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【ワクチン】接種方法は?効果・種類・副反応なども解説します<看護・医療>

2021年8月14日

集中治療室で10年以上働き、ブログを起点に医療情報やお役立ち情報を発信しています。医療学生・新卒看護師向けに分かり易く解説するコンテンツも制作しています!国家試験に合格したのに臨床で上手く使えない…と思っている人は結構多いです。折角学習するのに臨床で活かせないのは勿体無いです。効率的・体系的に学びつつ臨床に活かしましょう!

ワクチンの種類と接種方法って?どんな反応が起きるの?

今回は、こんな声に応えていきます。

この記事は看護学生・看護師は勿論、その他の医療学生・関係者にも通ずる基礎内容です。専門書やガイドラインなどでデータや事実を確認してから執筆しています。学科試験・国家試験・予習復習などに役立ててください!

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当記事で分かること

  • ワクチンとは
  • 種類と特徴について

ワクチンとは

ワクチンは免疫反応によって「異物」を事前に認識させて、獲得免疫と呼ばれる生後に得る免疫を作ります。種類には「生ワクチン」・「不活化ワクチン」・「トキソイド」があります。COVID-19で用いられた「mRNA」も解説します。それぞれ接種方法・接種回数などが決まっています。

  • 生ワクチン
  • 不活化ワクチン
  • トキソイド

違いについて

ワクチンについて簡単に解説します。病原体が「兵士」だとすると、その状態で体内に侵入されると急な出現に免疫が対応できずにダメージが大きくなってしまいます。

簡単に言うと、弱毒生ワクチンは病原体の「武装」を解いて、一般人にまで弱体化した状態で投与する方法を言います。不活化ワクチンは病原体を「殺菌」します。

各項で詳しく見ていきます。

定期接種・任意接種

定期接種は、予防接種法に基づき法律で定められています。集団免疫を獲得して感染症を予防する目的で接種を推奨されたワクチンのことです。ワクチンによって「無料」又は「一部負担」になっていて、自治体などが行っています。

対して任意接種は、本人が必要な時に接種するワクチンを言います。例えば、海外渡航をする際や定期接種したワクチンの抗体価が下がった時などです。

定期接種は法律で努力義務となっています。ワクチンによって接種方法は異なり、経口投与もあります。

注意ポイント

予防接種の前に、医師が「問診表」などを確認します。その際に発熱・体調不良・既往歴・アレルギー・妊娠などを申告し忘れたり隠したりすると、副反応によるデメリットが上回ってしまう可能性が考えられるので注意しましょう。

弱毒生ワクチン

弱毒生ワクチンは生菌と言って、弱っているとは言え生きているので、感染性・病原性は残存しています。不活化ワクチンなどよりは副反応を起こし易いとされます。

反面、細胞性免疫・液性免疫の獲得により免疫力が強く、長期間持続します。免疫力の弱い方や妊婦には使えないのが注意点です。別の「生ワクチン」を控えている場合は副反応に注意しつつ、27日間間隔を空けます。

リンパ球・白血球

ポイント

  • 細胞性免疫:T細胞・キラー細胞・マクロファージなど、細胞が病原体を攻撃する反応を言います。
  • 液性免疫:B細胞が形質細胞となった際に放つ「Y字状」の抗体(武器)のことを言います。

種類(例)

  • 麻疹・風疹(MR)
  • 麻疹(はしか)
  • 風疹
  • 水痘(水疱瘡)
  • BCG(結核)
  • ロタウイルス
  • ムンプス(流行性耳下腺炎・おたふく)
  • 定期接種(赤)
  • 任意接種(青)
ロタウイルスは2020年10月1日に定期接種に追加されています。

接種方法

  • ロタウイルス:経口摂取
  • BCG:ハンコ注射(薬液を皮膚に塗って専用の針で刺す)
  • その他:皮下注射など

不活化ワクチン・トキソイド

不活化ワクチンは死んでいる状態の死菌なので、感染性・病原性は無いとされます。弱毒生ワクチンより安全性が高いですが、短期間で抗体価が減っていくので追加接種が要ります。

破傷風・ジフテリアなどのトキソイドは、広義には不活化ワクチンになります。令和2年10月1日より、別のワクチンを打つ際は間隔に制限が無くなっています。

種類(例)

  • ジフテリア・百日せき・破傷風・不活化ポリオ(DPT-IPV):4種混合
  • ジフテリア・百日せき・破傷風(DPT):3種混合
  • ジフテリア・破傷風(DT):2種混合
  • 不活化ポリオ(IPV)
  • 日本脳炎
  • インフルエンザ菌b型(Hib)
  • B型肝炎(HBV)
  • 小児肺炎球菌
  • 子宮頸癌(HPV)
  • インフルエンザ
  • 高齢者肺炎球菌
  • 定期接種(赤)
  • 任意接種(青)

接種方法

  • 皮下注射

mRNAワクチン(COVID-19)

DNA・RNA

昨今コロナウイルスのワクチンで有名となったmRNAワクチンですが、mRNAとはメッセンジャーRNA(リボ核酸)の意味で、遺伝子の伝達や蛋白質の合成などを担います。

不活化ワクチンよりも細かなmRNAと言う形で遺伝子情報を接種することで、宿主の細胞を利用して「病原体」の蛋白質(スパイク部分)を作らせます。この蛋白質を免疫が「敵」と認識して免疫を強くします。

接種方法

諸外国ではワクチン接種を筋肉注射で行うことが多く、海外で作られたワクチンで筋肉注射が用法になっているので日本でも筋肉注射で接種します。

免疫反応について

ワクチン・免疫反応

ワクチンを接種することで、生体の免疫機能が病原体の「顔」を認識して、抗体(武器)を作ります。それにより「指名手配」となって、次回に侵入した際に免疫反応が強く現れます。二回目の接種で反応が強いのは、この機序によります。


今回は「ワクチン」について解説しました。

まとめ

  • 一般的なワクチンは弱毒生ワクチンと不活化ワクチン(広義)です
  • 定期接種・任意接種に分かれます
  • 一般的にメリットが上回る場合は感染予防として接種していきます
  • 体調不良などではデメリットが上回る可能性があります
  • 打った後に抗体価(免疫力)は下がる場合は追加接種などが必要です
  • 女性ではHPVや妊娠前の風疹が、高齢者では肺炎球菌などが重要です

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