
今回は、こんな声に応えていきます。
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【医療学生】iPad・アプリなどを活かした図解ノートによる勉強方法について<看護>
当記事で分かること
- 放射線三原則
- レントゲン・CT・MRI
- エコー検査
- 核医学検査
- 造影検査・IVR
<Contents>
放射線(Radiation)
放射線は自然界にも存在し、日常生活を送る上でも浴びています。医療では検査で放射線を用いることが多く、被曝を可能な限り減らすことは生体への影響を考えると重要です。
- 時間
- 遮蔽
- 距離
これらが三原則となります。検査時に比較的コントロール可能な距離や遮蔽は意識して働きましょう。遮蔽では、画像の様なプロテクターなども存在します。MRI・エコーなどは放射線を用いない検査です。

レントゲン検査
単純撮影検査はヴィルヘイム・レントゲン博士が特定の電磁波を発見して「X線」と名付けたので、X線・レントゲン撮影などと呼ばれています。白黒に写り、空気はX線が通り抜けて黒く写り、骨や臓器などは白く写ります。
金属などは写り込むので外します。また、臓器以外にチューブなどの位置を確認できます。移動式の病室で撮影可能なタイプも存在します。実効線量と呼ばれる放射線の量は極僅かですが、撮影時は離れましょう。
シャウカステン
今はデジタル化で電子カルテに反映させるので大きな病院では見なくなりましたが、写真を光に照らすディスプレイを「シャウカステン」と言います。
バリウム検査
胃のX線検査で、バリウムと呼ばれる造影剤を飲んでレントゲンの検査を行います。バリウムは白く写るので、通過している部分の形状が分かります。
マンモグラフィー
乳房のX線検査で、乳房を圧迫して撮影します。乳癌検診で有名ですね!
CT
Computed Tomographyの略で、日本語ではコンピュータ断層撮影と言います。名前の通り、身体を輪切りに撮影します。
状況によりますが、実効線量はX線検査の数十~百倍前後と比較的高いです。通常、撮影時は医療者が別の部屋に移動します。
また、単純CTの他に造影剤を用いる造影CTでは、腎機能・アレルギー反応(皮膚・消化器・呼吸器症状など)・尿量などに注意します。
MRI
Magnetic Resonance Imagingの略で、日本語では磁気共鳴画像と言います。名前の通り、磁力を用いて撮影する方法で、放射線被曝は起きません。
色々な撮影方法で見え方が変わってきます。特にCTでは抽出困難な初期の脳梗塞を診断するには有効です。また、腰椎・脊髄などの状態もよく分かります。
但し、CTは数分で終わるのに対してMRIは30分程度掛かります。結構大きな音がするので、検査中はヘッドホンを装着して案内・音楽などを流します。
また、磁石なので金属の持ち込みは禁忌です。非磁性の医療器材を用いて運び入れます。
超音波エコー検査
エコー(Echo)とは「反響」を意味し、カラオケなどでよく見掛けますね。名前の通り、超音波の反響を映像化します。タイプは大小様々で、撮影部にゼリーを塗ってプローブを当てる侵襲が少なめの検査です。
救急領域で有名なFAST(Focused Assessment with Sonography for Trauma)では、心嚢、左右肋間、モリソン窩、ダグラス窩、脾臓周囲の6か所の出血の有無を確認します。
- モリソン窩:肝臓・右腎の間のスペースのことです。
- ダグラス窩(膀胱直腸窩):子宮と直腸の間のことで、男性では膀胱直腸窩と言います。但し、便宜上ダグラス窩とも言います。

核医学検査
広義にはRI(Radio Isotope)検査・アイソトープ検査・シンチグラフィーなどとも言われます。RI(放射性同位体)を放出する薬品を注射などで投与し、体内から発せられる放射線を画像として抽出します。
臓器の構造などの他に、臓器血流・代謝などの機能を捉えるのに用いられます。所要時間は撮影部位などで異なります。
医療者側としては、放射線を体内に投与しているので、検査後の患者の排泄物などからの放射能汚染に注意します。施設基準に従いましょう。
SPECT
シンチグラフィーの一種で、single photon emission CTの略です。日本語では単一光子放射断層撮影と言います。口語では「スペクト」と言われます。CTと同じくカメラを回転させることで、輪切りの断層画像が得られます。
PET
シンチグラフィーの一種で、positron emission tomographyの略です。日本語では陽電子放射断層撮影と言います。口語では「ペット」と言われます。PETでは、ポジトロン(陽電子)と呼ばれる放射性医薬品を用います。
種類は様々ですが、代表的なFDG-PET検査では腫瘍が糖を消費することを利用して、腫瘍の検索に用いられます。この場合は、糖分の摂取が検査結果に影響を及ぼすので、食事・輸液などの糖質を制限をします。
血管造影
前述した通り、造影剤は影を造ってコントラストを付ける目的で使用します。画像検査でも用いられますが、血管内検査・治療でも広く用いられています。
動脈を穿刺して処置を行うので、終了後も継続して出血・固定・体位・安静度などに注意します。疾患によっては動脈の管(シース)を留置したまま帰室することも多いです。造影剤による腎機能・尿量なども重要です。
IVR
インターベンショナル・ラジオロジー(Interventional Radiology)の略で、日本語では画像下治療と定義されています。口語ではそのままIVRと読みます。X線などを用いて画像を確認しながら治療を行う方法の総称です。
広義にはPCI(経皮的冠動脈形成術)などの血管内治療や血管外治療も含め、多くの画像下治療がIVRの枠組みに入りますが、施設などによって呼び方は様々です。
今回は「画像検査」について解説しました。
まとめ
- 被曝を最小限にする三原則を覚えておこう!
- MRI・エコーは放射線が出ないです
- MRIでは金属の持ち込みは禁忌です
- 造影剤の副作用として腎機能障害やアレルギー症状などが有名です
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