
今回は、こんな声に応えていきます。
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当記事で分かること
- 睡眠時無呼吸症候群とは
- チェック項目・危険因子について
- 具体的な治療とは
<Contents>
睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に呼吸が止まって様々な症状を来します。分類は3種類になりますが、多くは閉塞によって起こります。
- 閉塞性:肥満・咽頭扁桃肥大症(アデノイド)など
- 中枢性:呼吸中枢障害(脳血管障害)など
- 混合性
ここでは閉塞性睡眠時無呼吸症候群について解説していきます。成人では肥満が多く、小児ではアデノイドが原因として多いです。
アデノイドとは
扁桃は免疫を担うリンパ組織の一種で、咽頭扁桃とも呼ばれます。鼻の奥に位置し、通常は幼児期に発達して縮小していきます。よく風邪などで診察するのは口蓋扁桃です。
症状・合併症
ポイント
- 眠気:夜間の中途覚醒によって生じます。
- 頭痛(起床時):無呼吸・低呼吸によって肺胞低換気が起こり、血中二酸化炭素濃度が上昇することで頭の血管が拡張します。それにより、周囲の神経を刺激して頭痛を認めます。
- いびき:気道が狭窄しているところに空気が流入し、軟口蓋が振動して起こります。

合併症
低酸素血症などによって心血管系が負担となり、特に心臓・脳に関連した合併症を引き起こします。
- 高血圧症
- 虚血性心疾患
- 不整脈
- 脳血管障害
検査
PSG検査
ポリソムノグラフィ(PSG:Polysomnography)とは身体に様々な電極などを取り付けて、呼吸・呼吸運動・気流・いびき・酸素飽和度・不整脈などを評価します。
AHI
AHI(Apnea Hypopnea Index)は無呼吸低呼吸指数のことで、1時間の睡眠で「無呼吸」と「低呼吸」の数を調べます。定義は以下の通りです。
- 無呼吸:気流が10秒以上停止する
- 低呼吸:換気量が10秒以上半分以下になる
指数によって重症度が変動します。
- 軽症:5回/時間≦
- 中等症:15回/時間≦
- 重症:30回/時間≦
治療
ポイント
- 減量:肥満の場合は生活習慣の見直しを行います。
- 切除:アデノイド肥大の場合は切除を検討します。
- Nasal-CPAP:鼻に人工呼吸器を装着し、持続的に気道に陽圧を送ることで睡眠障害を改善します。
*Nasal:鼻
*CPAP:Continuous Positive Airway Pressure(持続陽圧呼吸療法)
今回は「睡眠時無呼吸症候群」について解説しました。
まとめ
- 成人では肥満が多く、小児ではアデノイド肥大などが挙げられます
- 眠気・頭痛などを起こし、交通事故や心血管系の合併症に関係します
- 検査はポリソムノグラフィなどで睡眠時の状態を観察します
- 治療は肥満の改善やNasal-CPAPなどを行います
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