
今回は、こんな声に応えていきます。
この記事は看護学生・看護師は勿論、その他の医療学生・関係者にも通ずる基礎内容です。専門書やガイドラインなどでデータや事実を確認してから執筆しています。学科試験・国家試験・予習復習などに役立ててください! 国家試験範囲の解説一覧は領域別にHOMEに掲載しています。Kindle電子書籍を活用して無料・低価格で「電子ノート」を作りたい場合は、以下の記事を参考にしてくださいね!
-
-
【医療学生】iPad・アプリなどを活かした図解ノートによる勉強方法について<看護>
当記事で分かること
- 蛋白質とは
- ペプチド・アミノ酸について
- アミノ酸の種類って?
- 食品について
<Contents>
蛋白質とは
蛋白質は「タンパク質」などと学術的背景などによって表記を変える場合があります。ここでは漢字で統一していきます。
蛋白質は身体を作る上で主要な栄養素となっていて、体重の20%を占めています。骨格・筋・臓器の他、血球・凝固因子・免疫グロブリン・ホルモンなどの細かな細胞も蛋白質で構成されています。

アミノ酸の種類とペプチドについて
アミノ酸は人体には20種類存在します。肉などの蛋白質を摂取した場合は、消化器官によって最終的にアミノ酸に分解されて吸収されます。この中で人体で合成可能なアミノ酸を非必須アミノ酸、合成不可能なアミノ酸を必須アミノ酸と言います。
必須アミノ酸(9種)
BCAA
- バリン
- ロイシン
- イソロイシン
分岐鎖アミノ酸(BCAA:Branched Chain Amino Acid)は筋肉に多く存在する蛋白質で、筋肉の合成や持久力を高めると言われています。また、筋肉で代謝された際にアンモニアを分解してくれます。その為、肝不全では芳香族アミノ酸(後述)によってアンモニアが増えてしまうので、このBCAAを摂取して筋肉で代謝させます。
関連記事をCHECK!
-
-
肝性脳症・腹水・黄疸などの肝不全症状と治療について解説します<看護・医療国家試験>
AAA
- フェニルアラニン:チロシンに変換されて、カテコールアミン前駆体となります
- トリプトファン:大豆などに多く、セロトニン・メラトニンに変換されるので落ち着きや睡眠の質などに関わります
- ヒスチジン:覚醒作用やアレルギーなどに関わるヒスタミンの前駆体となります
- チロシン(非必須アミノ酸・後述)
芳香族アミノ酸(AAA:Aromatic Amino Acid)はベンゼン環(画像六角形:プロリンは除く)を持つ肝臓で代謝されるアミノ酸です。フィッシャー氏は、肝硬変患者のAAAが増えてBCAAが減っていることを発見しました。BCAA/AAAの比をフィッシャー比と言います。BCAA>AAAにしてフィッシャー比を上げる治療を行います。
関連記事をCHECK!
-
-
【セロトニン】精神症状との関係と食べ物で増やす方法について解説します<看護>
関連記事をCHECK!
-
-
【メラトニン】概日リズム・体内時計を利用して睡眠障害を改善させる看護とは
関連記事をCHECK!
-
-
アレルギー反応とは?Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ型の違いと種類・検査・症状などについて<看護>
関連記事をCHECK!
-
-
【α・β】アドレナリン受容体の種類・作用・覚え方について解説します
- リジン:ブドウ糖の代謝やカルシウム吸収などに関わります
- メチオニン:血中コレステロールを下げる働きなどに関わります
- スレオニン(トレオニン):成長を促す働きなどに関わります
桶理論
どの必須アミノ酸も様々な助け合いを行っているので、偏らずに充足させて摂取することで効果を発揮すると言われています。どれか一つのアミノ酸でも不足していると、桶周囲の板が短くなって蛋白質を作れずに漏れ出てしまうと言う理論です。
非必須アミノ酸(11種)
- チロシン:カテコールアミンの合成や色素に関係するメラニンなどに関わります
- アルギニン:成長ホルモン・筋肉・アンモニアの解毒などに関わります
- アスパラギン:中枢神経・利尿などに関わります
- アスパラギン酸:名前の通りアスパラガスに多く含まれてアンモニア代謝などを担います
- グルタミン:グルタミン酸とアンモニアで作られて筋肉・腸内環境などに関わります
- グルタミン酸:昆布などの旨味成分として有名で、アンモニアの解毒や利尿効果などを持ちます
- セリン:神経伝達物質などに関わります
- プロリン:グルタミン酸から作られてコラーゲンなどに関わります
- グリシン:筋肉で用いるクレアチンなどを初め、様々な原料になります
- アラニン:肝臓の代謝に関わり、アルコール分解などを担います
- システイン:黒色メラニンを押さえて黄色メラニンを作ります
ペプチド
ペプチドは蛋白質よりも小さな状態で、アミノ酸が幾つか結合したものを言います。胃・膵臓などで蛋白質をペプチドに分解して、その後腸管でペプチドをアミノ酸に分解して吸収されていきます。
今回は「蛋白質」について解説しました。
まとめ
- 蛋白質は身体の様々な要素を構成します
- 分解した際にアンモニアが発生します
- 肝臓とも密接に関わります
最新記事