
今回は、こんな声に応えていきます。
ポイント
脾臓は脇役的なイメージですが、実は縁の下の力持ち!大事な役割を担っているので確認して学んでいきましょう!
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当記事で分かること
- 脾臓とは
- 脾腫・脾臓摘出について
<Contents>
脾臓の解剖と役割について
脾臓は左上腹部に位置します。胃の左隣、左腎の左上に存在します。成人の大きさは10cm程度、重量150g前後です。
構造
脾臓の構造・役割は、簡単にまとめると以下の通りです。
- 白脾髄:主に免疫機能を司ります。
- 赤脾髄:主に赤血球の貯蔵・破壊を司ります。
役割
- 免疫機能:リンパ球・抗体(IgM)産生及び異物処理などを行います。
- 造血機能:肝臓と共に胎児期で主となる造血機能ですが、出生後は骨髄に機能が移行します。赤血球が欠乏すると、成人でも緊急的に生産し始めます。
- 血球破壊:120日前後を目安に、古い赤血球を破壊して鉄分とヘモグロビンに分け、更に間接ビリルビンとなり肝臓に運ばれます。
- 血球貯蔵:運動などの生体反応で、必要に応じて血液を送り出します。
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脾臓の異常と摘出について
脾臓の異常としては、脾腫・癌・損傷などです。癌は比較的少なく、損傷は交通事故などで生じます。脾腫について見ていきます。
脾腫
脾腫は脾臓が大きくなってしまった状態です。主な原因は以下などです。
- 感染症
- 貧血(血球異常)
- 鬱血:門脈圧亢進症(肝硬変)など
- 骨髄増殖性:白血病など
- 難病:ゴーシェ病など
脾腫になると?
脾臓が腫れると、左上腹部に疼痛が出現します。特に右側臥位で左側を上にすると触知可能になります。脾腫を起こすと、脾臓の機能は亢進します。
特に貯蔵機能が亢進して赤血球を蓄え、更に破壊機能が亢進することで赤血球・白血球・血小板などを異常に壊し始めます。これにより、貧血・易感染・易出血状態を呈します。

治療
止血の場合は塞栓術などを考慮します。基本的には摘出による弊害も考え、温存を優先します。難しい場合は摘出手術を行います。
- カテーテル塞栓術(温存)
- 腹腔鏡下手術
- 開腹手術
摘出すると?
一番の問題は感染症に罹患し易くなることです。初期に反応するIgM抗体が少なくなり、オプソニン効果(化)が減弱し、重症感染症に至れば致死的になります。よって、ワクチンの接種や予防的な抗生物質の投与などを行っていきます。海外渡航時などにも十分に気を付けます。
その他、貯蔵機能が失われるので易疲労感なども呈します。血球破壊は肝臓や骨髄などで代替されます。
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今回は「脾臓」について解説しました。
まとめ
- 脾臓の役割は主に4つです
- 特に免疫と血球破壊は重要です
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