
今回は、こんな声に応えていきます。
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【医療学生】iPad・アプリなどを活かした図解ノートによる勉強方法について<看護>
当記事で分かること
- 一般尿検査について
- 尿量・頻度について
<Contents>
尿検査・尿試験紙法について
ポイント
一口に尿検査と言っても様々です。ここでは試験紙と呼ばれる一本の紙を尿と反応させ、各項目の色が変わることで検査できる方法を解説していきます。
<尿検査試験紙>
参考
項目 | 基準 |
糖 | 陰性 |
pH | 5.0~8.0 |
蛋白 | 陰性 |
潜血 | 陰性 |
比重 | 1.020前後 |
白血球 | 陰性 |
ケトン体 | 陰性 |
亜硝酸塩 | 陰性 |
ビリルビン | 陰性 |
ウロビリノーゲン | 弱陽性 |
注意ポイント
異常時の特徴を見ていきます。一般的に食事や運動などの私生活に影響されることも多いので、偽陽性・偽陰性などに注意します。
糖
- 陽性:糖尿病・膵炎・再吸収機能障害など
pH
- アルカリ性:尿路感染症など
- 酸性:発熱や糖尿病など
蛋白
アルブミンや筋肉に含まれるミオグロビンなどに反応します。
- 腎前性:筋肉の破壊など
- 腎性:糸球体・尿細管障害など
- 腎後性:尿路障害など
- 姿勢:起立性蛋白尿・前彎性蛋白尿
姿勢では、腎静脈の圧迫が原因とされます。
潜血
赤血球が混じっている状態です。肉眼的に分かる場合を肉眼的血尿、尿沈渣で分かる血尿を顕微鏡的血尿と言います。
尿1000ml中に血液1ml(0.1%)で肉眼的血尿になります。
- 血管病変
- 結石・腫瘍など
女性は生理中の採尿で偽陽性となるので注意しましょう。
比重
- 1.030:濃縮尿・高張尿(脱水・造影剤使用後など)
- 1.010:希釈尿・低張尿(尿崩症・水分大量摂取など)
白血球
- 尿路感染症・炎症
ケトン体
グルコースの代謝異常などで現れます。
- 糖尿病
- 飢餓
亜硝酸塩
- 尿路感染症:細菌産生
ビリルビン
ウロビリノーゲン
- 肝障害
参考
尿量・頻度の基準について
体格・既往歴・現病歴などで変わってきますが、一般的には以下の基準となります。
尿量
最低限必要な尿量は0.5mL/Kg/時です。理想体重が50Kgだと、1時間に25mlです。
- 乏尿:1日400ml以下
- 無尿:1日100ml以下
- 多尿:1日3000ml以上

尿量が増加する理由として、水分の過剰摂取や尿崩症・糖尿病などが挙がります。尿量が減少する理由と対応は、以下の通りです。
- 腎前性:腎血流量低下(低血圧・脱水・出血など)により生じ、輸液療法・血圧管理などを行います。
- 腎性:腎機能障害(腎不全など)により生じ、保存的治療・血液透析などを行います。
- 腎後性:尿路障害(尿閉など)により生じ、導尿・腎瘻などを行います。
尿閉とは
何らかの原因で膀胱や尿道が閉塞したり、神経障害で排出を行えないことで起きます。
尿が著しく減少したまま経過すると、電解質・水分・老廃物などが蓄積して様々な合併症を起こします。
注意ポイント
- 水分:心不全・肺鬱血など
- 電解質:高カリウム血症・高リン血症など
- 老廃物:アシドーシス・尿毒症など
腎不全・無尿などの際は、カリウム製剤の投与に注意しましょう。
頻尿
頻尿の定義は次の通りです。
- 1日8回以上
- 就寝時1日1回以上
理由としては様々ですが、主に以下の原因が挙げられます。
- 過活動膀胱:膀胱が不随意的に収縮して尿意を催します
- 残尿:前立腺肥大などで尿が残ります
- 多尿:利尿薬や水分摂取などで起こります
- 感染・結石:膀胱が炎症・結石などで刺激されます
- 心因性:精神的に頻回に行ってしまいます
- 腫瘍・妊婦:膀胱の圧排で容積が減ります
採尿方法・検査方法について
採尿の種類とは
種類
採尿方法を幾つか例に挙げます。一般的に多いのは部分尿・随時尿で、目的に応じて変えていきます。
- 早朝尿:運動・姿勢などでの蛋白が影響しない濃縮尿が採取できる。
- 随時尿:外来の一時的検査などで行われる。
- 全尿:24時間尿などの腎機能や尿糖などの検査で用いられる。
- 初尿:クラミジア感染などの尿道感染症などで用いられる。
- 部分尿:一般的な特に指定の無い採尿のこと。
- 中間尿:出初めと終わりを避けることで、細菌汚染などを防ぐ。
- カテーテル尿:細菌検査などの際に無菌的に採取できる。
- 膀胱穿刺尿:同じく無菌的に採取する場合に行う。
検査の種類とは
種類
よく用いられるのは尿定性で、尿試験紙法も尿定性に属します。
- 尿沈渣:遠心分離して沈殿した成分を検査する。
- 尿試験紙:試験紙を尿に浸けて検査する。
- 細菌検査:原因菌の特定を行う。
今回は「尿検査」について解説しました。
まとめ
- 尿検査は私生活などに影響されます
- 継続して異常になる場合は注意しましょう
- 尿量は特に重要になります
- 原因・治療と合わせて関連付けよう!
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