
・特に無くても害は無いの?
・脾腫って?
今回は、こんな声に応えていきます。
ポイント
脾臓って脇役的なイメージですが、実は縁の下の力持ち!大事な役割を担っているので確認して学んでいきましょう!
この記事は看護学生・新卒看護師は勿論、未経験領域に臨む臨床看護師にも通ずる基礎内容ですので参考にどうぞ!筆者の経験以外に専門書やガイドラインなどでデータや事実を確認してから執筆しています。 国家試験範囲ですので、学科試験内容にも含まれます。国家試験合格率は全国平均で90%程度です。単位を落とすと学費が余計に掛かってしまいます。 この記事は国家試験範囲(+α)程度の内容に絞って、突っ込んだ内容はなるべく別記事でしています。是非参考にして「単位取得」・「合格」に役立ててくださいね。
本記事の内容について
- 脾臓とは
- 脾腫とは
- 脾臓摘出すると
目次
1.脾臓の解剖と役割について
脾臓は左上腹部に位置します。胃の左隣、左腎の左上に存在します。成人の大きさは10cm程度、重量150g前後です。
脾臓の構造・役割は、簡単にまとめると以下の通りです。
構造
- 白脾髄:主にリンパ球の成熟を司ります
- 赤脾髄:主に赤血球の貯蔵・破壊を司ります
役割
- 免疫機能:リンパ球・抗体(IgM)産生及び異物処理などを行います。
- 造血機能:肝臓と共に胎児期で主となる造血機能ですが、出生後は骨髄に機能が移行します。赤血球が欠乏すると、成人でも緊急的に生産し始めます。
- 血球破壊:120日前後を目安に、古い赤血球を破壊して鉄分とヘモグロビンに分け、更に間接ビリルビンが代謝産物となります。
- 血球貯蔵:運動などの生体反応で、必要に応じて血液を送り出します。
2.脾臓の異常と摘出による弊害について
脾臓の異常としては、脾腫・癌・損傷などです。癌は比較的少なく、損傷は交通事故などで生じます。脾腫について見ていきます。
>脾腫
脾腫は脾臓が大きくなってしまった状態です。主な原因は以下の通りです。
- 感染症
- 貧血
- 鬱血:門脈圧亢進症(肝硬変)など
- 骨髄増殖性:白血病など
- 難病:ゴーシェ病など
脾腫になると?
脾臓が腫れると、左上腹部に疼痛が出現したり、特に右側臥位で触知可能になります。脾腫を起こすと、脾臓の機能は亢進します。
特に貯蔵機能が亢進して赤血球を蓄え、更に破壊機能が亢進することで赤血球・白血球・血小板などを異常に壊し始めます。これにより、貧血・易感染・易出血状態を呈します。
>治療
止血の場合は塞栓術などを考慮します。基本的には摘出による弊害も考え、温存を優先します。難しい場合は摘出手術を行います。
- 腹腔鏡下手術
- 開腹手術
摘出すると?
一番の問題は感染症に罹患し易くなることです。初期に反応するIgM抗体が少なくなり、オプソニン効果が減弱し、重症感染症に至れば致死的になります。よって、ワクチンの接種や予防的な抗生物質の投与などを行っていきます。海外渡航時などにも十分に気を付けます。
その他、貯蔵機能が失われるので易疲労感なども呈します。血球破壊は肝臓や骨髄などで代替されます。
今回は「脾臓」について解説しました。
まとめ
- 脾臓の役割は主に4つです
- 特に免疫と血球破壊は重要です

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