
・対応はどうしよう?
今回は、こんな声に応えていきます。
この記事は看護学生・新卒看護師は勿論、未経験領域に臨む臨床看護師にも通ずる基礎内容ですので参考にどうぞ!筆者の経験以外に専門書やガイドラインなどでデータや事実を確認してから執筆しています。 国家試験範囲ですので、学科試験内容にも含まれます。国家試験合格率は全国平均で90%程度です。単位を落とすと学費が余計に掛かってしまいます。 この記事は国家試験範囲(+α)程度の内容に絞って、突っ込んだ内容はなるべく別記事でしています。是非参考にして「単位取得」・「合格」に役立ててくださいね。
当記事で分かること
- 腹痛の機序とは
- 腹痛の対応について
目次
腹痛の機序と原因について
主な種類としては、以下の4分類になります。
- 内臓痛
- 体性痛
- 関連痛
- 心因性
各分類を見ていきましょう!
内臓痛
字の通り、臓器・臓側腹膜(腹部臓器を覆う膜)の拡張や収縮などによって生じます。主に交感神経などの自律神経経由で脊髄・大脳皮質に伝わって生じます。多くは鈍痛で、明確な疼痛部位は分からないです。

体性痛
内臓痛とは違って、明確な疼痛部位が分かります。筋肉痛・関節痛なども含まれます。腹痛の場合は腹膜刺激症状と言って、壁側腹膜(腹壁内面の膜)などに分布している感覚神経(≒知覚神経)が刺激を受けることで生じます。
刺激の種類は機械的刺激・炎症・消化液など様々です。腹部の伸展や筋肉の過緊張などで疼痛が増強するので、体位を調整したり、リラックスして貰いましょう。

関連痛
別の知覚神経線維に影響して起こる疼痛です。この中でも、例えば心筋梗塞で歯痛・左上肢痛などの離れた場所に生じる疼痛は放散痛と呼びます。
>心因性
緊張で腹痛などを来す人が代表的ですね!ストレス性なので、大脳皮質に影響して起こります。
内臓痛・体性痛・関連痛の対応について
腹痛の原因は様々です。消化器系の疾患とも限らないので、現病歴や既往歴なども含めて、原因として可能性の高い項目からアセスメントします。
観察・看護
観察
- バイタルサイン
- 初発・再発・切っ掛け
- 慢性・急性
- 疼痛部位・程度・性質
- 排便状況
- 随伴症状
例えば食後に痛む場合は「胃潰瘍」、空腹時に痛む場合は「十二指腸潰瘍(胃潰瘍)」、腹膜刺激症状を呈す場合は「腹膜炎」を疑うと言った具合です。放散痛で無ければ各臓器の近位が痛むことが多いので、臓器の位置を把握しておきましょう。
看護
- 処置・検査準備
- 随伴症状の対応
- 体位調整
- タッチング
- 温罨法(慢性・冷え)
- その他:SBARで報告など
検査
必要に応じて、検査・治療を行います。
- 採血・レントゲン・エコー・心電図など
- CT・MRI・内視鏡・造影・腹腔鏡・膀胱鏡など
薬剤
鎮痛薬による除痛や、消化管運動が亢進している内臓痛などは鎮痙薬を主に用います。鎮痙薬ではブチルスコポラミン(ブスコパン®)が代表的です。
*抗コリン薬なので、緑内障では禁忌です。前立腺肥大症でも慎重投与になっています。
腹痛の原因を特定してから選択しましょう。
今回は「腹痛」について解説しました。
まとめ
- 腹痛の原因は4種類です
- 原因によって治療方針も変わります
- 腹膜刺激症状は押さえよう
- 臓器の位置も覚えよう

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