
今回は、こんな声に応えていきます。
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当記事で分かること
- 水痘・水疱瘡とは
- 感染経路・潜伏期間について
- 症状・治療など
<Contents>
水痘・水疱瘡とは
水痘・水疱瘡(chicken pox・varicella)は水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella zonster virus:VZV)によって引き起こされる感染症です。小児に多く、感染力が強く痂皮化するまで水平感染を起こします。
好発年齢
- 小児:2~8歳
痂皮とは
一般的に言う瘡蓋のことです。通常の傷は痂皮を伴うと綺麗に治り難いので、ハイドロコロイドなどの市販でも売っている絆創膏で程良く湿潤環境を維持することで綺麗に治ります。
感染経路
水平感染
- 空気感染:飛沫感染より細かな粒子を吸い込んで起こります
- 飛沫感染:会話などで飛ぶ粒子(唾液)などで起こります
- 接触感染:直接病原体を触れることで起こります
注意ポイント
入院時は感染拡大を防止する目的で個室隔離が必要です。
潜伏期間・症状・出席について
潜伏期間は14日程度で、体幹部に始まる発疹や発熱などが生じます。発疹は徐々に末端(手足)に向かって、紅斑・丘疹・水泡などを経て痂皮化していきます。7日程度で全ての発疹が痂皮化すると、登園・登校が可能になります(学校保健安全法)。
ポイント
- 潜伏期間:14日間
- 症状:発熱・発疹
- 登園・登校:全て痂皮化する(7日程度)
用語
- 発疹:皮膚症状の総称のこと
- 紅斑:平らで紅くなっている
- 丘疹:突出している
- 水泡:液体が溜まっている
注意点と治療について
一般的に自然軽快しますが、免疫力が弱くなっている場合は重症化を起こします。白血病患者(白血球減少)・薬物療法(副腎皮質ステロイド・免疫抑制薬)などを行っている場合は注意が必要です。
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集団免疫
個人の予防以外に、他の人に感染を広げない為にも予防接種・ワクチンが重要になります。これを集団免疫と言って、社会を守ることになります。
抗ヘルペスウイルス薬
- アシクロビル(ゾビラックス®)
- パバラシクロビル(バルトレックス®)
- ファムシクロビル(ファムビル®)
大人が罹患すると
罹患歴の無い大人が感染すると重症化を来し易いと報告されています。一般的に医療従事者など、特に子どもを受け入れている場所では予防接種が行われています。
再感染・潜伏
子どもの時に罹患すると抗体が作られます。一般的には二度と罹患しない終生免疫が備わると言われていますが、抗体が弱くなると再感染を起こしたり、神経に潜伏しているウイルスが大人になって姿を現し、帯状疱疹となって神経痛などを起こす場合があります。
予防接種・ワクチン
水痘の定期接種は平成26年10月1日から開始されています。生ワクチンを接種することで1回目で重症化を100%近い割合で防げ、2回目で軽症例も防げると言われています。
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今回は「水痘・水疱瘡」について解説しました。
まとめ
- 自他共に守る為に予防接種を受けましょう
- 予防接種が難しい場合は人との交流に気を付けましょう
- 空気・飛沫・接触感染です
- 14日間の潜伏期間を経て、全て痂皮化後に登園・登校可能です
参考・引用文献(Web)
- 厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/)
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