
・原因や症状って?
今回は、こんな声に応えていきます。
この記事は看護学生・新卒看護師は勿論、未経験領域に臨む臨床看護師にも通ずる基礎内容ですので参考にどうぞ!筆者の経験以外に専門書やガイドラインなどでデータや事実を確認してから執筆しています。 国家試験範囲ですので、学科試験内容にも含まれます。国家試験合格率は全国平均で90%程度です。単位を落とすと学費が余計に掛かってしまいます。 この記事は国家試験範囲(+α)程度の内容に絞って、突っ込んだ内容はなるべく別記事でしています。是非参考にして「単位取得」・「合格」に役立ててくださいね。
本記事の内容について
- 尿路結石とは
- 関連因子について
- 症状・検査・治療など
1.尿路結石症の好発や原因について
尿路結石は、尿の成分が析出して結晶化した状態です。食生活の変化などに伴って、年々増加傾向とされます。
好発
結石成分
多くはカルシウム成分です。尿細管での再吸収障害によって、アミノ酸のシスチンが増加して形成されるシスチン尿症(遺伝性疾患)や痛風(尿酸)なども存在します。尿の酸化・アルカリ化の両方で析出が促進されます。
関連因子
尿pH・尿流・濃度などが関与して結石が生じ易くなります。尿路感染では細菌が産生するウレアーゼでpH変動が起きたり、水分不足・食事・運動不足(骨吸収)によって濃度が高まったり、尿流が悪くなります。以下は一例で、様々な因子が絡んでいます。
- pH:尿路感染・高尿酸血症など
- 濃度:水分・食事・運動・ホルモン(副甲状腺・エストロゲン)など
- 尿流:尿路障害・運動など
ウレアーゼ
ウレアーゼは、尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解する酵素です。ヘリコバクター・ピロリ菌が産生することで有名です。尿路感染症の起因菌では、大腸菌などが産生します。
2.尿路結石症の症状・検査・治療について
結石の場所や成分などで違ってきます。
>症状
>検査
- 超音波検査
- 腹部単純レントゲン(KUB:Kidney Ureter Bladder)
>腎臓・尿管・膀胱が入る位置で撮影します。大きさやガスなどにも影響しますが、カルシウム成分を含むと写り易いです。
- 静脈性腎盂造影(IVP:Intravenous Pyelography)
>腎臓に「影を造る」検査で、臓器や尿路などに何が起きているか診断します。点滴静注腎盂造影(DIP:Drip Infusion Pyelography)とも言います。
- CT
>治療
治療では、保存的治療と侵襲的治療に分かれます。
保存的治療
- 疼痛管理:NSAIDs第一選択
- 飲水摂取:食事以外で2L以上摂取します(理想尿量2.5L/日)
- 食事指導:尿酸が原因の場合はプリン体などを控えます
- 運動療法:骨吸収抑制・排出促進作用など
- 薬物療法:クエン酸製剤・サイアザイド系利尿薬・排石促進薬・結石溶解薬など
薬物療法
- クエン酸製剤:pHをアルカリに持っていき、尿中でカルシウムを結合して排泄されます。過度のアルカリ化による析出促進に注意します。
- サイアザイド系利尿薬:遠位尿細管でナトリウム再吸収を阻害してナトリウム利尿を起こしますが、同時にカルシウムを血中に引き込みます。これにより尿中カルシウム濃度が下がり、尿路結石の予防になります。
保存的に治療が難しい場合や水腎症などを来す場合は、以下の治療を検討します。

水腎症は、尿路障害によって尿が渋滞を起こし、腎盂・腎杯などが拡張して生じます。腎後性腎不全の原因にもなります。
侵襲的治療
今回は「尿路結石症」について解説しました。
まとめ
- 男性に多く、女性は閉経後に増加します
- 好発部位は「3」箇所覚えよう!
- カルシウム成分が多く、成分で治療なども変化します
- pH・排泄・濃度などが関与します
- 尿管では刺激や圧亢進などで疝痛発作を起こします
- 疼痛管理や生活指導などが必要になります
- 保存療法で改善しない場合などは石を砕きます
*参考Web:尿路結石症診療ガイドライン

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