
今回は、こんな声に応えていきます。
ポイント
血圧は医療者、一般人問わず、基礎と言っても良いくらい重要なポイントですので、必ず押さえましょう。
可能な範囲で実習中にアウトプットも一緒に行うと、結構記憶に定着します。今後、実習を控えている場合は参考にしてみてくださいね。
当記事で分かること
- 健常人の血圧の異常値について
- 高血圧と低血圧について
- 脈拍の種類について
目次
高血圧とは
血圧は以下の式で求められます。
血圧 = 心拍出量 x 末梢血管抵抗
合併症の無い健康な人の収縮期血圧は140mmHg、拡張期血圧は90mmHgを、一つの基準にすると良いと思います。
死亡率UP
基準を超えると、脳血管障害、心臓疾患、末梢動脈疾患、腎疾患などの血管障害の危険度は上がります。収縮期血圧は20、拡張期血圧は10の数値で危険度が変化します。血圧の至適範囲は、合併症などで変わってきます。
本態性高血圧
高血圧の種類は、本態性高血圧が9割です。本態性とは、原因が明確に特定できないと言う意味を持ちます。
日常の血圧が高い仮面高血圧、診察時の緊張などで上がる白衣高血圧など、タイミングで数値が変わってしまう人も多く、日常での血圧管理が重要になってきます。
二次性高血圧
様々な疾患が原因となり、二次的に高血圧になる病態です。必要に応じて検査を追加して、特定していきます。原疾患治療を行っていきます。
例えば褐色細胞腫の場合、カテコールアミン異常産生によります。原発性アルドステロン症の場合は、RAA(レニン・アンジオテンシン・アルドステロン)系のアルドステロン異常産生です。
検査・治療など
検査
検査は、血圧測定以外に、眼底所見や身体情報などを見ていきます。
眼底検査は、糖尿病や眼疾患などでも行います。動脈の状態や、出血の有無などを見ます。瞳孔を広げる散瞳薬は、眼底を見易くしてくれます。
ポイント
また、運動、塩分、酒、煙草、ストレスなどの生活背景も聴取します。この辺りは、実際の看護などと関わってきます。生活指導や、服薬指導、また血圧をなるべく上げない様に、特に寒冷には注意し、トイレや脱衣所などの暖房を促します。ストレスの軽減方法や排便時コントロールにより、怒責を防いでいきます。

症状
- 頭痛
- 眩暈
- 肩凝り
- 耳鳴り
- 倦怠感
- その他様々
低血圧とは

低血圧の明確な基準は定義されていませんが、一般的には収縮期血圧100mmHg未満、拡張期血圧は60mmHg未満になっています。本態性、症候性又は二次性に加え、起立性などに分けられます。
本態性低血圧
女性に多く、筋肉量が少なかったり、痩せている傾向です。
症状としては、血行が悪いことによる、眩暈、冷感など様々です。
症候性(二次性)低血圧
高血圧と同様に、ホルモン、循環器、自律神経、体液量、薬剤性など原因は様々です。
高血圧とは逆で、アルドステロンの機能低下を呈するアジソン病や、女性ホルモンのエストロゲンが、血管拡張作用も持っており、血圧を低くします。
起立性低血圧
収縮期血圧が姿勢により20mmHg以上下がってしまう状態です。本来、生体反応で血流は確保されますが、自律神経障害、薬剤性、加齢などの原因により生じます。
自律神経障害は、ストレスや運動不足などでも起きます。安静が長期間の患者を起こす際には、注意しましょう。自律神経とは、興奮系の神経(交感神経)と、安静系の神経(副交感神経)のことです。
脈拍・心拍
心拍とは「心臓の動く回数」で、脈拍とは「触診での動脈の触れる回数」です。
頻脈(頻拍)
心臓の動きが速くなる原因としては、運動、発熱などで体の酸素需要が増加したり、体液減少、血管拡張などで血圧低下したり、不整脈、ホルモン、薬剤などの影響によります。
徐脈(徐伯)
神経の異常や、刺激伝導路の異常、薬剤性ではジギタリス中毒が有名です。
ジギタリス中毒
ジギタリスは見た目は綺麗ですが、猛毒を持っています。
作用としては、心収縮力を高め、迷走神経の感受性を高め、心拍数を抑制しますが、血中の濃度の調節範囲が狭く、中毒になると不整脈や、消化器症状を来します。腎排泄なので腎不全患者には使い難い薬です。カリウムが低いことでも起き易くなります。
迷走神経とは
12神経の10番目(X)です。脳より、頸部、胸部、腹部に分布しています。
副交感神経の役割も担っているので、過剰に反応すると、心臓の動きが遅くなったり、血管が拡張します。この副交感神経をブロックする薬剤が、アトロピンで、アセチルコリン受容体を阻害します。
奇脈
正常人でも息を吸うと、多少の収縮期血圧の下降を示しますが、心室拡張障害を呈していると、より顕著に現れます。吸気時に収縮期血圧が10mmHg以上下降します。
大脈
脈圧が上がることなので、脈圧の計算式を思い出すと分かり易いです。
脈圧 = 収縮期血圧 - 拡張期血圧
つまり、収縮期が上がるか、拡張期が下がると生じます。これは、通常は自然呼吸による吸気により、胸腔内圧が下がり、静脈還流が増えて血液が心臓に流入するのですが、心臓の拡張機能が障害されており、血液が流入できないことにより生じます。

小脈
小脈は逆で、脈圧が下がります。大動脈弁狭窄症は、弁が狭くなっていて、駆出障害により収縮期が下がります。心タンポナーデでは、拡張不全により静脈の流入が減り、収縮期が下がります。


速脈・遅脈
脈の速さは、駆出の速度と消失の速度に関係します。
交互脈
大脈と小脈が交互に出ます。低左心機能(心筋障害)では、一回毎の心臓(左心室)の動きが変わることで、大小の脈が交互に生じます。

お勧めの記事などを以下に貼っています。疑問、質問、要望などは「Mail」又は「Twitter@liberal_nurse」のDMまでお気軽にどうぞ^^v
Category
お勧めの厳選書籍は「コチラ」です。専門書は高いので、ちょっとした質問などは「Mail」又は「Twitter@liberal_nurse」のDMまでお気軽にどうぞ^^v