂質代謝産物で、様々な種類が存在していて炎症反応などの多彩な生理作用を及ぼします。
シクロオキシゲナーゼ(COX)とは
プロスタグランジンを合成する際に働く酵素として、シクロオキシゲナーゼ(COX:cyclooxygenase)が重要になります。COXには2種類存在して、それぞれ特徴が異なってきます。
COX-1
ポイント
COX-1は全身性に作用します。胃・血小板・腎臓・内皮細胞など、多くの組織で発現するので様々な作用を及ぼします。
- 腎血流維持・腎機能
- 血小板凝集・止血
- 消化管粘膜保護
COX-2
ポイント
COX-2は炎症による反応で誘導されます。マクロファージ・白血球などによって誘導されることで、COX-1とは異なる作用を引き起こします。
- 炎症(血管拡張・発熱)
- 疼痛
- 血小板凝集抑制
PG製剤・NSAIDsについて
PG製剤とはプロスタグランジンを利用した製剤のことで、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)はCOXを阻害することでプロスタグランジンを抑える働きを持ちます。
PG製剤
様々な種類(サブタイプ)のPGとして働き掛けることで薬理効果を及ぼします。
- 血管拡張薬
- 子宮収縮薬
- 消化性潰瘍治療薬
- 緑内障治療薬
NSAIDs
PGに変換する酵素のシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害することで薬理効果を発揮します。薬剤によって細かく分類が分かれています。解熱鎮痛剤の他、血小板凝集を抑える抗血小板薬などが代表的です。
NSAIDs(一部抜粋)
- 酸性NSAIDs:アスピリン・ジクロフェナク(ボルタレン®)・インドメタシン(インテバン®)・イブプロフェン・ロキソプロフェン(ロキソニン®)
- 中性NSAIDs:セレコキシブ(セレコックス®)
注意ポイント
解熱鎮痛剤はCOX-2を抑えますが、同時にCOX-1を抑えることで胃潰瘍・腎機能障害を起こす可能性があります。COX-2を選択的に抑えるセレコキシブは、消化性潰瘍などの副作用が少ないとされます。
参考
第一類医薬品は、一般用医薬品の中でも特に副作用などに注意する薬剤の総称で、店頭・Web経由で薬剤師の指導が必要です。
NSAIDs不耐症とは

注意ポイント
NSAIDsのCOX阻害によって、相対的にLOX(リポキシゲナーゼ)が活性化してLT(ロイトコリエン)が増えます。これによって喘息(アスピリン喘息)や蕁麻疹(アスピリン蕁麻疹)が出現することを言います。NSAIDs投与時には既往歴に注意しましょう!
今回は「プロスタグランジン」について解説しました。
まとめ
- PGはアラキドン酸カスケードの一部になっています
- 炎症・疼痛などに関わり、様々な生理作用を持ちます
- NSAIDs・PG製剤は、この過程を利用して用いられます
- 特に解熱鎮痛剤は市販でも売られているので、用法・用量を守りましょう!
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