
今回は、こんな声に応えていきます。
当記事で分かること
- SOFAとは
- 各臓器との関係性について
- 看護への活かし方とは
<Contents>
SOFAとは
難しい説明は別のサイトに譲って、取り敢えず簡単に解釈していきましょう!sequential organ failure assessmentの略で、6項目に分けて臓器を評価するスコアのことです。
今はシステムによって自動計算機能が付いています。入院時や定期的なスコアリングで予後・死亡率を予測していきます。
0~4点で評価して点数が上がると重症で死亡率が上がりますが、最初のうちは以下に示す「0点」を頭の隅に入れておくと良いと思います。
- 呼吸機能(P/F ratio):≧400
- 凝固機能(血小板):≧15万/μL
- 肝機能(ビリルビン値):<1.2mg/dL
- 循環機能(平均血圧・昇圧薬):≧70mmHg
- 中枢神経機能(GCS):15
- 腎機能(クレアチニン・尿量):<1.2mg/dL
ポイント
点数も大事ですが、スコアリングに執着せずに各項目を日々の業務で意識して過去のデータと比較するのが大切です。
呼吸機能(P/F ratio)
PaO2とFIO2の比です。酸素療法・呼吸不全などに関しては以下の記事にまとめています。血液ガス分析が必要となるので、一般的に動脈に留置して観血的血圧を表示している患者が対象になります。
看護
酸素流量・FIO2・呼吸器設定・回路などの他、分泌物・体位ドレナージなどを行って気道管理や肺理学療法を行います。
凝固機能(血小板)
血小板は骨髄で作られます。汎血球減少の他、破壊・消費が亢進すると減っていきます。DIC(播種性血管内凝固症候群)などが有名です。
看護
口腔ケア・刺入部などの刺激や観血的処置による出血・貧血などに注意します。
参考
肝機能(ビリルビン値)
ビリルビンは御存じの通り肝臓・胆道に関係しますね!肝臓は様々な蛋白質を合成する場所です。肝臓が悪いと凝固因子などにも異常を来します。
看護
ビリルビンと言えば黄疸ですね。掻痒感が感じられる場合は冷罨法・保湿・環境整備などで対応できます。
また、前述した通り凝固因子に障害を来す場合は出血傾向にも注意が必要です。アセトアミノフェンなど、肝代謝の薬剤にも注意が要ります。
参考
循環機能(平均血圧・昇圧薬)
平均血圧=脈圧(収縮期血圧 - 拡張期血圧)÷3 + 拡張期血圧で求められます。平均血圧≧65~70mmHgが理想です。
看護
式に照らし合わせていくとイメージが湧きます。特に血管抵抗・循環血液量・心収縮力などは、原因としてよく経験します。
敗血症性ショックでは細菌の影響で血管がガバガバに広がっているので、α1受容体を刺激する作用に優れたノルアドレナリンが第一選択薬となります。

参考

中枢神経機能(GCS)
普段「JCS」を使っている場合は慣れが必要ですが、qSOFAには「GCS」が必要になるので覚えましょう!認知症などでGCSが元々14点以下の場合は判断が難しいですが、いつもと違うのか?などが一つのポイントですね。
看護
脳も一つの臓器です。GCSが下がる場合は中枢神経に何かしらの原因で異常が起きている可能性が考えられます。
参考
腎機能(クレアチニン・尿量)
腎機能ではBUN・Crなどが有名ですね!尿が少ないと老廃物が十分に排泄できないので、慢性腎不全などを除いて尿量は最低でも体重1Kg辺り0.5mL/時は欲しいところです。
尿が少なくなってきた場合は、老廃物・水分などを取り除く目的で血液浄化(透析療法)を行っていきます。
看護
膀胱にカテーテルを留置している場合は、患者の体重と時間尿量を比較・観察していきます。観察する頻度は疾患・重症度などで変わります。
参考
一般病棟ではqSOFAを使う
一般病棟では集中治療室・急性期と比較すると血液検査が少なく、血液ガス分析の測定もが難しいことが多いです。また、そもそも集中治療に長けていないと看護師の観察項目としても機能しないので、簡易的で迅速に行える「quick」SOFAを用います。
通常のバイタルサイン測定で観察可能な以下の3項目で評価します。2点以上で異常だと考えましょう。
- 血圧:収縮期血圧≦100mmHg
- 呼吸数≧22回/分
- 意識状態(GCS<15)
今回は「SOFA」について解説しました。
まとめ
- SOFAは臓器の評価を行うスコアシステムです
- スコアリングの前に項目を覚えて看護に活かそう
- 慣れてきたらスコアを付けてみよう!
