
今回は、こんな声に応えていきます。
この記事は看護学生・看護師は勿論、その他の医療学生・関係者にも通ずる基礎内容です。専門書やガイドラインなどでデータや事実を確認してから執筆しています。学科試験・国家試験・予習復習などに役立ててください! 国家試験範囲の解説一覧は領域別にHOMEに掲載しています。Kindle電子書籍を活用して無料・低価格で「電子ノート」を作りたい場合は、以下の記事を参考にしてくださいね!
-
-
【医療学生】iPad・アプリなどを活かした図解ノートによる勉強方法について<看護>
当記事で分かること
- 心膜と心嚢液とは
- 心タンポナーデの症状や治療などについて
心タンポナーデ(cardiac tamponade)
ポイント
心膜は心内膜、心外膜又は臓側心膜、壁側心膜、線維性心膜又は心嚢膜の4種類でした。潤滑液の役割として生理的に20~30ml前後の心嚢液が存在します。
症状・検査
急激に心嚢液が貯留すると、心室拡張障害、静脈還流障害(右心不全徴候:頸動脈怒張・CVP上昇・肝腫大など)、心拍出量低下(低血圧・頻脈・奇脈)へと段階的に進行していきます。閉塞性ショックに陥る病態の1つです。
緩徐に貯まると無症状のことも多く、この場合は「心膜液貯留」と呼び「心タンポナーデ」とは区別します。
検査では心エコー、胸部レントゲンなどを行います。レントゲンでは本記事のアイキャッチ画像の様に、心臓が「きんちゃく型」に写ります。心嚢液が溜まって下側が拡大する為です。
関連記事をCHECK!
-
-
【基礎】あなたは正常?血圧・脈拍の数値や計算式など<看護・医療国家試験>
関連記事をCHECK!
-
-
心不全と虚血性心疾患の原因・症状・検査などを解説します<看護師国家試験>
治療
一般的には心嚢穿刺による排液(ドレナージ)を行います。心嚢液が少ないと穿刺可能な面積も狭くなり、難しいとされます。その他の手技では開窓術(外科手術)を行います。
エコーガイドに行います。挙上可能なら30度の半座位程度にしましょう。
今回は短めでしたが、「心タンポナーデ」について解説しました。
まとめ
- 生理的に心嚢液は存在している
- 「量」や「時間」が鍵となる
- 症状は拡張障害、低心拍出量、静脈還流障害に関連して起きる
- 検査は心エコーとレントゲン(きんちゃく型)など
- 治療は心嚢穿刺などで対応します
最新記事