
今回は、こんな声に応えていきます。
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当記事で分かること
- セロトニンとは
- 役割・作用機序について
- 他のホルモンとの関係について
- 増やす方法って?
<Contents>
セロトニンとは
セロトニンは端的に言うと「精神」・「神経」などを司るホルモンです。これが不足することでイライラ・不安などの精神症状を来します。
役割・作用機序
ポイント
セロトニンはドーパミン・ノルアドレナリンを調節する働きを持ちます。ドーパミン・ノルアドレナリンと聞くと循環作動薬を思い浮かべると思いますが、脳(中枢神経)では運動・情動などに関わります。
ドーパミンは「報酬系」として快楽などを起こすことで有名です。ノルアドレナリンは恐怖・記憶などに影響します。つまり、セロトニンの不足は2種類のホルモンの調節が上手く行えずに精神症状などを来します。
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薬剤
抗うつ薬は以上の機序を仮説として利用して、セロトニン・ノルアドレナリンなどの濃度を上げることで症状を改善させます。効果発現までに1ヶ月前後要すとされます。
観察ポイント
薬剤により神経伝達物質によって神経が刺激されることで、精神症状・神経症状などが出現する可能性が考えられるので、投与初期・増減時・中止時などでは注意が必要です。
- 賦活症候群(アクチベーションシンドローム):投与開始・増量などで起きる精神症状で、自殺などに注意する
- セロトニン症候群:精神症状(不安・意識障害)・神経症状(振戦・発汗)などが起きる
- 離脱症候群:眩暈・眩暈などを起こす
トリプトファン・メラトニンとの関係について
トリプトファンはアミノ酸の仲間で、必須アミノ酸です。必須アミノ酸とは栄養として摂取しないと不足してしまうアミノ酸のことを言います。特にバリン・ロイシン・イソロイシンは肝不全で重要な必須アミノ酸(BCAA)として重要です。
必須アミノ酸
- トリプトファン
- リシン
- メチオニン
- フェニルアラニン
- スレオニン
- バリン
- ロイシン
- イソロイシン
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食事
大豆・乳製品などに多く含まれているので、日本人の味噌汁・納豆などは打って付けですね!抗酸化・鎮痛・催眠・記憶力向上などの効果を得られますが、取り過ぎると肝障害などの危険性も示唆されています。
吸収にはビタミンB群も必要なので、食事では肉類・魚介類・レバーなどと摂取しましょう。
ポイント
- 不眠改善
- 抗酸化・アンチエイジング
- 鎮痛
- 記憶力向上
メラトニン
メラトニンはトリプトファン・セロトニンを経て合成されるホルモンです。睡眠と関係するホルモンで、光刺激によって分泌量が減ります。
- 日中:セロトニン(↑)・メラトニン(↓)
- 夜間:セロトニン → メラトニン(↑)
ポイント
夜間に光刺激を受けるとメラトニンが減るので、寝付きが悪い場合などは電子機器などの光刺激は避けましょう。また、セロトニンの分泌量によってメラトニンも増えるので、日光を浴びるのも大事になってきます。
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まとめ
- ドーパミン・ノルアドレナリンを制御します
- 結果的に精神・神経などと関わってきます
- メラトニン同様、日常で大切なホルモンになってきます
- 精神疾患に関連する薬剤を理解する上で押さえたいホルモンです
