
今回は、こんな声に応えていきます。
この記事は看護学生・看護師は勿論、その他の医療学生・関係者にも通ずる基礎内容です。専門書やガイドラインなどでデータや事実を確認してから執筆しています。学科試験・国家試験・予習復習などに役立ててください! 国家試験範囲の解説一覧は領域別にHOMEに掲載しています。Kindle電子書籍を活用して無料・低価格で「電子ノート」を作りたい場合は、以下の記事を参考にしてくださいね!
-
-
【医療学生】iPad・アプリなどを活かした図解ノートによる勉強方法について<看護>
当記事で分かること
- 逆流性食道炎について
- 胃食道逆流症とは
- 症状や治療などについて
<Contents>
逆流性食道炎とは
その名の通り、胃内容物が食道に逆流してしまいます。胃食道逆流症(GERD:Gastro Esophageal Reflux Disease)「ガード」に含まれます。ピロリ菌に感染していると、胃酸のpH・萎縮などに関与して有病率は下がると報告されています。
GERDは大別して以下の2種類です。
GERDとは
非糜爛性胃食道逆流症(NERD:Non Erosive Reflux Disease)「ナード」:食道に粘膜障害無し
逆流性食道炎(糜爛性胃食道逆流症):食道に粘膜障害有り
前回の「アカラシア」で解説したLESが重要になるので、復習しましょう!
LESとは
下部食道括約筋(LES:Lower Esophageal Sphincter)のことで、食物が通過する際に弛緩することで胃に流れていきます。食物が通過しない時は収縮し、胃からの逆流を防ぎます。
アカラシアでは、LESの収縮(圧力上昇)により通過障害を起こしていました。逆にGERDでは、LESの弛緩(圧力低下)により容易に逆流してしまいます。
原因
- 肥満:腹圧が上がることで逆流し易くなります。
- 加齢
- 食道裂孔ヘルニア:胃が食道裂孔(横隔膜)の上に乗り上げ、逆流を防ぎ難くなります。
- 蠕動運動低下
- 胃酸分泌増加
検査・症状・治療
検査
- 内視鏡検査:粘膜の状態を観察します。所見を認めなかった場合は鼻から電極を挿入して食道に設置し、24時間pHモニタリングを行います。
- 食道内圧測定:LESの圧力を測定します。

症状
典型的な症状としては、酸性の胃液が口腔に逆流すると酸っぱくなったり、食道に影響すると胸焼けを感じたり糜爛が生じます。人によって胸痛や咳嗽なども生じます。

治療
侵襲的治療
難治性の場合は検討します。
内視鏡・手術
- 腹腔鏡下噴門形成術(Nissen法)
- 内視鏡的治療
今回は「逆流性食道炎」について解説しました。
まとめ
・逆流性食道炎は「GERD」の括りの中の1つ
・食道裂孔ヘルニアなどにより、LESが緩んで胃内容物が逆流する
・肥満は大いに関連しており、その他に生活習慣なども関連してくる
・内視鏡検査で粘膜を観察したり、食道のpHを24時間モニタリングします
・典型的な症状は吞酸(酸っぱさ)と胸焼けです
・第一選択薬は「PPI」になります
・看護では生活指導などを行おう!
参考文献:胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2015
最新記事